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裏方仕事のお話

棟梁さん


我々の様な大衆演劇の舞台裏方さんはそう呼ばれております。
まぁ人によって少しニュアンスが違うことがあって、劇場に複数の裏方がいる場合、仕切っているリーダー的な方の事を「棟梁」とするのか、裏方みんなのカテゴリーとして「棟梁」とするのか。
ちゃんとした定義は分かりかねますが大衆演劇の裏方さんは「棟梁」と呼称して問題ないと思います。
私個人は棟梁さんと呼ばれたり、慣れた方などは〇さんと名前でよばれます。


棟梁さんのお仕事


舞台の裏方さんてどんな事してるの?というのは気になる所かと思いますので、その辺のお話をしていきましょう。
舞台の裏方、と一言で言っても大衆演劇は特殊な業界かと思います。
そういう私は他のジャンルの舞台でお仕事させてもらった事もありませんので、聞いた話やイメージになってしまうのですが。
まずテレビや歌舞伎、大きな商業演劇などでは基本分業制のようですね。
沢山のスタッフがその舞台に係わり、「演出」「舞台監督」「大道具」「小道具」「音響」「照明」「衣装」など様々な役割をチーム分けをしてるんです。

大衆演劇はどうかと申しますと、劇場の棟梁は極少人数な事が多いです。小屋によっては棟梁不在という事もあるそうです(この事に関する所感はまた別の機会に……)。
1人~3人くらいが多いそうですが、それにしても少ないですね。私の所では私を含め3人の棟梁がいますが、主な業務としては「演出」「舞台監督」「大道具」「小道具」が当てはまると思います。

大きな舞台で沢山のスタッフを束ねるような事もないので「舞台監督」というと大袈裟ですが、打ち合わせや準備に段取りと指示を出しながら公演に備えるわけですので。

「演出」に関しましても、基本的には劇団の座長が主立って演出を決めるのですが、その構想を形にするための提案をしていく事になります。イメージ先行で相談される事もままありますから、そんな時は例えば「なら芝居の流れをこう持ってきて、こう繋げればこの舞台で支障が出ないですね」みたいにお話させてもらう時もあります。
ここは役者さんとの信頼関係も必要ですが。

「大道具」「小道具」に関してはイメージしやすいと思います。
「大道具」は絵の描いてあるパネルや箱枠の大きな家のセットなどで、これを組み合わせて芝居のセットを組んでいきます。
「小道具」はその芝居に必要になる小物、例えば手紙とか湯のみとか杖とかになります。劇場に無くてどうしても必要なものは、買ったり作ったりもしますね。

それ以外の「音響」「照明」「衣装」に関しては、基本劇団さんにおまかせしています。
演目が毎日替わるという事もあり、細かなきっかけの打ち合わせなどが必要な事からその方が効率がいいのと、単純にそこに割ける棟梁が足りないのです。
流石に数多い劇団の全ての芝居の進行までは把握しきれませんし、使用している機材も劇団によって異なりますので……

舞台に関わる棟梁の役割としてはこのような感じです。
次回以降はそれぞれの役割に焦点を当てて、全ては話せないかもですができるだけ詳しく、私個人の所感も交えながらお話出来ればと思います。

もしして下さるなら涙流して感謝します!