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農。とは-多面的理解と、固定概念からの解放-へのトライ

本を読んでみた


「農」そのものと、その価値を
・正しく多面的に理解しましょう
・こういうもんだ。固定概念から解放されましょう。
を一緒に勉強しようという話です。

過疎地の役割が見直されてきています。
これからの過疎地の役割は、
①国土・環境保全
②文化の保全
③食糧的安全性・安心性の保全である。

という法律が令和三年から施行され、
「インフラとか整ってなくて過疎地は助けなければならない存在」
から
「日本国を守るためにも過疎地の可能性を引き出していかねばならん」
という考えに変わっていきます。(法律・計画とかいろいろ調べて整理するブログを執筆中です6月7日現在)

なのですが、過疎地を「食糧供給地としての役割」としてしまうのは短絡的だと思っていて、うまいこと言語を探しているところです。

前置きが長くなりましたが、こんな本に出会いました。

農から環境を考えるー21世紀の地球のために

2001年初版発刊、2009年第8刷発刊とありました。少なくとも8年間にわたり、7回増刷されているわけですね。(実はもっといってるかもしれません)
・農業ではなく「農」
・持続可能な農業
という言葉遣いに先進性を感じました。二十年前の本ですからね。
せっかく二十年前の本なので、検証も踏まえ、調べていきたいと思います。

・執筆された論調(ぼくが気になった部分のまとめ)
・その後どうなっているのか(二十年経ったからこそ論じやすいです)

執筆された論調(ぼくが気になった部分のまとめ)

いくつも環境問題に関して書かれていますが、過疎地の役割、先進的少数社会とは。という文脈からすると
①稲作における日本の高い生産性と弊害、その規制
②農家さんへの所得補償施策

です。
「①稲作における日本の高い生産性と弊害、その規制」の点では

全国一律に「生産効率」を高める農政が1961年の農業基本法このかた強行された。その結果、たとえば日本の稲作は、農薬と化学肥料をふんだんに用い、10アールあたり平均約500キログラムと世界最高水準の生産量を誇っている。だが、その陰で窒素肥料が原因の地下水の硝酸塩汚染をひき起こし、水質汚濁防止法が監視している23種類の人体に有害な化学物質のうち、16種が農薬起源という事態をまねいた
引用:農から環境を考える ―21世紀の地球のために (集英社新書)

 生産性を高めると当然、農薬、化学肥料を用い、その結果、より多くの農薬化学肥料が必要になったり周辺環境、場合によっては食糧の安全に影響を与えてしまう。ということを持続可能な農業の視点から論じています。

「②農家さんへの所得補償施策」
これは、勉強を始めてから思っていたことなんです。
農「業」として一次「産業」とするから短期的な生産性を求めてしまい、結果、耕作面積、売上、従事者数で衰退を招くのではないか。
経済原理・市場原理を活用しているうちは日本の食料自給率は低水準のままです。
なので例えば
お祭りの存続のように市場原理とかではなく、これは大事なものだから保全しましょう。と税を投入すべきと思っていろいろ調べていたところです。
そしたらありました。

九十九年に施行された「食糧・農業・農村基本法」は農林業の公益的機能を評価して中山間地の営農者に対し直接所得補償(デカップリング)政策を導入した。田畑の傾斜度が急であるなど、条件の不利な地域での営農に対して、一定の所得を補償していく、新しいアイデアに基づいた制度である。
欧州共同体(EC)はすでに1975年から山間地を中心に、条件不利地帯の農家へ色を補償する共通の政策として「デカップリング」を導入し、平野部の農業との経営バランスをとっている。
引用:農から環境を考える ―21世紀の地球のために (集英社新書)
日本でも始まった直接所得補償政策は、使用での貨幣による「交換価値」でははかることができない、自然の生態系や環境、伝統文化などの「関係価値」を評価していこうとする新たな試みである。農政を超える、21世期の工業化社会が備えるべき地域政策というにふさわしい。
引用:農から環境を考える ―21世紀の地球のために (集英社新書)

EUができる前ですし、日本の人口が減少する前(2006年)に書かれた文章ですが共感できることが多いです。

その後どうなっているのか〜2020年の現代での検証〜

先の二つのポイントは2020年現在、どうなっているのでしょうか。


①稲作における日本の高い生産性と弊害、その規制

⑴エコファーマーの推移について
エコファーマーは"持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(1999年)"で認定

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農林水産省のHPによると「着実に増加」しています。
「まあ、とはいっても2012年か。今どうなってるんだろう?」と思って調べてみると
平成三十一年度認定数は95,147件でした。「2012年の20万件から10万件減ってる!!」
高齢化による新技術導入へのハードルや、儲からない。などが理由になっているようです。(全国組織解散も/環境配慮の後退防げ
「農林水産省HP更新して〜!」と思ってしまいます。
結論:エコファーマーは前半10年で20万件までいき、後半10年で10万件減ってしまっている。

⑵化学肥料・農薬の推移について

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「減っている。でもまた10年前の資料だぞ・・・」
と思いましたが最新の情報うまく探せず、ひとまず、執筆時から10年間は減少していたようです。

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ちなみに各国比較です。農薬使用量は多いようですね。(なぜアメリカはないんだろう?)
結論:2012年の時点では10年間かけて減少傾向にある。一方農薬に関しては他国と比べて2008年時点で多いようだ。

②農家さんへの所得補償施策


(ここで筆がとまりました。いろいろ調べていたら2時間経ってしまいました)
従来は米価の管理を国が行っていました。
高度経済成長で国民の所得が上昇し、お肉なども食べるようになり、米(当時の農業といえば米)の消費量が大幅に減りました。しかし、国が高い値段の額を保証し続けたので「じゃ、つくろう」となり
「消費量<供給量」の状態が久しく続き、その解消のため減反政策が行われていました。

しかし2018年をもって減反政策がなくなり、戸別所得保証(市場価格との差額を国が保証するもの)もなくなりました。
消費量の分だけ供給するようにしよう。それは農家さんが決めましょう。ということになりました。

むずい・・・

なぜ農家の所得だけ保障しなければならないのか?-繰り返し農家所得だけが政治に取り上げられる理由
米政策NEWS「米政策の見直し」
この辺を読んでいたら、相当深く、広く、歴史がある話ということはわかってきて、全てを調べていても何も論じられなくなってしまうので、保留にします!

結論
・直接所得補償(デカップリング)政策は、見つからなかった
→食糧・農業・農村基本法をみたけど探せず
・減反政策(国による食糧管理の中で)、稲作に関して戸別所得保証は行われていた
・2018年をもってなくなった。

最後に

調べてみてとてもとても難しかったですが、あえて不完全なままブログを投稿します。
農業の全体の話の中で取り上げるべき論点だったかも難しいです。
ですが、農(一次産業といわれる生業)の意味は
将来世代までも見越して環境を保全し、国内の食糧の安全安心を守る。
なのだと思います。
そのために
・ICT(5Gなど)で農業イノベーションなのか
・伝統文化を守る切口なのか
・単価をあげることなのか
・担い手育成なのか
・なにかを保証することなのか
は今後思考していきたいところです。

農業のもつイメージと実際と将来あるべき姿をみなさんで話していきましょう。ご意見、ご指摘がある方お待ちしています。ぜひいろいろと教えてください。
#減反政策 #持続可能性 #持続可能な農業 #エコファーマー

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