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新任マネージャーは考えるよりまず行動

SpecteeでVPoEをやってます、おーのAです。Qiita Engineering ManagerのAdvent Calenderシリーズ2の14日目です。

13日目の記事とタイトルは似てるのですが、視点を変えて書いています。その記事はこちらです。

マネージャーになってから考える時間が増えました。でも、振り返ってみると色々考えても時間だけが経っていた気がします。これについてまとめていきます。

新しいポジションで考える・・・は必要だけど後でも良い

世の中の手法を探す・・・は必要だけど後でも良い

新しいポジションになると、「この役割で果たすべきことは何か」、「組織・チームの問題は何か」「目指すべき組織・チームとは」いう問いを思い浮かべる。そして、分からないのである。
そこで、ググったり、Xでその役職の人の登壇資料を読んだり、本を読んだりして、探索する。こうして得られた学びを自組織・自チームに適用しようとする。そして壁にぶち当たる。

「やば、分からん・・・」

良いプラクティスだから、自分もやるべきなんじゃないか。なぜ、自分の組織に立ち戻ると何もできないのだろうか。

ここには欠け落ちている重要なものがある。コンテキストである。世の中にあるプラクティスは間違っていないだろう。将来的には同じ方向に向かっていくかもしれない。しかし、他社での成功事例は他社のコンテキストの中で行われたことだし、書籍はもっと抽象化されている

新しいポジションになったら大抵、何も知らない。何をすべきかという問いを立て、思考して、仮説を立て、アクションしようとする。

あまりに現状と離れていれば、うまくいかないことも多いだろう。ともするとメンバーからの反発さえ予想できる。うまくいったとしても、それは自社のコンテキストにマッチしていたからで、幸運だっただけかもしれない。

世の中の手法を学ぶことはとても大切なことであるが、並行してやるべきことがある。現状把握だ。

自社の現状を把握するために思考する・・・は必要だけど後でも良い

ということで、現状把握を始める。あっちの様子はどうだろう?こっちの様子はどうだろう?と様子を見たり、想像したりする。

どこか問題はないだろうか、問題は適切に捉えられているか、隠れている問題はないだろうか。そうして気づくと数日が経過している。そして思う。

「やば、分からん・・・」

ここで考えなければいけないのは、「自分の視点」で物事を捉えているということだ。結局のところ、自分の視点しか得られない。そこで、1on1で「組織・チームの問題は何か」「目指すべき組織・チームとは」なんて大きな課題を聞いてみて整理しようする。しかし、それもその人のメガネ越しの視点で本質は見えてこない。そして、整理している間にいつの間にか彼の想いも変わってしまう。

頼りにされる行動を取る

メンバーは「頼りになる人である」ことを期待している

あなたがその役職になって何を期待されているか。
メンバーは新任マネージャーが頼りになる人だという安心感を得たいはずである。つまり、「頼りになる人」を期待されている。

「素晴らしい組織やチームにしてくれる」という以前に頼りたい。

新しいポジションになったら、まずは個人個人の困りごとに寄り添う

では「頼りになる人」になるためにはどうしたら良いのだろうか。
信頼貯金(信頼残高)の考え方が鍵になる。

①相手を理解する、②小さいことを大切にする、③約束を守る④期待を明確にする⑤誠実さを示す、⑥信頼を損ねたら誠意をもって謝る

7つの習慣 -スティーブン・コヴィー-

「組織・チームの問題は何か」「目指すべき組織・チームとは」という以前に、まずの前の人に向き合う。あえて、期待を明確にするを取り消したが、期待を明確にするには少し時間がかかる。もちろん期待の大小によるが、これを考え始めると、「あるべき」を考える思考に戻ってしまう。

新しいポジションになったら、まずは個人個人の困りごとに寄り添う。誰かが困っていたら助ける行動を積み重ねる。

これを怠るといつまで経っても信頼貯金は貯まらない。それどころか「何もしてくれない人」というレッテルが貼られてしまうかもしれない。

組織・チームに作用することをする

個人個人の困りごとに寄り添っていると、信頼貯金が貯まるとともに、組織・チームで取り組むべき課題が見えてくる。個人単位では解決できないことだ。ここでも考える前にまず行動だ。ここでは何をすべきか組織・チーム依存の話なので、箇条書きにしておく。

  • メンバーの感じている問題点・課題の共有を支援する

  • 開発プロセスなどの軌道修正をかける提案をする

  • 目標を言語化し、共有する

  • 互いを知る場を作る(チームビルディングのワークなど)

  • 他チームとの協働を提案・支援する

  • 上位組織に働きかける など

事前に始める前に、良い取り組みにならない可能性があることも伝えておくと良い。実験であることを伝えておくと反発も起きにくい。

そして、考えられるようになる

こうして行動することで改めて考えられる余裕ができてくる。あるべき姿や向かうべき方向性が見えてくる。

私も2年間の組織改善の活動にチャレンジする中であるべき姿が見えてきて、今ようやく採用戦略や組織戦略と呼べるものを考えられる状況に到達できた。

経験が無ければ色々考えても良いアイデアは生み出すことは難しい。新任マネージャーには行動することをおすすめしたい。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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