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さぁ「こっから」始めてみようか

2023年6月2日(金)放送のミュージックステーションで披露されたSixTONESの「こっから」。
この曲を初めて聞いたのは、日本テレビ系列で日曜22時30分から放送されている「だが、情熱はある」初回放送(2023年4月9日(日))のエンディングだった。しかもエンドロールのテロップには主題歌の情報はいっさい入っていないという、完全サプライズ解禁。
曲名は翌日2023年4月10日(月)に発表されるという、プロモーションの巧妙さに長けているSony Musicのスタッフに完璧に一本取られた形だ。

2023年5月12日(金)にYouTube バージョンのMVが公開されてから、ほぼ毎日最低1回は聞いている「こっから」がなんでこんなに自分にササっているのか考えてみた。
この曲を聞いて感じたこと、思ったことを自分の中に留めておくことがどうしてもできなくなったのである。


「こっから」の歌詞がとにかくササる

熱いラップのマイクリレーが映える【HIP HOP/ブレイクビーツ】×【生バンド】によるミクスチャー・エールソング。

SixTONES Official Site

引用にもある通り、この曲は応援歌である。

(字幕をonにすると歌詞が表示されるので、あわせて見ていただきたい)

まず、初めて聞いたときは「こっから始まんだ」というフレーズが妙に耳に残った。「こっから始まるんだ」とならず、「こっから始まんだ」となっている歌詞が気になり、ここの部分だけすごく若者っぽいというか、今っぽい言葉遣いだなと感じた。
一般的な表現にするなら「ここから始まるんだ」となるだろうが、「こっから始まんだ」とすることで重くならず、軽く背をたたいて親指を立て、笑顔で励ましてくれているような気軽さを感じた。重苦しい雰囲気の時に、さらっと「さあいこーか」と笑顔でチームを鼓舞するSLAM DUNKの陵南高校仙道のシーンを思い起こしたくらいだ。
『ここから気合入れて頑張れ!』と言われるより、『やっちゃいなよ』と最初の一歩が踏み出しやすいライトさがあった。

生きていくうえでやらなきゃならないことは山ほどある。
やりたいことが出来なくてジレンマを感じることもある。
踏ん張り時だってわかっていても頑張れないことがある。

それでもやらなきゃいけないとわかっていても動けないときに、「頑張れ」と言われるより「とりあえずやってみれば?」と言われたような感覚の曲なのだ。

今自分が置かれている状況でいうと、ほぼ初めての分野に関わっていて、これまでの経験だけでは何ともできない部分があることに不安を感じていた。
今の現場の上司は不明点は気軽に聞いてくれて構わないと言ってくれているが、派遣されている身としては小さいミスも命取りだという意識でいる以上、質問一つをするだけでも慎重になってしまう。
また、生活サイクルもコントロールしやすい業務時間になって、個人的にやりたいことが増えた。あれもこれもと考える時間ができて、考えることや想像することが楽しくなってきたこともある。その反面、日々過ごしていくうちに体がついてこなくて、やりたいことより体力回復に全振りしている自分の状況に焦っていることもある。

心だけが焦っている日々を過ごしている最中に「こっから」が世に放たれた。
ああ、自分は重く考えすぎてるんだ。完璧を求めすぎなんだって、わかっていても辞められない悪癖を簡単に吹っ飛ばすくらいの楽曲だった。
「こっから始まんだ」というフレーズがササるのは、誰かに「とりあえずやっちゃおうぜ」って言われたかったんだ、と。
MVを何度も繰り返し見ながら、自然と励まされる感覚を楽しんだ。

そして歌詞にもあるのだが、「好きこそものの上手なれ」という気持ちをいつの間にか忘れていたことに気付いた。

就職活動で失敗し、希望とは程遠い業界の会社に入社した自分は、最初に関わったFAQサイトのページを制作から、ホームページ制作に興味を持った。当時はテキストエディタでタグを一から書く環境だった。
次の現場に入ったときに研修内容にホームページ制作があり、フリー素材を使って自由にホームページを作ってみた。それがきっかけとなってホームページ制作にハマり、趣味へと変わった。
公開されているホームページからアイディアをもらい、ソースをコピーしてカスタマイズして…。そんな毎日が楽しかった。
ちょうど転職をするタイミングで、今でいうWebディレクター兼デザイナー兼コーダーをやりたいと思い、なんとかほぼ経験値ゼロから派遣でその仕事に就くことができた。
このころの自分はそれこそ「好きこそものの上手なれ」だった。

正直、今の自分はやりたいジャンルの仕事には就けていない。むしろ遠ざかっている。
だったら別の好きなことを副業で始めるくらいに気概があってもいいのだが、不安や恐怖が打ち勝って二の足を踏んでいた。

そこから「こっから」を聞いて「つべこべ言わずにやってみりゃいーじゃん」って言われて、ようやく重い腰をあげることができた。

すぐに手を付けられなくても、やれる準備から少しずつ始めればいい。
今の仕事も楽しめるくらいに工夫すりゃいいじゃん。
やりたいこと、好きなこと極めたいなら動けよ。

ずっと思っていたけど、わかっていたけど動けないほど凝り固まった頭をほぐすだけのパワーワードがちりばめられているのが「こっから」の歌詞の魅力だと個人的には思っている。

人それぞれササるポイントは違うと思う。
リリックの秀逸な韻の踏み方だったり、歌詞の中にちりばめられたあるキーワードだったり、別のフレーズだったり。
それぞれがそれぞれのポイントで楽しめるリリックを書いた方は「佐伯ユウスケ」さんで、作詞作曲編曲、MVにも関わっている。

佐伯ユウスケさんは、個人ではアニメ「遊☆戯☆王」や「弱虫ペダル」の主題歌を担当されている方で、浪川大輔さんなどに楽曲提供されていたり、ナオト・インティライミさんの楽曲で共同作詞をされている。
SixTONESには「こっから」以外にも「僕が僕じゃないみたいだ」「共鳴」「わたし」などのシングル表題曲を含め、カップリング曲、アルバム収録曲など多数楽曲提供いただいている。

「こっから」はタイアップ曲なので、ドラマのイメージも楽曲の要素に含まれていると思うが、それをふまえてもふまえなくてもササる絶妙な歌詞だと感じている。
自分は冒頭にも書いたように、ドラマを見ている派なので、ドラマのイメージも重なってササっている層だと解釈しているが、ドラマを見ていない層にもササっていると思われるコメントがかなり見受けられる。またX(旧Twitter)でも「こっから」の歌詞が色んな人にササっているコメントを多く見てきた。
SixTONESのパフォーマンスに魅かれて興味を持っていただいた人たちにもササる歌詞であることは、間違いないと思っている。

MVがとにかくエモい

「こっから」のMVにはどこかレトロ感が感じられる。
喫茶店やコインランドリー、参道と情緒あるロケーションで撮影されている本作。
ロケーションもそうだし、映像そのものにも一部レトロ系の加工がされているような感じがした。

だが、それ以上にエモいのはこのMVでコンビになっているメンバーの組み合わせである。

  • 森本慎太郎、松村北斗

  • 京本大我、田中樹

  • ジェシー、髙地優吾

この順番で気付いた方は、古参のteam SixTONES お見受けいたす。
2012年4月から放送された『私立バカレア高校』において、物語の中でよく一緒に行動するコンビがこの組み合わせなのである。

最凶ヤンキー高校“馬鹿田高校”のリーダー(アタマ)である桜木達也を森本慎太郎さんが演じ、参謀的存在である浅田哲也を演じたのが松村北斗さん。

(映像開始位置指定しています。)
意図してなのか自然なのかはわからないけど、ここで2人が歩く位置関係がどことなくバカレアを彷彿とさせる(実際ドラマの中では真横で歩いているほうが多いが)気がした。ジェシーさんと髙地さんはニコイチコンビだったし、自然と近くにいた京本さんと田中さんコンビ。

特に最後に森本さんがボーリングの球を投げて、その後ろで5人が囲うように球の行方を見守る。その光景でバカレアの時の6人を思い起こし、「こっから」のMVのあちこちからバカレアの空気感を感じられてエモいのである。

といっても、自分はバカレア当時は彼らのことはまったく見ておらず、SixTONESを知ってからリバイバル配信された『私立バカレア高校』を見ただけなので、放送当初から彼らを見てきた方たちからすれば、そのエモさ加減は比ではないだろう。

それ以外にもSixTONESの過去の作品を思い起こさせるシーンや振りがあるそうで、自分もいくつか「これ、そうじゃない?」と思ったシーンがあった。
この辺りはもっと細かく熱く語っている先輩方の情報が上がっているので、ぜひ検索してみていただけるとありがたい。

ダンスはステップワーク中心でおしゃれ

ミュージックステーションで地上波初披露となった2023年6月2日に公開された、「こっから」のダンスパフォーマンス動画。

歌詞は応援をするサラっと熱い内容なのに、サビのダンスはステップをふんだんに使ったおしゃれなものになっている。
素人がちょっと真似してみようかなと思ってできるようなレベルのものではないが、一度チャレンジしてみようかなと思えるダンスで、自分もちょっとトライしてみた。
きちんとした場所で踊ればできそうな気がする。(あくまで個人的希望)
手の振りだけだけでも全然マネできそうな感じで、色々と注目ポイントはある。

(映像開始位置指定しています。)
この前かがみになってステップを踏んでいる部分は、Rosyの振り付けを彷彿とさせる。

(映像開始位置指定しています。)
もちろん似て非なるものだとは理解しているが、近しいものとして何か関連性があるのでは?と思ってしまうのがヲタクの性なので、そこはご容赦いただきたい。

こっからのMVにはこういった過去の楽曲の振り付けを思い起こさせる振りがいくつかあり、最近ファンになった人でも、古参ファンのつぶやきなどからこういった情報に触れることで、過去のSixTONESの作品に触れるきっかけになっているのではないかと思う。そういったさりげない触れ方がおしゃれだなと感じたポイントでもある。

パフォーマンスはCD音源の上を行くクオリティ

SixTONESの魅力は、なんといってもライブである。
彼らのライブ感は正直なところ、直接見てなんぼである。
CD音源でもクオリティはすでに高いものではあるが、パフォーマンスになるとさらにその上をいく。

音楽番組のパフォーマンスだけでも十分わかると思うが、CD音源通りに歌うことがほとんどない。何かしらのアレンジが個々で入るし、それがまたハマっている。
またパフォーマンスをする全番組を比較しても、(いい意味で)一度たりとも同じパフォーマンスを見せることがない。
パフォーマンスを重ねれば重ねるほど、どんどんアップデートさせていくし、曲にさらなる『色』を持たせていく。
それがSixTONESの持ち味であり、強みでもあると思う。
(CD音源通りに歌うパフォーマンスをするアーティストに一石を投じたいということではなく、こういったアーティストもいるぞというだけですので、何卒ご容赦を)

SixTONESはライブを主戦としているグループである。
ライブになると全く違う色を魅せてくる素晴らしいグループでもあると思う。彼らがライブを楽しんでいる姿を見て、ファンも最高潮に盛り上がって楽しむ。その空間が最高に熱い。
本音はSixTONESのライブを直接見ていただくのが一番なのだが、競争率が高く、FC会員ですら満足にチケットが取れないという状況だ。

そのライブ感を楽しんでいる彼らを手軽に感じられるのが、音楽番組だと思う。
また、公式YouTubeの『PlayliST』で楽曲をパフォーマンスする動画がアップされている。
音楽番組などライブ感を味わえる動画がいくつかアップされているので、ぜひCD音源と比較していていただきたい。

SixTONES公式YouTube「こっから」リリック&メイキング

SixTONES公式YouTube PlayliST「こっから」(パフォーマンス)

(CDTVライブライブ:2023.7.17までの期間限定公開)

(THE MUSIC DAY:2023.9.8までの期間限定公開)

(音楽の日2023:2023.9.30までの期間限定公開)

今更この記事をアップした背景

最後に「こっから」が発売されて約1ヶ月も経過しているのに、なんで記事をアップしたのかという話を少しだけさせてもらおうと思う。

本当に今更感が強いのだが、このタイミングでもこの楽曲に触れてほしいという熱があったから、というのが一番の理由である。
SixTONESの記念すべき10枚目のシングルだとか、X(旧Twitter)のトレンドに上がり続けたドラマ「だが、情熱はある」の主題歌だったとか、オンタイムで記事を上げてもよかった要素はあった。
正直なところ、この記事を上げなくても普段アイドルの楽曲に興味のない層にもササった楽曲である。MVの再生回数はSixTONES至上最高を記録しており、今でも再生回数を伸ばしている。

それでもこの記事を書ききろうと、アップしようと思ったのは「こっから」の歌詞に背中を押されたからである。
以前の自分なら、下書きに残したまま、たまにこんなことを思っていたんだと読み返そうとしたと思う。
だが、ここ最近「こっから」を聞く度にこの記事を公開していないことを思い出し、どこか引っ掛かっていた。
気になっていたというより、引っ掛かっていたという言葉が当てはまるくらい、この記事の内容に自信があるわけではない。しかし、この記事を公開しないことで後悔する自分がいるだろうな、と思うようになった。
やらない後悔より、やって後悔したほうがいいなと素直に思えるようになったので、この最後のブロックを追記して公開に至ったという次第である。

noteを初めて、全然読まれない記事ばかり上げている。その反面、爆発的に読まれている記事もあり、モチベーションをどこに置いていいのかわからないループに陥っていた。
そんな不安というか、どうでもいいことにこだわる意味ってなんだろ、と考えるきっかけになった楽曲が「こっから」だった。

また、最近公開された「ブラスバンドVer.」を知っていただきたいというのもある。

ブラスバンドアレンジに加えて、スコアが無料で公開されている。
早速大阪桐蔭高校ブラスバンド部のみなさんが動画をアップしてくださっている。

YouTubeやX(旧Twitter)のコメント欄を見ていると、OBも含めて吹奏楽部員の方のコメントで、吹奏楽部の置かれている状況を知ることができた。
無料でスコアが公開されていることの意味が、単に広くこの楽曲を楽しんでいただきたい、というだけではない、もっと熱い別の情熱を感じる。
戦略の一環という位置づけだったとしても、これだけの反響を与えるものはもはや社会貢献に近いのではないかとすら思う。

単なるSixTONESヲタクじゃないのか?と言われても仕方のない内容だが、自分もその自覚はあるので、その点は平にご容赦いただきたい。
ただ、こんなどうしようもない筆者の感想を抜きにしても、SixTONESの「こっから」は老若男女に聞いていただきたい楽曲だし、知ってほしい楽曲である。
もし、この記事にたまたま触れてしまったという方は、ここまでいろいろ書いてはいるが、先入観なく聞いて見ていただきたいと思う。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

最後に、この楽曲に背中を押されて、ある目標に向けて行動を起こす準備を始めた。下準備はすでに終えていたのだが、体調面などの影響で準備段階に進めるところで若干止まっていた。
途中まで手を付けていた準備内容を改めて見返して、色々と調べたり情報をアップデートしていこうと考えている。
まだ実行に移せるところまでには至っていないが、少しずつ準備を進めたいと思う。

その目標とは年内に作品を一つ完成させる。人に見せるものなのかどうかも含めて、ここで詳細を公開することは控えさせていただくが、とにかく完成させる。

これが、自分のチャレンジだったりする。

ご精読ありがとうございました。


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