きみの踊りを讃える詩を知らない
きみの踊りを讃える詩を知らない
きみの想い見守る人たちの顔を知らない
知らないことが多いけれど
この胸に満ちる誇らしいきもちを
まずきみのもとに、そしてぼくの糧に
青白い影に染まるつまさき
たおやかに揺らぐ灯を綴るゆびさき
情感の五線譜、線と線のはざまを軽々と跳ねる
春誘う純白のイマァジュ
きみが演じるさまざまな愛のかたちは
ちいさいころに好きだった寓話のようで
もしかして失くしてしまったのかも、なんて
記憶の標を探してみたり
きみの踊りを讃える詩を知らなくてよかった
知っていたら うたおうなんて思わなかった
きみが踊りつづけること
生まれながらに抱えてきたパズル
神様が与え給うた難解なかけらを
傷つきながらも探す、美しいジゼル
初稿:2003/01/13
Ⓒ2022 Akira Yoshiyama and AKIRA
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