映画『オオカミの家』とシアターキノ

9月23日からシアターキノで公開されている映画『オオカミの家』。初日に行き、20時50分の回で観てきた。19時半近くにチケット買ったら50番台。案の定、上映前には札止め。聞くところによると、前の回も早々に売り切れていたらしい。
上映早々口コミでヒットしてた作品。前々から期待が高まっていた。日ごろは高齢者施設と化しているシアターキノが若者で溢れかえっていた。
作品はおもしろかった。だけど、万人にはオススメしない。実験映画だし、おどろおどろしい雰囲気を常にまとっている。常人の域を出ている作品だと思う。筆舌にしがたいので、観てみるのが一番早い。ぶっ飛ばされる。まあ、私は80分もない上映時間でも寝てたけど。ちなみにWakkaでも寝た。
今作はストップモーションアニメの作品だ。しかし、ライカやニャッキやプイプイモルカーのような安心してみれるような作品ではない。ヤンシュヴァンクマイエルからバカっぽさを抜いて、禍々しさを足した感じ。個人的にはバカっぽさがなくなったぶん、少々エンターテイメント性が足りない気がした。

某映画監督が「今の観客は、映画館に評判の良い作品や過去の名作を観に行って、面白かったねと言って帰るだけだ」と言っていた。そんな話を聞いたタイミングで、某劇場ではアカデミー賞受賞作品のリバイバル上映を行うと発表した。
某監督の言うことが、まんまだなと思った。と、同時にそういう客層は今も昔もいっぱいいるんだと思った。だからこそ二番館や名画座というシステムがあるはず(あったはず)だ。
今回、映画『オオカミの家』を観たあと、劇場が静まり返っていた。感じたことのない衝撃を得て、座席から立ち上がれない客もいたし、小さく拍手をしている客もいた。

いい映画を観た。