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【自治トピックス】No.18

 1年前の同時期、最初の緊急事態宣言の真っただ中で、週の半分以上を自宅で過ごし、どうやって紙面を埋めたらいいものかと悶絶していた。リモートワークは企業的な人間関係から隔絶されるというメリットがある反面、日本的な〝空気を読む〟ということができない。独り暮らしだとなおさら孤独な世界に没入し、自分を見失いそうになる。あるうだるような夏の日、急に脳内の糸がプツンと切れて、会社を離れようと思ったのも、そういう延長線上にあるのだろう。もう一度会社に戻れと言われても、そんな気にはとてもなれないが、1年前の緊急事態宣言の独特の静寂、街のゴーストタウン化には不思議と心地好さを覚えている。ずっと、もうこのままでいいではないかと、不謹慎にも思ってしまう。

 小池知事は、「他の道府県との往来の抑制。都県境を越える外出は自粛をお願いします。特に、感染力の強い変異株で感染が拡大している大都市圏との往来はお控えください。ゴールデンウィーク中の旅行も、すみません、延期してください。都内においても外出は買い物など、必要最小限なものにしてください。高齢者、学生の皆さん、昼のカラオケも楽しみかもしれませんが、これも控えてください。ちょうど新入生を迎えての歓迎会の季節。これもなしでお願いします。最近路上での飲み会がみられますが、こちらもなしでお願いします」と都民に向けて人流抑制策を訴えた。

 5日には大阪、兵庫、宮城の3府県、9日には東京、京都、沖縄の3都府県が「まん延防止等重点措置」の対象となった。緊急事態宣言の解除から一月も過ぎていない。解除が早すぎたというより、変異株による急増が早すぎたと考えた方が良さそうだ。県域を超える外出自粛や午後8時までの営業時間短縮となれば、既に緊急事態宣言と変わらない。元々、法の枠組みでは別になっていても、緊急事態宣言と重点措置は同じだと考えていい。重点措置は飲食店に対する時間短縮要請が市町村ごとにエリア分けできるだけで、外出自粛や宴会の自粛は全エリア対象である。

 特にゴールデンウィーク中の旅行の自粛に関しては、「重点措置」でやるようなものなのか。逆に都民に「緊急事態宣言ほど深刻ではない」という誤ったメッセージを送ることになりかねないのではないか。

 それにしても、コロナ禍が2周目に入り、小池知事の「〇〇しないで」という呼びかけに既視感を覚えないだろうか。

《お花見》

桜は、来年もきっと咲きます。是非それを、来年の桜も楽しみにしていただきたい、とっておいていただきたい(2020年3月27日)
お花見のシーズンですが、宴会はナシでお願いします(2021年3月18日)

《ゴールデンウィーク》

都民の皆様には、これまでご協力いただいた外出自粛です、それに加えて大型連休における不要不急の帰省、旅行など、他の道府県への移動の自粛をさらに強く強くお願いを申し上げます(2020年4月23日)
まず、他の道府県との往来の抑制。都民の皆様、都県境を越える外出は自粛をお願いします。特に感染力の強い変異株で、感染が拡大をしております大都市圏との往来は、お控えください。ゴールデンウイーク中の旅行も、すいません、延期してください(2021年4月9日)

 ザ・既視感!

 こうなると、当然のことながら、この先も同じセリフが続くであろうことは想像に難くない。

《お盆・帰省》

さらに状況が悪化する場合は、都独自の緊急事態宣言を発することも考えざるを得ないということでありまして、そうならないためにも感染拡大を抑え込む、今年は「特別な夏」だと、来年はきっと、抑え込むことによって、これまで楽しんできたような夏、新しい夏にしていくことが必要だということを皆様と意識を共有しながら、コロナに立ち向かっていくことを行っていきたい、それが不可欠だ(2020年8月7日)

《年末年始》

この年末年始を、感染拡大をストップさせるための特別な時期にしなければならない、このように考えております。よって、特別な時期といたしまして、「年末年始 コロナ特別警報」これを発出いたします。
年末年始は「いつもの小さなグループ」で過ごすこと、そして「久しぶりの人」に会うのはできるだけ避けましょう。忘年会、新年会は避けましょう。帰省はできるだけ避けましょう。帰省する場合には、2週間前から会食を控えてください(2020年12月17日)

 小池知事の必殺技「特別」シリーズである。昨年と会見録を読み比べるとよく分かるが、感染対策のメニューがだんだん減ってくる。都が行う取り組みよりも、都民に対するお願いがほとんどになる。日が経つにつれて、都民の自己責任に委ねられてゆくのだ。

 一方で、新規感染者数は最初の緊急事態宣言よりも、現在の方がはるかに感染者が多い。年末年始には千人を超え、ついに二度目の緊急事態宣言の発出につながった。感染力が高い変異株の増加も指摘されている。感染状況がどんどん深刻になりつつある。これでは、お願いされる側の国民・都民もつらい。

 国も自治体も、改めてギアチェンジしなければならない。ワクチン接種が遅れている現実を踏まえれば、今年も「特別な夏」「特別な年末年始」になってしまうことは間違いない。いつまでも言葉遊びとフリップ芸では、都民も救いがないのではないか。

 宮古島でハンバーガー店を経営している方のTwitterである。

 全くその通りで、言葉もない。なぜ、我々は昨年のデジャブを見せつけられてまで、また自粛の無限ループに付き合わなければならないのか。都庁記者クラブの記者は、「知事、それ、昨年も聞きましたよ」と質問すればいいではないか。まるで、今初めて聞きましたよみたいな顔をして、右から左に受け流しているだけなら、ムーディー勝山と変わらない。

 三鷹駅は武蔵野市側の駅北口にビジネスホテルや官公庁があるのに対し、三鷹市側の駅南口には飲食店などが並ぶ。北口にも飲食店はあり、駅を挟んで南口と対応が異なることで混乱が生じる可能性もある。政府高官も「なぜ東京都は三鷹市を対象に入れなかったのか」と首をひねる。

 東京は市街地が連坦していて、どこで線引きをしても同じことが起こり得る。品川駅は港区にあるし、目黒駅は品川区にある。これは自治体の境界線がたまたま駅の上を走っているから起きた珍事で、ことさら行政課題であるかのような取り上げ方はおかしい。

6日午前10時ごろ、同市の半田運河左岸の市道で、国民服姿の同市の30代男性が「東京五輪 中止の夢をもういちど」と記したプラカードを無言で掲げた。男性によると、リレーのコースからやや離れていたが、運営スタッフから「ここは個人の主張を表明する場ではない。プラカードの掲示はできない。五輪憲章に書いてある」と撤去を求められ、男性が拒むと警備員が駆けつけ、プラカードの前に立ち続けたという。

 日本もいよいよ中国やミャンマーと似たり寄ったりになってきた。公道が個人の主張を表明する場ではないなら、どこで表明しろというのか。組織委員会は公益財団法人でしかなく、国や自治体のような権力は持っていない。平場の運営スタッフがどの面下げて、辞めさせるのだろうか。

 こういうことがあるから、五輪は胡散臭いと思ってしまうのだ。

 決定書によると、市から郵送した税金の納付関係の書類が届かなかったり、運転免許証などの住所変更をしていた証拠が示されず、「裏付ける証拠はなく、実際には居住の実態がなかった」と判断した。

 元々、戸田市の選挙管理委員会事務局長が本人にこういう裁定が下る可能性を耳打ちしたわけだから、戸田市の選管がこう判断することは想定内ではないだろうか。特に驚くことはない。

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 資料を見てみたが、微妙だなと思った。これでは当選無効と判断されても仕方ない。3カ月以上居住しているという新たな証拠を提示しないと、この先争うのは厳しいと思う。

 そもそも、かつては居住実態をここまで正確に調べることなどなかったのである。ところが、この10年くらいだろうか、あからさまに居住実態をごまかして立候補し、選挙後に当選を取り消される事態が増えた。党派としては新興政党が多い。だから、選挙区内では面識のない、ぽっと出の落下傘候補はまず最初に疑われる。当然、他党派からは調べられる。

 以前、都議選でも共産党の新人候補者が選挙直前に居住実態がないと判断され、党が立候補を取り下げたことがある。しかし、何度目かの再挑戦で見事に初当選し、今では議員団の幹事長を務めている。本当に本気で議員になりたいのであれば、4年間、その街に住み、行政課題を整理し、支持者を地道に増やして再挑戦するというのも選択肢ではないだろうか。スーパークレイジー君はまだ若いし、実は真面目に政治のことを考えているのはよくわかったから、居住実態を争うだけが選択肢ではないということは指摘しておきたい。

 任期満了に伴う兵庫県宝塚市長選が11日、投開票され、中川智子市長から事実上の後継指名を受けた無所属の弁護士山崎晴恵氏(51)が初当選した。県内4人の女性首長数は保たれた。維新が県内初となる首長誕生を目指して8年ぶりに公認候補を立て、7月にある県知事選の前哨戦として総力を挙げたが、接戦の末に敗れた。投票率は42・65%で、前回を3・52ポイント上回った。

 てっきり維新が競り勝つと思っていたが、最後は現職の後継が強さを見せつけた。これがやはり、大阪と兵庫の違いか。とはいえ、善戦健闘には違いなく、これまでの左旋回した中川市政に対する反発もかなりあるのだということは、新市長と与党勢力は覚えておかないと、4年後にはあっさりとひっくり返されると思う。

 宝塚は8年前、維新が「党勢拡大の足掛かりに」と、大阪以外で初めて首長選に公認候補を立てた因縁の地だ。その時は大阪都構想を巡って「尼崎や西宮、神戸まで特別区にしたい」という党幹部の発言で失速。現職の中川智子市長に約2万票差で惨敗した。

 そんなアホなこともあったなあ(笑)

 「落選すれば引退」と周囲に語り、退路を断って奔走。市議1期、県議5期の実績をもとに「国や県とのパイプ」を強調し、道路をはじめインフラの整備を進めるとアピールした。財政再建と教育再生を果たし、中核市への移行を実現して「宝塚を再び元気にする」と訴えた。しかし、現職の後継候補と維新の公認候補が激しく競り合う中、存在感を発揮しきれずに埋没。頼みの保守票をつかみきれず、涙をのんだ。

 一言で言えば、自民弱すぎ。兵庫県知事選は自民党が分裂している。これでは、維新系の大阪府OBに取られてしまうよ。

日野市長選挙に立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で、
3期目を目指す現職で自民党と公明党、国民民主党、それに地域政党の「都民ファーストの会」が推薦する大坪冬彦氏(63)
新人で元日野市議会議員の有賀精一氏(62)
の2人です。

 本来なら現職が負ける要素のない選挙。前市長時代の元副市長の逮捕というきな臭い事件があった後だけに、どんな結果が出るのかが気になる。

 それにしても、日野市選挙管理委員会の公式Twitterが市長選・市議補選の告示日になにもツイートしていないんだが、日野市はSNS使える職員がいないのだろうか。それとも、投票率がアップしては困るのだろうか。期日前投票のお知らせとか、伝えることはたくさんあると思うんだが。

 ちなみに、直近のツイートは昨年の10月9日だった。

任期満了に伴う名古屋市長選は11日告示され、4選を目指す現職河村たかし氏(72)=減税推薦=と、新人のNPO代表押越清悦氏(62)、元自民党市議横井利明氏(59)=自民、公明、立民、国民推薦=、元会社員太田敏光氏(72)が立候補を届け出た。いずれも無所属。25日に投開票される。

 情勢調査を見ないと分からないけれど、現職が負ける要素ってあるのだろうか。愛知県知事に対するリコール運動で右翼風を吹かせまくったあげく、リコール署名は佐賀県でバイトが不正してましたなんて醜態までさらして、そんなん当選するわけないやろ!って思っている人は甘いよ。そこで落とせると思っている時点で、選挙を甘く見ている。

 任期満了に伴う栃木県佐野市長選は11日、投開票が行われ、無所属新人で元県議の金子裕氏(58)が初当選を果たし、現職市長では全国最高齢の無所属、岡部正英氏(82)の5選を阻んだ。
 同市長選としては12年ぶりの選挙戦となった今回は、現職と新人3人の4候補がいずれも自民系という分裂選挙になった。

 東京・羽村市長選でも無投票が続いた後の選挙で現職が負けていたが、これも同じ。12年ぶりの選挙戦で、全国最高齢市長が落選した。12年間、自分んの陣地を数字で確認できないと、さすがに陣営は緩む。根拠のない楽観論で、足元が崩れていることに気づかないのだろう。

 一方の野党は、政党としての力不足が際だった。国政では野党第1党の立憲民主党だが、県内では独自に知事候補者を擁立する地力に欠け、当初から服部氏への相乗りを検討した。蔵内氏から「共闘」を持ちかけられると、「独自候補として立てられる人材は見当たらない。順当に服部さんでいけたらありがたい」(立憲県連幹部)と歓迎。党本部の一部には主戦論もあったが、県連が主導する服部氏へ相乗り方針を覆すほどの力はなかった。

 野党がだらしないの一言。当選した服部氏も、圧勝とはいえ投票率が3割切ったら、とても信任されたとは言い難い。

 「漁業者はこの10年、本格操業を目指して我慢と苦労を重ね前に進んできた。海洋放出の決断については慎重に判断すべきだ」。県内漁業者が本格操業移行に向けて動きだす中、新地町の大堀武町長はこうくぎを刺した。いわき市の清水敏男市長も「関係者に丁寧に説明し、慎重に対応してほしい」と求めた。

 政府が福島第一原発の処理水を海洋放出する方針を決めて、地元からは反対の声が上がっている。正直、私は十分希薄した処理水を海洋に放出することはやむを得ないと思っている。東電の廃炉資料館でも時間をかけて話を聞いたが、リスクはゼロだとは思わないが、安全だと思う。

 しかし、今、そのタイミングかと問われれば、それは違うと答える。この10年、国による福島の風評被害対策が十分に効果があったとは思えない。これはまた書こうと思っているが、福島のコメや野菜、魚はいまだに十分に売れていない。魚は特に売れない。

 セシウムですら風評被害を払拭できないのに、ストロンチウムが加わるのだ。

 私は一人の日本人として、日本人をそこまで信用できない。処理水の海洋放出で、福島の漁業は二度死ぬのだ。

 福島の魚の流通量はなぜ増えないのか。これは単純に安全性だけの問題ではない。これはまた、別の機会に書こうと思う。

 横浜市選挙管理委員会は8日、任期満了に伴う市長選の日程を8月8日告示、22日投開票と決めた。市選管によると、投票率の低下を避けるため、東京五輪(開会式7月23日、閉会式8月8日)とお盆期間を避けたという。
 公職選挙法は、市長選について「任期が終わる日の前30日以内」に行うと定めている。任期満了は8月29日で、日曜の1、8、15、22日が候補だった。

 お盆はともかく、五輪の方は自分から避けてくれる気がするが…。

 共同通信の世論調査によると、今年夏に東京五輪・パラリンピックを開催するべきかどうかを聞いたところ、「開催するべきだ」が24.5%、「中止するべきだ」は39.2%だった。「再延期するべきだ」は32.8%。

 もう、「中止・延期」が圧倒してるもんね(苦笑)

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