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「地方移住」

前々からこんな感じのnoteを書こうと思っていた。ちと原稿中の手休めに。
手、休んでない。

わたしはここ福島県会津地方で生まれたんだけど、だいたい埼玉県と練馬区辺りで育ったので移住者に近いかも。同級生とかいないし。
「親戚がいるような田舎によく独身女一人で住む気になるね」
と十年前くらいに友人に言われた。
わたしはそういうことを極端に気にしない人間だという自覚ぐらいはあったので、
「いいところだから都会から引っ越したい」
と真面目な相談を受ける時、
「旅行だからいいところなんだよ」
やめときなよと、言ってきた。

最近はそうとばかりは言えないかなと思って、わたしが住んでいる福島県の移住あれこれを書いてみる。リモートだけじゃなくて、結構仕事はあるなと思うようになった。
「やめときなよ」
と言ったのは、大きな期待で転居してがっかりされたらやだなと思ってたからだな。と最近とみに思う。

常日頃から謎なのは、
「都会からいきなり限界集落に移住して、古民家再生とかなんでそんな高く飛ぶの?」
ということ。
それは不満も爆発することでしょう。いいことばかり想像して行動するのは何事においてもやめといた方がいいよ。

いい人も悪い人もいるのは何処も同じ。
人と接する機会が増えるのが田舎なので、それがしんどかったらわざわざ苦手なことをせずとも都会で暮らしたらいいと思う。
「生涯独身者にとって世界で最も暮らしやすい都市は東京」
と、言われているそうです。

敢えてそこを離れること自体がもうデメリットな方もいると思うので、よく考えてお引越しをなすってください。

そしてよく考えて引っ越してなお合わなかったら、もう一度都会に帰る余力と余地はあった方がベターではないかと。
退路を断ってするもんじゃない。
地方移住。

磐越西線の車窓

 雪かきや草刈り、町内会のあれこれは増えるでしょう。
 ただ、住居を選び抜けばそれをやらなくても地方移住はできると思う。何故ならわたしは雪かき以外はやってない。
 集合住宅に住むという選択肢があるのですよ。

「福島県の郡山市に住む」

都会です。新幹線がとまって、東京まで一時間半くらいかな。リモート・ワークでたまに出社も可能ではなかろうか。
積雪も少ないそうです。東京よりは降るでしょう。
マンションもあるし、少し郊外にいけば一軒家でも暮らせるであろう。
「田舎暮らしのすごくいいところ」
みたいなことは、地方都市なので少な目でしょう。
代わりに、
「田舎暮らしのよく言われる嫌なこと」
は少な目なんじゃないかな。
大学があるのは大きい。いろんなところからきた人が住んでる。
進学もしやすいし、ご家族で転居にも無難かも。

「会津若松市に住む」

鶴ヶ城
鶴ヶ城のお堀

わたしは自分がもっと年寄り感が出てきたら、会津若松市に転居したいなと思っています。人口十二万人都市(2023年現在)。
なんでかというと、マンションが多い。
「わざわざ地方移住してマンション暮らしはつまらない」
かもしれないけど、場所を選べば鶴ヶ城が見えたりするよ。
大きい病院もあって、本当に街中に住めば車なしでも暮らせないこともない。
会津は盆地なので、何処からも山は見えるし近い。
チェーン店的なものは比較的揃っています。
荒野のスターバックス。

スターバックス・会津若松店

「喜多方市に住む」

わたしは今現在喜多方市に住んでいます。
人口四万人ちょいの市(2023年現在)

多くの人が言う田舎の嫌なところみたいなことはあります。
なんとびっくりみんなが知ってるみたいなこともあります。
わたしはそれは慣れた。
ただ、コミュニティの中に入っていかないという選択も、わたしの場合は喜多方市くらいの規模ならできた。最初はそうだった。
人づきあいをするようになって、楽しいことも、なんじゃそらということもそれはある。
どこにいてもあると思っているのと、仮にやな感じなことがあったとしたら、
「やだな」
と思ってそこからは離れる。
よっぽど一つ一つのコミュニティに深くコミットしなければ、可能かと。
これはわたしが一人暮らしだから気軽に考えられていることです。
お子さんがいらっしゃったりしたらそうはいかないでしょう。
ご家族での転居は慎重に。

食堂はせ川
道の駅 あいづ 湯川・会津坂下
空色cafe
空色cafe
たんたんどるの鰯のタルティーヌ

チェーン店じゃないおいしいものはたくさんあるけど、わたしが行くところは午後四時にはだいたい終わる。
そういうことにはもうすっかり慣れた。
「子どもの運動会なのでお休みです」
「介護が始まったので不定休になります」
とか、張り紙が貼ってあったり、SNSでお知らせがあったり。

わたしはそれがここのいいところだと思って暮らしてる。
自分にあった土地なので、長く住めたらいいな。

「西会津町に住む」

西会津国際芸術村

人口六千人の町。
「西会津住まないすか」
と言ってもらったりして心が動く西会津。
外から見ていると素敵なことがたくさん目につくし、ここはスペシャルな町だとわたしは思ってる。
いろんな形で移住者をサポートしていて、活発に動いている移住者が多い。
わたしにとっては、西会津国際芸術村がある町。

中から見た西会津はまた違うことでしょう。

心動いたけど西会津には恐らく移住しない理由は、
「三十代ならなあ」
です。
体力は必要。
雪も深い。
それに、
「自分は西会津でこれをやりたい。基礎はあるし自分である程度動く力がある」
ということがあった方がきっといい気がする。
アクティブに動いていると外から見ても感じるような人は、みんなめちゃくちゃ忙しいです。自分で動いて飛び回ってる。

それから、移住者の男性が大事なこと言ってた。
「ここでは挨拶ができないと死ぬんです。じいちゃんが何か言ってるのをちゃんと聞くと、『一人で雪下ろししてると死ぬぞ』とか、『雪囲いしとかないと死ぬぞ』とか、命にかかわることを言ってくれてるんで」
苛烈なのは覚悟していけるなら、西会津は本当に魅力的な町だ。

西会津国際芸術村


田舎暮らしだけどうちの猫はおうちの中
猪苗代湖・雪は年々深くなる
春の会津美里町
ベランダにて
日中ダム

いいこばかりでも悪いことばかりでもないのはどこも同じなので、どの「いいこと」「悪いこと」を選ぶかということになると思う。

なので永住を決め込む前にその土地を知れた方がよいです。

会津美里町・伊佐須美神社
何処に住んでも選挙はある


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