英語で推し活

皆さんは推しいますか?わたしは趣味もなければこだわりもなく、夢中になれる推しの存在もありません。こう書くと、なんと虚無的な人間なのだ…と憐憫の視線を投げかけられたり、これはこれは奇異なるものよ、と好奇の視線の針の筵となることもあったりなかったり。個人的にはまったく困ってない人生なので、まあそれはいいんですが。

そうではなくて、二学期前半の授業ではなんか帯活動をやっていかねばスピーキングの力は決してつかない、という意識のもと、スピーキング活動をどうするか考えました。

まず、ゲームみたいな活動(ビンゴなど)や決まりきったフレーズを繰り返す活動はなんだか受け入れ難く除外しました。
次に既習事項を繰り返し使わせたいという観点から、同じ活動ではあっても異なるフレーズや似たようなフレーズ(同じではない)を使う活動にしたい。
とはいえ、毎時間違う活動を考えるのは準備がくるしい。

ということで、ちょうど、この時期の学年共通の英作文課題が好きな人物紹介ということもありまして、推し活をやってみました。

この推し活では最初の数回は文法上の縛りはなく、好きな人やモノの紹介だけしてもらいます。
ただし推すテーマはこちらが事前に10個ほど用意したものから選ぶことになっています。
本、スポーツチーム、アーティスト、食べ物、人物などなどです。
こうすることで、基本的な文構造や論理展開は踏襲しつつ、動詞や名詞などの骨格となるキーワードを入れ替えることで、同じ人同士でも情報格差(インフォメーションギャップ)がうまれ、活動を行う意味が薄れません。

慣れてきたところで、不定詞を必ず使うことや第五文型(SVOC)を必ず使うことを求めました。
聞く側も内容のメモのあとに、指定された文法を使っているかどうかを確認するためにもう一度聞くことが課題として与えられます。

一回の活動は慣れてくると5分程度でした。たぶんあと5分くらい時間をとって振り返らせたり、いいパフォーマンスを紹介しても良かったと反省しています。

これを1ヶ月間でだいたい15回くらいやれたと思います。生徒の反応は賛否両論。
賛成派は言わずもがなですが、スピーキングや即興性に役立つ。習った文法を使う意識が身についた。のような肯定的評価です。
一方、否定派の意見として、毎回の授業でやるのは(推しを考える)準備が疲れる、習ったばかりの文法はすぐには使えない、いつも決まりきった形(〇〇makes me happy.)しか使わなかった、などがありました。

否定派のコメントにはさらに反論を加えたいのですが、相手はまだ中学生なので我慢しました笑
だからここで!!笑
「習ったばかりだから使えない」って、一週間後の方が忘れてるから使えてないって笑
「決まりきった形しか使わなかった」って、そりゃ自分の工夫不足やん?他にもexcitedとか、surprisedとか、習ってる単語いくらでもあるで?
というか to do makes me happy.がさらっと出てくる中2はまあまあなレベルやで?笑

もちろん、彼らには(まだ)いいません。もう少ししたらマイルドに前向きに伝えたいな、とは思っています。

今回の帯活動の試み自体は多くの収穫がありました。二学期後半も別の形で、生徒の負担は控えめにしつつ効果は落とさない形で実施できないか検討中です。半数は受け入れてくれたものなので改良して次は7割くらいが受け入れてくれればな、と思っています。

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