夏…(スイデンテラス 大地の芸術祭)


ブログを書こうと思う時ほど書けない。なのでまた過去記事を引っ張り出す。


--------🦣--------

2021.8 寺・マキ


夏の終わり頃にマキ坊、にわちゃん、俺で北海道・旭川〜富良野の自転車旅行を計画していて、宿の予約まで進めていたところで突然マキ坊がコロナになり、にわが足の指骨折し、俺が腰痛を発症するという清々しいまでの全滅を喫した。結局予定日までにコロナは治癒し、腰も多少マシになったのだが、にわは動物園で一日遊んだら痛くて歩けなくなったと言っていたし、髪の毛が生えそろっていない彼に北海道は早いだろうということで三人での旅行は延期となった。


しかし休みも取ってるし、気持ちは完全に旅行モードだったのでどうにか旅行は行ってやるという気持ちで俺は山形へ向かった。そう、1年ぶり3回目の鶴岡だ。

今までは山形新幹線で新庄経由か、飛行機で庄内空港のルートだったが、今回は趣向を変えて新潟経由にしてみた。これが正解で、新潟駅から乗った特急いなほは名前に似合わず、がっつり日本海沿いを走って良い景色を見せてくれた。むしろ波や岩場をかきわけて海を走っていたような気もする。

片道5時間近くかかったが、列車の旅は景色が見えるのでいくら長くても苦にはならない。特急列車はなおさらだ。特急の種類によって席の広さや車両の作りにほどこされた工夫を見つけるのもまた一興。俺だったらこんな特急にしたいなとかいうのを考えてみたけど、一時間ごとに肉まん一個無料で配られるぐらいしか浮かばなかった。(これを読んで、肉まん欲しくないと思った奴は受け取らなければいいだけだから、余計なことは考えなくていい。)

鶴岡に到着して、レンタカーで山居倉庫へ。昔の倉庫をお土産屋や博物館にリノベーションした観光地だ。
お土産に酒を買いたかったが、自分が酒に弱いことと荷物が重くなることを思い出して断念した。たくさん売ってる銘菓っぽいのを一個ずつ買って酒田の漁港に向かう。日本海の海鮮丼でいつも行列ができているが平日のせいかガラガラ。



海鮮丼を食べ終わった頃、もう陽が沈みかけていた。今日のことを思い返すとほとんどの時間を移動に費やしている。だけど色んな景色を見れたからそれも悪くないか。3回目ともなると加茂水族館や土門拳記念館なんかはまた今度きた時でもいいかと思える。
旅行というと、ここもあそこもと行きたい場所の多さと限られた時間との間でいかに効率よく回るかある程度プランを練っていくのが楽しいところでもあり、面倒なところでもある。だけど、こんな風に「また来るからいいか」と余裕を持って行動できるのはとても気楽だし、行きつけのような土地や宿に出会えた事は価値のある事だと思う。
毎年決まってタイに旅行に行く先輩や、長野の秘境のような場所に引っ越す知り合いの気持ちが今は少しわかる。景色や食べ物、宿、なんでもいいけど、感銘を受けて通ううちに知らない土地もだんだん自分の馴染みの場所になる。


暗くなる前に宿に到着した。相変わらず建物が良い。
朝食のみのプランにしたので、さっきの海鮮丼が早めの夕飯。しかし夜に腹が減るのを見越して売店でジェラートと飲み物を買っておいた。




部屋に荷物を置いて、まっすぐ温泉へ向かった。目当ては新設されたサウナだったが、今まで男女ごとに固定だった浴場が日ごとの入れ替え制になっていたので、まずそこから目新しかった。最初に露天風呂に入った。浴槽は楕円形だ。白く滑らかなコンクリートで池と隔てられている。浅く広い池は水田に見立てられており、木製の目隠しフェンスによって四角形に切り取られている。浴槽に入ると池の水位と目線の高さが同じくらいになるので、水田に肩まで浸かっているような錯覚に陥る。

サウナは小さめの造りで、入ってもせいぜい5人くらいか。俺が入った時間帯は空いていたので、一人で好きな時にセルフロウリュして楽しむことができた。出入り口が低くて頭を2回強打した。

水風呂は露天風呂に併設されていて、キンキンに冷えていた。

温泉を出る頃には外は真っ暗だった。ホテルの外にはいくつかの関係施設と農道しかない場所なので、夜が本当に暗い。夜にガラス張りの渡り廊下を歩くと幻想的だ。さて、今回リニューアルされたのはサウナだけでなく、本館にもあるセンスのいい本が厳選された読書コーナーの拡大版であるライブラリーの新設や、つや姫の産地である庄内の地酒が揃えられたサケラウンジなどがある。

よさそうな本を見繕ってメモを取ったり大バルコニーから外の景色を見ているうちに夜も更けた。もう一度温泉に入って、ジェラートを食べて寝た。





翌日。

朝食はコロナ対策でバイキング形式は中止し、御膳だった。野菜の鮮度がとにかくよくて、おかわり自由のサラダが美味い。




昼には新潟に到着しなければいけなかったので、すぐにチェックアウトを済ませた。



(きっとまだ続きます)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?