NHKビビりすぎ…
朝のワイドショー「めざまし８」で取り扱われた、北京冬季オリンピック世界最終予選のテレビ放送の件。当初BS1で放送されるはずが、スポンサーにアダルトグッズ専門のオンラインショップの名前があったから放送しなかったのではないかという件で、橋下徹氏が言ったコメントに本当に共感してしまったので、この件について語りたいと思います。
それはNHKの体制にも色々と問題あると思いますが、一番厄介で本当に言論の自由の意味を履き違えている、所謂「自主警察」のようなネットや世論の声だけ大きな輩の問題ではないかと考えます。
企業として認められていて、大会サイドでも認めているのであれば、何の臆する事なく堂々とすれば良い。それをホンの声が大きい少数の意見の為に、声を上げていない多勢の人が犠牲になってしまう昨今の状況に嫌気が指しているのは私だけではないと思うのです。
なので今回橋下さんが言ってくれたことには本当に賞賛せずにはいられませんでした。
スポーツマーケターという立場で物事を言わせて頂くと、大会などを開催する際に一番重要になるのが予算のイン・カム。
特に収入の部分をいかにしたら確保できるかが重要な課題となります。
オリンピックや世界大会などの招致の際にも「insurance」（保険）という項目があり答えが義務付けられています。
マン万が一、大会都市がお金が無く負担出来ない時は国が面倒みます…というくらい財源確保が重要であるというのは世界共通の物事なのです。
大会は色々と規模があり、国を上げてのものなのか国際連盟等が開くのか、更には全国なのか都道府県単位なのか市町村レベルなのか…それぞれを範囲・規模を主催者が決めて競技団体のルールの中で行えば良いことなのです。
具体的には禁止カテゴリなどを決めていて、タバコ・ハードリカー・公序良俗に反しない企業などとしている場合が多く、今回はそうでないと主催者が判断をし協賛を募りアド広告を露出しているだけなので、全く問題ない状況なのです。
私の経験からお話しさせて頂くと…
1990年以後、所謂サラ金の広告が問題となりました。全ての金融系企業を排除するわけにはいかないので、大手銀行系のグループであれば問題ないとか上場していれば問題ない、カードなら問題ない…など色々と自主規制を作ったりしました。
また放送する側でも「映り込んでしまうのはしょうがない…」という観点から、競技中映るモノを特別に加工することなく放送していました。（逆に加工して放送すると違う面から法律違反になってしまうのです）
そしてこの消費者金融看板問題にはNHKは特に敏感でした。
1991年から、私は前橋市市政施行100周年記念イベント・室内陸上競技大会（のちに毎年開催され1999年世界室内陸上に繋がる国際大会となった）という大会のチーフプロデューサーとして従事してきましたが、とにかくお金集めが大変でした。
1995年にはこの問題を解消するために、ゼッケンスポンサーとしてその当時の最重要検討課題であった消費者金融の会社を特別協賛社として招きいれました。国際陸連・日本陸連、更にはNHKも問題ないという事で開催して、放送された後も全く問題なく終了したのですが…。翌年の大会の時に、それが大問題となりました。
それは記憶に残っている方もいらっしゃると思いますが、1996年に北海道で「豊浜トンネル岩盤崩落事故」があり、競技の途中でその崩落現場から爆発させて救助する中継が入ったのです。
なので大会に興味ない方々が多数視聴した結果、自主警察からのクレーム電話が大会本部へひっきりなしに掛かってきました。
先ずクレーマーは放送していたNHKに電話を入れ、NHKは放送しているだけで分からない…大会サイドへ連絡をということで、大会本部の電話番号を伝えた結果の出来事でした。
その電話の大半が「なぜサラ金をゼッケンに入れている、それをなぜNHKが放送している…」という内容でした。
今でいう“大炎上” ですね。
凄い人は30分以上同じ言葉の繰り返し。
反論すると更に長くなりそうだったので終始“はい、はい、はい…”という感じに徹しました。
余談になりますが、前年までの視聴率は５%ほどだったのですが、その年はこの岩盤事故中継の影響でなんと20%を超えてしまい、その年のスポーツ中継高視聴率ランキングのベスト10 にも入ってしまったのです｡｡｡｡
ただその反面、海外の超有名選手を招聘して、陸上競技をエンターテイメントにしてくれてありがとう！という応援もたくさん頂きました。
どちらが正解というのはありません。
でも声の大きいクレーマーだけの意見を取り上げているだけでは本当に進歩がないと思うのです。
では大会をやるときにその人たちは何か協力してくれるのでしょうか？
今日の橋下徹氏のコメントを聞いて本当に納得して賞賛したのは私だけではないのではないかと思います。
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