ユニットエコノミクス云々の前に
SaaSって型があるからいいよね。とか、ユニットエコノミクス見てればいいんだよね。って声がちらほらと聞こえてくるので思うことがあり、面倒だけど書き始めた。今13社ほどのSaaS企業に関わらせてもらっていて気をつけたいなと思ったことがタイトルのユニットエコノミクスのこと。
大規模調達が目立ち、そういう会社はPRもCMもバンバン打ち始める。それは別に間違いじゃないんだけどproductをローンチしてまもない会社やまだKPIが安定していない経営陣がそれを目指しているのは少し違うかなーと思っています。
プロダクトとバリューチェーンが暴れるフェーズで瞬間風速的にユニットエコノミクス3Xが達成されて、「いざ広告」ってやっているのは相当リスク。広告を投下した瞬間に3Xどころか、、、という状態にすぐ陥るから。
磨くこと、測ることを疎かにすると悲劇しかない
ローンチ1年程度で、年契でユーザーを獲得している会社であれば、1年後に結構高い解約率が待ってます。SaaSはJ字カーブの「死の谷」が苦しいから、耐えきれなくて、売りに走って、年契が増えて、結果として短期的にユニットエコノミクスが成立しているように見えているだけで潜在的な解約率という一番大事なところを見ないようにしてはまずいなーと感じる機会が結構ある。
僕も長いこと潜って、相当ストレスフルで辛い記憶はあるんだけど、PSFとPMFを経て、生み出したプロダクトがどの程度の頻度でユーザーに利用されているのかは日々確認した方が良いと思います。(僕はここで一度失敗しているから気をつけてほしいな。もっと利用状況は血なまこで細かく見るべきだった。)
月次でチャージするモデルであれば、顧客のうち何%が月次で利用しているか否かの検証は当たり前のようにするべきだし、実は受注したのは良いけれど全然DAUもMAUもない顧客が一定いるなら「なぜ使われないのか」を科学し続けるべきかと思います。年契でチャージしているのに、「当社の月次解約率は低いです!」というローンチして1年のプロダクトの解約率は本当の解約率ではないと思うw 契約範囲内で解約が多発するのは問題外だけど。。。(カスタマーサクセスが立ち上がるフェーズ)
その繰り返しが、自社が「今のフェーズで獲得するべき顧客群(産業とかき規模とかクラスター)」をはっきりさせていくし、はっきりさせるとDAUとかMAUは高まって潜在的解約顧客は減ってきて、結果として1年後のチャーン地獄を抑止していきます。(マーケの効率化)
TAMの極大を目指し過ぎてALL Targetで展開するのも結構危険で、未来にTAMを広げるのは良いけど「小さく」狙って「最大Active化」を繰り返して総面積を年を経ながら取りに行くのも大事だと思ってます。(事例獲得やIS含めて磨き込みが大事)
大型調達前に、きちんとPFM検証をユーザー拡大と共に繰り返しながら、プロダクト利用状況を見定め、マーケもISもFSもCSも型を丁寧に磨いておくからこそスケールできる。(=だから大型調達しても成長できる)言い換えると磨いてないのに大型調達とかすると後は地獄しか待ってないから磨き続けることをお勧めします。
フェーズにあった目標や指針が一番大事
なお、調達をすると、だいたいマーケ費用とか人員拡大にそのお金を使うことが多いのだけど人数倍とかになると型が全くない会社だとカオスが長引くのと、マネジメント不健全がすぐに起こるのでLeaderの育成や採用は経営の一番の仕事として取り組むと事故の発生頻度は減らせると思います。
FacebookやTwitter見ていると大型調達のニュースが多くて、勘違いしやすいんだけど、その企業、そのプロダクトの「フェーズにあった行動」を取らないと後々大変なので、有名な企業が昔どんなことをしていたのかも注視して、「今」だけを切り取らないように心掛けたいものです。
余談だけど、その昔、リクルートという会社で長きに渡ってマネージャーのパフォーマンスを分析していたらしいのですが、最適な組織のサイズはマネージャー1人に対してメンバー8人という結果だったのをふと思い出しました。参考までに。
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