【ChatGPTプロンプト】 使える!?弁証法的思考×水平思考②
前回の記事ではChatGPTに弁証法的思考を実践してもらいました。弁証法とはなんぞや、という方は下の記事を参考にしてください。
今回は応用を試みます。課題は「商品コンセプトの提案」です。弁証法は矛盾・対立を解消する思考法でした。ChatGPTに世の中から矛盾を見つけ出してもらった上で、それを解消する商品を提案してもらいます。
目次
1,水平思考
2,プロンプト
3,ChatGPTの出力結果
4, 商品の検討
5, 結論
6, 補足
1,水平思考
その際、「水平思考」を実践してもらいます。水平思考をプロンプトに入れると、アイデアがクリエイティブかつ実用的なものになるとのこと。詳しくはこちらのツイートに書かれています。
早速プロンプトを作成してみました。
2,プロンプト
②下のプロンプトを入力します。
プロンプトの説明
このプロンプトは「指示」と「参考情報」から成ります。「指示」は要望、方法、具体例の要求を含みます。「参考情報」には弁証法の意味を載せています。これでこちらの指定した思考法に沿って出力してくれるわけです。
3,ChatGPTの出力結果
少し長くなりますが全文を載せます。商品アイデアは一番最後にあります。
矛盾の発見
テーゼ (デジタルコンビニエンス):
アンチテーゼ (アナログ体験):
ジンテーゼ (デジタルとアナログの調和):
水平思考によるジンテーゼの商品コンセプト:
なんとデジタル要素を含んだ紙の本を提案してきました。
4,商品の検討
いや、でもこれ一笑に付せないのでは。ページにQRコードを記載すれば読者はスマホで動画や音楽を再生できます。筆者が考えたことのないアイデアです。商品例を考えてみましょう。まず、「ホラー小説」。たとえば紙の本に次のような描写があるとします。
ここで読者がページをめくると、はたして、QRコードがある。読み取るとスマホ画面にJホラー風の恐怖映像が流れる。読者は小説の登場人物が見たのと「同じ」動画を見てしまう・・・。
こんな読書体験が可能になります。文章を通して体験していた架空のQRコードが突然目の前に現れる。この仕掛けにゾクリとする読者もいそうです。
デジタルですから動画にかぎらず小説内音楽、小説内ゲーム、小説内Webサイト、なんでもスマホからアクセスして実際に体験できます。小学生時代、筆者は江戸川乱歩の少年探偵団シリーズにはまった時期がありました。乱歩の文章も好きでしたが、挿絵を見るのも楽しみでした。挿絵がオーケーでデジタル要素はダメという道理はないでしょう。これはこれで新しい読書体験と言えるのではないでしょうか。
他に考えられる工夫は本のアナログ感覚を敢えて強調する、というものです。ChatGPTが解答してくれたように本には独特の感触と匂いがあります。デジタル要素に加えすこし凝った紙を使用して感触や香りを楽しんでもらうことも可能でしょう。
5,結論
弁証法と水平思考を組み合わせたプロンプト、少なくとも今回は成功したと言って良いのではないでしょうか。クリエイティブですし、実現困難という感じでもありません。なにより手軽です。プロンプトを入力するだけでコンセプトが手に入るわけで。ブレインストーミングの際に役立つのは・・・。
「Analogiaデジタルブック」以外にも「UrbanEscape(アーバンエスケープ)」(都会向け移動式オアシス)というアイデアを出してくれました。水平思考のおかげでおもしろいアイデアを出してくれます。
次の課題は提案された商品アイデアの吟味です。需要の有無、実現可能性、価格設定、収益性など商品化にあたって考慮する項目はたくさんあります。この作業に弁証法は貢献できるのでしょうか?つづきは次回の記事で。
6,補足
ChatGPTが提案した「Analogiaデジタルブック」という商品名ですが、これについて少し考えたいと思います。「Analogia」は〈比例〉を意味するギリシア語です。おそらく「アナログ」という言葉からこの商品名がついたと思われます。
「アナロジア」と「デジタル」の比較については次の記事が詳しいです。
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