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【自治トピックス】No.51

 ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんの独演会が六本木のバーで開催された。彼の独演会を訪れたのは、もうかれこれ4回目くらいだろうか。不思議なことに東京では初めてだ。過去1回は仙台、2回は大阪である。コロナ禍に入って、たまに彼の毒舌を聞きたくなる。思い切り爆笑したくなる。テレビもネットも、振り子を振り切ったように、「適切」であろうとする。ちょっとした失言や過去の行いで役職を追われる政治家や著名人がいる。私はこうやってものを書いているが、どこからともなく「適切」でなければならないという圧を感じながら筆を進める。言論空間がいつも息苦しい。日本に表現の自由が保障されているなど嘘だと思う。日本国憲法には確かにそう書いてあるが、実際には国家権力が黙っていても、無数の〝なまはげ〟が徘徊していて、〝わるいごいねがー!〟とパトロールしている。彼らはいったん〝悪い子〟を見つけると、寄ってたかって泣くまでもてあそぶ。イデオロギーは関係ない。右も左も、抱えている思想や使命は異なっているが、顔は同じ〝なまはげ〟だ。村本さんの独演会は、そういう〝なまはげ〟の存在を忘れさせてくれる。申し訳ないが、不適切極まりない。そこが面白い。馬鹿笑いできる。村本さんとは顔見知りではない。むしろ向こうからすれば、「お前だれ?」状態だろう。この日は、村本さんの知り合いばかり集まっていたが、それでも見知らぬ私にしっかり目を合わせて話しかけてきてくれた。この男、不適切なくせにやけにやさしい。しかも繊細だ。彼のエンターテインメントとしての「反権力」は、池内沙織元衆院議員に見つかれば、瞬く間に炎上するだろう。それでいい。来年3月には米国に渡ってしまうらしい。それまでにもう一度、彼の独演会に足を運びたいと思う。

 さて、今週もニュースの切り抜きを。

 岸田首相は29日、首相官邸で東京都の小池百合子知事と会談し、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大防止に向けて連携する方針を確認した。両氏の会談は10月8日以来で、過度の疲労を理由に入院、静養していた小池氏の公務復帰後は初めて。
 小池氏は、「変異株の到来は極めて重要なファクターだ。迅速かつ有効な水際対策を(取ってほしい)」と要望した。首相は「最悪の事態を想定し、しっかり進めたい」と応じ、医療体制の整備にも万全を期す考えを示した。

読売新聞2021年11月29日配信

 やはり小池知事は非常時がよく似合う。平和な世の中では発信力が弱まる。どこかに倒すべき敵があったり、東京や日本に何らかの危機が迫っていると、生き生きとしている。オミクロン株の爆誕は、彼女の出番を増やすことになるのではないか。

 岸田内閣と小池都政との相性はいかがなのだろうか。〝リベラルな保守〟という意味では一致する部分が多い気もする。野田聖子氏の存在も大きいのかもしれない。

 この日は5週間ぶりの記者会見となった。入院や静養期間中、自身の重病説が流れたことについては、「『いい加減なこと言うなよ』と思っている。このように元気に戻っている」と復活をアピールした。

読売新聞2021年11月27日配信

 しらばっくれてはいけない。都知事という大きな権力を持ったリーダーが何週間も何の音沙汰がなければ、「重病説」が流れるのは当然のことだ。

 訴状によると、区は2016年、ミッドタウン日比谷の店舗や駐輪場などが入る区有施設「ステップ広場」について、三井不動産幹部などで構成するエリマネに20年間無償貸与する契約を締結。ステップ広場の簿価による資産価値は土地が約225億円、建物は約30億円に上り、区は適正価格で賃料を設定すべきで、樋口区長が契約見直しを協議しないのは違法と訴えている。

東京新聞2021年11月27日配信

 相変わらずの千代田区クオリティー。再開発ビルを建てれば、区の所有する床は出てくる。その床を使って、何らかの公共施設を運営したい。しかし、民間にまともに土地の貸借料を払わせたら進出できなくなってしまう。かといって、区が直営でやるような時代でもない。そんなわけで、無償貸与という選択肢になるのだろう。気持ちは分かるが、場所は一等地なのだから民間がウハウハになるようであれば見直しが必要だ。

 前区長が決めたことではあるが、これを「癒着」と言っていいものなのだろうか。

 東京外郭環状道路(外環道)工事を巡り、東京都調布市に情報公開請求をした男性(74)の個人情報入り請求書の写しを市職員が国土交通省東京外環国道事務所など3事業者に漏えいしていた問題で、長友貴樹市長は25日の定例記者会見で「極めて不適切な対応を行っていた。市民、関係者に迷惑と心配をかけ、大変申し訳ない」と陳謝した。問題発覚後、市長が公の場で謝罪したのは初めて。

東京新聞2021年11月25日配信

 「前回同様、取扱厳重注意でお願いします」と書いているから、常習班だったことが分かる。こういう対応が調布市だけとは思えない。全国の公共事業を巡って、こうやって情報公開請求を行った人物のリスト化が行われているのではないか。最初、どちらから働きかけたのだろうか。

 大阪市の松井一郎市長(大阪維新の会前代表)は29日、来年2月開会の市議会への提出を示唆していた「総合区」制度案について、市議会で維新が過半数になく、可決の見込みがないとして、「出すだけ労力の無駄」と述べた。市役所で記者団の取材に答えた。

産経新聞11月29日配信

 都構想住民投票の否決を受けた〝なんちゃって都構想〟の第2弾だが、公明党が自分で言い出しておいて、いざやろうとなるとはしごを外すから、前に進まない。要するに、現行の24の行政区を8区に統合して、区の権限を増やすということ。

 時間の無駄だなと思う。「総合区」は政令市における行政区単位の住民自治を強化するのが狙いなのだから、現行の24区でまずできることから始めればいいのだ。それを、あっちはやる気ない、こっちはやる気あるというマウントの取り合いをやって分断を演出するから何も進まない。

 問題となるのはモデルナ製も使用される2、3月分。国が通知した17万1450回の配分のうち、ファイザー製は9万3600回分にとどまる。高齢者の多くはこれまでファイザー製ワクチンを受けており、2~3月中に接種を希望する場合、4割強が異なるワクチンの交差接種を迫られる。

日本海新聞2021年11月26日配信

 鳥取県では、1~2回目までファイザー製のワクチンを受けてきた人たちのうち4割強がモデルナ製ワクチンしか供給が間に合わず、ファイザー製は待たなければならない。メーカーが異なる交差接種でも効果があるならいいが、そういうアナウンスもない。知事が怒るのは当たり前だろう。この逆も同じで、大規模接種会場でモデルナ製を接種した人は、3回目がファイザーになってしまうことはあり得るのだろうか。

 政府はワクチン供給について早めの情報提供をお願いしたい。情報の遅れは接種の混乱につながり、結果、内閣支持率の低下にもつながる。

 吉村氏は、来月11日に予定されるドバイ万博のジャパンデーへの出席に影響があるかどうかを問われ「知事として府の感染対策を陣頭指揮していく立場だ。オミクロン株の状況によっては、僕が行かずに代理出席もあり得る」とし、感染状況を見極めて判断する考えを示した。

産経新聞2021年11月29日配信

 オミクロン株の懸念によって、楽しみにしていたドバイ旅行も黄色信号。感染状況というより、世論を見極めるのではないか。

 ワクチンが有効なのであればオミクロン株は懸念にとどまる。ドバイ旅行は論外だが、私はさほど心配していないのだが。これまでの延長線で、自分にできる感染防止対策を続けていくだけだ。

 「かんなみ新地」と呼ばれる兵庫県尼崎市内の風俗街が同市と尼崎南署から風営法に基づく警告を受けた問題で、約30店でつくる「かんなみ新地組合」が23日までに解散したことが、関係者への取材で分かった。既に約10店が市に廃業を申請しており、一部は風俗営業をしない一般の飲食店として営業を続けるという。
 終戦直後から約70年間、飲食店での自由恋愛を名目に黙認されてきた色街がついに姿を消すことになる。

神戸新聞2021年11月23日配信

 この時代に例外として〝遊郭〟が黙認されてきたことが問題で、ノスタルジックに何十年の歴史とか振り返るべき案件ではなかろう。文化遺産としての価値のある料亭などが風俗営業をしない一般の飲食店として営業するなら問題はないが、売春まがいの風俗店は潰れて当然だ。それにしても、なんで今さら警察がやる気を出したのだろうか。そちらの背景に迫るリポートを期待したい。

 「知事不信任案の可決には、あと3人足りません」。23日、静岡市内で開かれた、静岡県議会最大会派、自民改革会議の議員総会。川勝平太知事の御殿場市をめぐる舌禍などの責任を問うとして24日の臨時県議会への提出を目指していた不信任案だが、会派の役員は苦渋の表情でこう報告した。多数派工作の不調を意味し、提出を諦める事実上の〝敗北宣言〟だった。

産経新聞2021年11月23日配信

 当然の結果。リニア問題や衆院選の意趣返しでしかないが、自民党が悪乗りしすぎた。選挙期間中の発言ごときで知事不信任案を出そうなど、あまりにも県民をバカにしている。猛省を求める。

 青森県むつ市が本年度の市職員の期末手当について、「年間0.05カ月分減額」としている県人事委員会の勧告に従わず、据え置く決定をしたことが24日、市への取材で分かった。同日開会の定例市議会には市特別職と市議会議員の期末手当の減額改定案のみ提出され、可決された。県市町村課の担当者は勧告に準じる義務はないとしつつ、「準じない決定は(他市町村を含め)現時点で聞いていない」としている。
 宮下宗一郎市長は取材に「新型コロナ対応とワクチン接種、大雨災害対応などで業務負担が大きい中、職員は卓越した働きをしてくれた。今はコロナ禍からの景気浮揚の局面で、消費マインドを下げる減額は考えられない」と説明した。

東奥日報2021年11月25日配信

 宮下市長、かっけー!地方自治体の職員たちはこの間、住民のために必死に働いてくれた。これに報いてあげるべきで、民間が低いからといって安易に給与を下げるべきではない。身を切るとか言って、公務員いじめにご執心な大阪のカルト政党とは大違いである。

 自民党の山田修路参院議員(67)=石川選挙区=が、任期満了に伴う来年春の石川県知事選に立候補する意向を固めたことが28日、関係者への取材で分かった。知事選には自民党の馳浩元文部科学相(60)が出馬を決めており、保守分裂選になる可能性が出てきた。

共同通信2021年11月28日配信

 石川県知事選はプロレスラーで決まりかと思っていたら、そう簡単ではなかった。山田参院議員は自民党の茂木幹事長とも面会しているから、構図によってはがっぷりよつの選挙になるのかもしれない。

 日本人と外国人を区別せずに投票権を認める東京都武蔵野市の住民投票条例案をめぐり、外国人参政権にあたるとの憲法上の懸念に加え、作成過程にも疑問の声が上がっている。松下玲子市長は条例制定で「市民参加がより進む」と訴えるが、条例の骨子案や素案は市民不在の中で作られ、その後も反対意見が反映されずに市議会に提出された。松下市長は議会答弁で「市民の理解を得られた」との主張を重ねており、市議会の判断が注目される。

産経新聞2021年11月28日配信

 市役所に大音量の街宣カーが押しかけているとか。外国人だって納税はしているし、市の行政サービスを受けている。当然、行政への市民参加に国籍の違いなどない。市内の外国人が住民投票にどういう影響を与えたとしても、市は執行機関と議会の二元代表制で成り立っており、その枠からはみ出る施策や意見表明などできない。それは日本が地方議会に対する外国人参政権を認めていないからだ。そこが堅持されている限り、この住民投票条例が外国人地方参政権の代替になどなり得ない。市議会がしっかりチェック機能を担っていれば、市政が国益を損なうことなどない。

 もっと言えば、例えば武蔵野市が国の外交・防衛にかかわるような意見表明を住民投票で行ったとして、政府がそんな一自治体の意見表明に振り回されることがないのは、沖縄の辺野古基地建設を見れば分かる。

 愛知県弥富市の中3刺殺事件で、逮捕された男子生徒(14)が校内のアンケートに「いじめられたことがあった」と回答していたことが分かった。同校の校長と市教育委員会が29日、記者会見して明らかにした。
 市教委によると、男子生徒は2月、悩みなどを尋ねるアンケートの「いじめられたことはあったか」との質問で、「ある」に丸を付けていた。
 校長と市教委は当初、男子生徒をめぐるトラブルについて「思い当たることはない」と説明していた。その後、学校側が過去のアンケート結果を調べ、いじめに関する回答が判明したという。

時事通信2021年11月29日配信

 いつものこと。教育委員会にはいじめ問題を解決する能力はない。教育委員会や学校も「加害者側」である可能性もあるので、完全に独立した機関が対応すべき。政治が新しい仕組みを考えていただきたい。

 熱海市伊豆山(いずさん)で発生した土石流で、県の調査検証委員会は二十六日に開いた会合で、被害を甚大化させたとされる違法な盛り土の中に埋まっていた二つの川から、地下水が流れ込んでいた、と明らかにした。盛り土は安全対策が不十分な上、地下水など長雨の水がたまったことが、土石流につながった恐れがあると指摘した。

 難波喬司副知事は「(土石流は)排水がしっかりしていれば、起きなかった可能性が高い」と改めて工法が問題と言及した。報告書案のまとめは、来年一月下旬から三月に遅らせる。

東京新聞2021年11月29日配信

 要するに、二つの川を潰して盛り土を埋めてしまったということか。仮にそうだったにせよ、排水設備をしっかりしていれば、「水」が坂を下るだけだったわけだ。年明けには百条委員会も予定されている。徹底究明を。


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