【病理学】アレルギーの分類について
本日は国試対策としてアレルギーについてまとめていきます。アレルギーは、現代病の1つといわれています。現代の日本人の20%、あるいはそれ以上の人が、何らかのアレルギー性疾患に悩まされています。実際僕もⅠ型アレルギーのひとつであるアトピー性皮膚炎に悩まされています。😂
アレルギー反応がどのように起こるかによって、下記の表のようにⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型と4種類に分類されています。
Ⅰ型アレルギー【アナフィラキシー型】
Ⅰ型アレルギーはIgE抗体が関与することで引き起こされるアレルギーである。別名【アナフィラキシー型】とも言われます。
肥満細胞(マスト細胞)が活性化され、ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどの活性物質が放出される。
【アレルギーⅠ型の特徴】
▶IgE抗体が関与
▶アナフィラキシー型
▶肥満細胞・マスト細胞
▶ヒスタミン(生体内で炎症、胃酸分泌、神経伝達などに関与する。)
▶即時型
【アレルギーⅠ型疾患】
▶花粉症
▶アナフィラキシーショック
▶気管支喘息
▶アトピー性皮膚炎
▶蕁麻疹
Ⅰ型はアナフィラキシーなど即時的に体の状態に影響を与える印象です。よく一般的に言う食物アレルギーなんかはここに入りますね。
Ⅱ型アレルギー【細胞障害型】
Ⅱ型アレルギーは抗原とIgG・IgM抗体が反応して起こるアレルギーです。
マクロファージ(食細胞)による貪食作用により、組織や細胞が傷害されます。補体の活性化によっても傷害されます。細胞や組織が傷つくアレルギーなので別名【細胞障害型】とも呼ばれます。
【アレルギーⅡ型の特徴】
▶IgG・IgM抗体が関与
▶細胞障害型
▶マクロファージ(食細胞)
▶補体
▶即時型
【アレルギーⅡ型疾患】
▶不適合輸血
▶溶血性貧血
▶血小板減少性紫斑病
▶グッドパスチャー症候群
▶橋本病
■重症筋無力症
■新生児容血性黄疸
Ⅱ型はマクロファージ(G)を中心とした貪食機能を持つ細胞が障害される印象です。
Ⅲ型アレルギー【免疫複合型】
Ⅲ型アレルギーはIgM抗体が関与することで引き起こされるアレルギーです。別名【免疫複合体型】【アルサス型】とも言われます。
【アレルギーⅢ型の特徴】
▶IgM抗体が関与
▶免疫複合体型・アルサス型
▶即時型
【アレルギーⅢ型疾患】
▶急性糸球体腎炎
▶血清病
▶全身性エリテマトーデス(SLE)
本来は細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための免疫系が、何らかの原因で自分の細胞に対する抗体をつくり、自分で自分を攻撃してしまう病気
▶関節リウマチ
Ⅲ型はリウマチやSLEなど自己免疫疾患が関与する印象です。
Ⅳ型アレルギー【免疫細胞型】
Ⅳ型アレルギーは「Tリンパ球」が関与することで引き起こされるアレルギーです。別名【遅延型】【免疫細胞型】とも言われます。T細胞がリンホカインを産生・放出し,その後の一連の反応によって組織傷害を起します.
【アレルギーⅣ型の特徴】
▶Tリンパ球が関与
▶免疫細胞型
▶遅延型
【アレルギーⅣ型疾患】
▶ツベルクリン反応
▶移植拒絶反応
▶シェーグレン症候群
▶接触性皮膚炎
■移植片対宿主病
国試過去問
遅延型アレルギーで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.主にBリンパ球が関与する。
2.抗原抗体反応によって起こる。
3.抗原暴露後、発現までに1週間を要する。
4.ツベルクリン皮内反応を起こす。
5.リンホカインで細胞集積が起こる。
A 4.5
アレルギーの分類と組織傷害の機序との組合せで正しいのはどれか。
Ⅰ型アレルギー - 即時型過敏症
Ⅱ型アレルギー - 細胞性免疫による組織傷害
Ⅱ型アレルギー - 免疫複合体病
Ⅲ型アレルギー - 抗体による機能亢進
Ⅳ型アレルギー - 補体活性化による細胞傷害
A 1
免疫グロブリンについて正しいのはどれか
1.T細胞が抗原の刺激を受けて産生する
2.唾液には含まれない
3.IgEはアレルギー反応に関与する
4.IgMには胎盤通過性がある
5.IgGは血漿中に占める割合が最も少ない
A 3
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