N 道尾秀介

一冊の本で720通りの物語を読める、が謳い文句の小説。
短編小説が六篇収録されており、どの話から読んでもつながっていくため、読む順番は読者次第。6!通りの読み方があるため、全部で720通り。

たしかに、ある物語で語られなかった部分が別の物語ではとても重要だったり。
逆に読む順番によっては、先に真相が明かされており、謎部分はただの答え合わせや確認にすぎなかったり。
同じ登場人物でも物語によってその濃さ(主役か脇役か)が異なったり。
とはいえ、一編ずつの物語もその中で完結している。

構成がとても面白い小説で、電子書籍じゃなくて紙の方がこの読み方の面白さが倍増しそうだなと感じる。
今までにない読書の楽しみ方として、物語そのもの以外の面白さを実感できました。

ネタバレを含みますが、内容の感想としては、


どの章でも誰かしらの死があって、うーん。そこは殺さなくてもいいんじゃないの?ダメなの?と少しもやもや。
フィクションであってもあまり人死が好きではないからか、まるで昔のミスチルの歌のような気持ちになってしまう部分もありました。

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