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【#ざっくりレビュー】2020 J1・第7節 横浜F・マリノスvs横浜FC

akira(@akiras21_)です。
今回はノスタルジー編です。

今節の先発メンバー

なにはともあれ仙頭啓矢ッ!京都から来たせんとくんッ!!
そして中盤はお久しぶりの逆三角形。よっしゃレッツ勇猛果敢。

終わってみれば4-0

勝ったッ!!

停滞ムード漂う立ち上がりから、オウンゴールで先制するとその後は主導権を手繰り寄せ、あれよあれよと得点量産。終わってみれば4-0の圧勝。終わってみればね。そう、「終わってみれば」なんですよ。

しかしまあなんですか、この試合の流れはどこかアンジェマリノス2年半の文脈を感じさせる類のそれだったなと思います。今回はその点をテーマに、例によってざっくりと見ていきましょう。

昔なつかしオールコートマンツー

まず、横浜FCはマリノスに対してオールコートマンツーマンディフェンスを仕掛けてきました。簡単に言うとフィールドプレーヤー10人を相手の10人にピッタリくっつけてマンマークさせるというやり方で、マリノスが中盤逆三角形型のシステムを採用したことでピッタリ噛み合う組み合わせとなったのも、その手法の助けになったと見れるでしょう。

で、このオールコートマンツーマンディフェンスなんですけど、2018シーズンのマリノスが散々苦しんだ対策だったんですよ。当時のマリノスをざっとおさらいすると、

▼いわゆるポジショナルプレーの原則(自分の隣りにいる選手と直線上に並ばないようにすること)と5レーン理論に沿ったポジショニング
▼ポジションやスペースの受け渡しに乏しく、今ほど流動性はなかった
▼ビルドアップ(攻撃の組み立て)時、パスの出し先を塞がれると手も足も出なかった
▼ボールホルダーにプレッシャーを掛けられ、ボールを前に出せないどころか不用意なミスパスも頻出
▼しかし即時奪回→攻撃再開を狙ったハイラインを継続、そのため最終ライン裏には広大なスペースが

だいたいこんな感じでした。字面にするだけでも歯がゆいすな…じゃあこの日のマリノスはこれに対してどうだったかというと、なんと当時と同じくなかなか苦しんだわけです。

ただ、当時と違ったのは選手たち自身の動き方とスペースの作り方、そして浮き球の使い方。ピッタリと付いてくる相手の動きを利用して、自分たちが動く、または動かないことでスペースやパスコースを作り出したり、手詰まりになればロングボールでサイドチェンジを仕掛けたり、あるいは前方に出したりしてビルドアップを進めました。浮き球の使い方については今季ここまでにおいても進捗を感じさせます。

しかし、スペースが生まれるというのは横浜FCにとっても同じ。またマリノスの守備はマンマークではないので、横浜FCが仕掛けるそれと比べるとプレッシャーが少ないというのは彼らにとって得手だったかもしれません。マリノスのプレスをかいくぐった後は佐藤謙介や田代真一らを経由してハイラインの裏側を狙ったり、後は例によってファーサイドを狙いに行くという典型的なマリノス対策をしっかり実行。それによって試合序盤は横浜FCが試合の主導権を握る展開となりました。

横浜FCは20分頃になるとマンツーマンディフェンスからゾーンディフェンス気味の守備に切り替え、引き続きマリノスを攻め立てたところで飲水タイム。このへんから試合の趨勢が変わり始め、マリノスが徐々にボールを前へと運べるようになります。マリノスのこの時間帯のビルドアップは2019シーズン序盤〜中盤を彷彿とさせるムーブが多く見られました。

そして30分頃にマリノスが先制。オウンゴールとはいえ、ボールの軌道や角度からして田代はああするしかなかったでしょう。ここから先はわりといつも通りというかそんな感じに見えたのでバッサリ割愛します。他の方々のレビューに詳しく載っていることと思いますので、気になる方は是非そちらをご覧くださればと。

ひょっとしたら今後増えるかも

はてさてこのレビューでは何が言いたいのかというと、今季初めてでありながらアンジェマリノス初期には典型のひとつでもあった「オールコートマンツーマンディフェンス」というマリノス対策を前にチームとしての進歩・成長を垣間見た、ということです。「垣間見た」としたのは、決して完全に攻略していたわけではなかったものの、しかし当時と比較すると着実に改善が見られたからです。まだ途上。

当時から原理・原則は大きく変わっていないものの、変わっていないからこそ進歩であり、成長だといえるでしょう。しかしまだまだ練度は高くないので、シーズン再開以降これまでの試合で見られたブロック守備と同様、今後相手チームのマリノス対策のひとつとしてオールコートマンツーマンディフェンスが採用される可能性もありそうだなと感じた次第です。マリノス対策がもうひとつ増えた感じ。

ただ、このオールコートマンツーマンディフェンスが90分間継続してゲームプランのベースとなることはほぼないでしょう。スペースを基軸とした動き方を標榜するマリノスに対してずーっとついていくというのはかなり骨の折れることですからね。本来埋めるべきスペースをマリノスに対して晒すことにもつながりますし、5人交代できるからといってもあまり現実的な線ではないと思います。

今節の反省を挙げるとすれば、オールコートマンツーマンディフェンスなどでプレッシャーを掛けてくる相手をいかにして惹きつけ、いなし、そしてその後の攻撃を展開していくかという点ではないでしょうか。ここまでできれば大抵の状況を乗り切ることができるようになるのではと見ています。

おわりに

てなわけで連敗を2でストップさせ、スコアとしても遠藤渓太が2ゴールに絡むなど、終わってみれば4-0と圧勝で試合を締めくくることとなりました。仙頭もぼちぼちなマリノスデビューを果たしましたしね。もっぺん試合で見たいなぁ。

この2試合正直あんまりいい空気じゃなかったんで、どんな形であれここで勝ってくれて本当に良かったです。勝ったほうが強いんだ、と言っておきましょう。こういう時だけはね。

あと、試合終盤に出場したあの選手のことでスタジアムのいろんなところでいろんな反応があったみたいですが、それについて僕はこの曲を僕なりのアンサーにしたいと思います。

さあさ日曜はミシャ札幌に勝つで!2連敗の後は2連勝や!
ほいじゃまここらでアスタ・ラ・ビスタ。

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