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【自治トピックス】No.26

 週末に京都を訪れた。時節柄、観光するわけにはいかなかったが、京都市内は緊急事態宣言中、地下鉄とバスが夜11時以降、走らない。あまりにも早い終電だ。首都圏と同様、飲食店では酒類の提供自粛が求められ、午後8時にはほとんどの飲食店は閉店する。夜は静まり返る。ある居酒屋の前を通りかかると、夜9時を過ぎても営業していた。入口の張り紙には、「営業時間、営業内容のお知らせ」とあり、6月1日から酒類の提供も行い、通常営業することを宣言していた。さらに、「当店では京都府の緊急事態宣言延長について西脇知事宛にその内容を明確なデータで示すように質問書を提出しております。未だに返答が届いておりませんので通常営業とさせていただいております」と書いてあった。

 首都圏と同様、どこの飲食店もギリギリの状態で頑張っている。こういう店を責めるつもりはない。「明確なデータ」とはエビデンスのことに他ならないが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の延長が「明確なデータ」を下に決められたとは思わない。そこには、「総合的判断」という政治家のズルい胸算用が含まれている。一度や二度ならともかく、コロナ禍が始まって1年半が経っても、同じことの繰り返しでは、キレない方が不思議だ。

 さて、今週もニュースの切り抜きから。

 都議選の投票日まで1カ月を切った。良くも悪くも、都議選の結果が日本の空気を決める。もちろん、衆院選の結果にも直結する。産経新聞が各党党首のインタビューを掲載していた。

 --都議選の目標議席数と、何を重点的に訴えるか

現有の46議席を死守し、さらに上積みを図りたい。小池知事とのパイプを持つ地域政党として、選挙戦では都民の命や健康、暮らしと事業を守るための支援策を実現してきたこと、今後も実現することを伝えていく」

 --選挙戦を前に離党者が相次ぎ、公明とも連携が解消された

「有権者は離党した都議の行動や、その後の流れも冷静に見ており、都議選に影響はないとみている。公明が衆院選を見すえて自民と再連携した一連の流れについて、有権者が判断するものと考えている」

 候補者はこれを読んでゾッとしたのではないか。記者の力量不足なのか、本人に語る中身がなかったのか分からないが、都民にしっかり(議席が減っちゃうという)危機感が伝わらないと、入る票も入らない。

 つうか、あなた、当選できるの?(苦笑)

 都議会自民幹部は「対立の構造はもう望んでいない。都民のためだ」とまで語る。小池氏と党本部の二階俊博幹事長の緊密さは知られるが、菅義偉首相との折り合いの悪さも有名だ。都議会自民として、コロナ対策でも政府とのパイプ役を買って出ようとするメッセージを送る。
 小池氏もかつてのように「しがらみだらけだ」といった激しい自民批判はみられない。庁内には自民との接近を感じる向きが出ている。自民都連関係者は小池氏の姿勢に「うまく都政を回して、国政に戻るタイミングを計るのではないか」と受け止める。

 石原都政と同様に、2期目後半は自公に支えられた堅実な都政になっていくのではないか。都民ファは獲得議席次第だが、離合集散して、小池都政3期目には消えているだろう。東京大改革は終わりを告げるのだ。

 --前回と違い今回は公明との連携を復活させる

「前回は小池知事との距離感において多少、自公の間で齟齬(そご)をきたしたが、この4年間を振り返り、有権者に密着して声を反映するなかで、自公の連携しかないということを確信した。もともと都政は自公で運営してきたという自負心もある。すべて乗り越えて、互いの信頼関係が100%確立されたと考えている」

 --目標議席数と、都議選で訴える政策は

公認候補60人全員の当選を目指す。自公で過半数の議席をとり、小池知事とも協力しながら都政を運営する。都議選では、新型コロナの感染で経済的ダメージを被った人への支援策や、ポストコロナを見据えた経済施策などについて訴える」

 こうやって、都民ファと自民のインタビューを並べると、公明票がぜんぶ自民候補に流れるように感じるかもしれないが、これまでの都議選を振り返っても、そんなことはない。選挙区によっては戦略的な判断で、自民とは異なる党派の候補に票が流れることもある。自民の候補者がいても、寝る選挙区もある。

 都議選の情勢予想の面白いのは、そういうところだ。都議選で共産党がなかなか議席を伸ばせないのも、そういう公明票を持つ人たちの皮算用が働いている。

 これを読む限り、自民党は小池与党という印象を受けるが、そう思われるのが不本意な方々もいるだろう。候補者ごとの訴えの中身にも注目すると面白い。

都連の鴨下一郎会長は別の会合で、有権者に現金を渡した疑惑で衆院議員を辞職した菅原一秀前経済産業相=自民党を離党=の問題などに触れ、「それを乗り越え、しっかりと選挙を戦っていかなければならない」と訴えた。

 必ずしも自民に風が吹いているわけではない。50議席を超えないと勝利とは言えないが、そう簡単な選挙ではない。

 --今回の都議選では、自民と連携して臨む

「4年前は、小池知事に是々非々で臨むわれわれと、対決姿勢を示す自民党との間で齟齬(そご)があり、政策を協議する状況ではなかった。だが、自民党も小池都政に対するスタンスをだいぶ変えてきており、新型コロナウイルス対策などの都政課題を前に進める話し合いができるようになった。引き続き、自民党とともに小池都政を支えながら都政を運営していきたい

 --一方、都民ファーストの会との連携は解消した

小池知事と都民ファーストはイコールではない。都民ファーストは政党としてのガバナンス(統制)がきいておらず、離党者も次々と出ている。今年の第1回定例会では、われわれが『すでに実現しているものばかりで条例にする必要はない』と指摘した、罰則規定を除外した新型コロナの都条例の改正案を、われわれと相反する共産党と協力して通した。これはもう選挙協力どころか、都政を前に進めるパートナーとしては一緒にできないという話だ」
 --議席数の目標は

公認候補23人全員の当選を目指している。公認候補が出ている21選挙区は自民と競合しており、コロナの影響で運動量を自粛している部分もあって厳しい選挙戦になるが、高齢者や子供のための施策を実現させてきた実績をしっかり訴え、勝ち抜きたい」

 今回も一人も落選しないので、とりあえず○を付ける人たち(笑)

 共産との共闘が自民との〝復縁〟の理由にされている。逆に都民ファからすれば、共産と共闘してでも結果がほしかった焦りがあったのだろう。共産と組むなとは言わないが、政治的なセンスが欠如していたと思う。

  --立憲民主党との都議選での選挙協力は

立憲民主党とは都議選の1人区、2人区を中心に候補者の一本化を図り、すみわけをはかる協議をし、候補者の目途も付いている。政策的な違いもあるが、互いに一致が確認できて協力し合える課題もある。引き続き相談を進め、可能な限り、共闘実現を進めたいと思っている」

 --目標議席は

「前回選で獲得した19議席を確保し、さらに新しい議席を獲得したい。小池都政の流れの転換を図りたい」

 3人区、4人区での伸びしろがないので、2人区での勝敗が議席増のカギを握っている。つまり、立民との共闘に効果があるのかどうか。都議選では1人区で過去に個別に共闘した事例はあるが、2人区というのは初めて。共産支持者が立民に、立民支持者が共産に、という流れが本当にできればいいが、実際には立民支持者の多くが都民ファなどに流れる可能性は高いと思う。

 --目標議席数は

「当然、擁立する28人全員の当選を目指して戦う。候補者全員が、少なくとも当落線上にはいると思っているし、旧民主党時代には第一会派になったこともある。『小池都政』対『野党勢力』という戦いの構図に持ち込みたい」

 --それは「野党共闘」を意味するのか

「都議選は1人区から8人区まであるので戦い方が違う。選挙協力という言い方はしていないが、1~3人区では極力、共産党などの野党候補者と残りの1議席を争う構図にならないよう、水面下で調整はしている

 東京は立憲民主の牙城なので、それなりに議席は得るだろう。蓮舫、菅直人、長妻昭、海江田万里…みんな東京選出の国会議員だ。これまで、リベラル勢力の議席は、似たもの同士が限られたパイを奪い合っていたというのが現実で、この間の共産の議席増と旧民主勢力の凋落は同じ力学で起きている。

 問題は、これまでのリベラルの潰しあいから、議席の譲り合いになったとき、それを上回る相乗効果があるのかということだ。私はそこは悲観的に見ていて、結局、同じパイを奪い合うか、譲り合うかの違いにしかならないのではと危惧している。

 7月の東京都議選や次期衆院選をにらみ、連合は立憲民主、共産両党の接近に警戒を強めている。共産党系の新聞が立憲東京都連幹事長の手塚仁雄衆院議員と共産東京都委員会委員長の対談を掲載。これに連合東京が猛反発し、「立憲都連とは埋められない距離を感じざるを得ない」との談話を出す事態に発展している。

 例えば、共産の候補を立民が推す形の選挙区では、連合系の組合が都民ファに票を回すことは十分にあり得る。だから、都議選は簡単ではない。

 それにしても、まるで労働者の代表みたいな顔をしてしゃべっているが、連合の組織率なんていったい何%なのか。

 --支持層の想定は

「小池知事ではだめだよねという保守層や、今の都議会や都政の改革を求める人。都民ファには期待できないし、立憲民主党や共産党には入れたくない、という人だ。自民党、公明党、都民ファの『知事与党』と、その対極にいる立民や共産。どちらでもない第3極と位置づけ、ウイングを広げて支持を集めたい」

 --目標議席数は

2桁は取りたい。現在(5月31日時点)の立候補予定者は9人だが、6月25日の告示までには15人程度に増えると思う。都議会で2桁の議席を得るとかなりインパクトは大きい。もちろん、簡単ではないが」

 候補者が圧倒的に少ない。現状では数議席にとどまるだろう。維新としての対立軸が不明確だ。

 今回の都議選は本来なら、小池与党でもない、野党共闘でもない、第三極にはチャンスになるはずだが。

 かつてみんなの党と維新が選挙区をすみ分けた時と同様、国民民主と都政の共同政策を掲げて、大都市制度の改革や大胆な分権を掲げたら、もっと注目度が上がると思うのだが、大阪に遠慮しているのか、東京の幹部が真面目過ぎるのか、今一つやっていることがピンとこない。

 --今回の都議選では、擁立する候補者が立憲民主党の推薦を受ける。前回選で政策協定を結んだ都民ファーストの会とも連携するのか

「私たちは地域政党なので、脱原発などの政策で考えが近い立憲民主党とは、政策を国政につなぐ窓口としてこれまでも連携しており、そういう流れの中で都議選候補者が推薦を受ける形をとっている。都民ファーストとは4年前は、自民の議席を減らすために連携したが、今回は前回選のように政策協定を結ぶ状況ではないと考えている」

 --目標議席は

公認候補3人の全員当選だ。前回選では議席を3から1に減らし、都議会での発言回数も減り、議席の確保の重みを痛感している。コロナ禍で非正規雇用の女性が解雇されたり、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長が女性蔑視と受け取れる発言で引責辞任したりするなか、都議選ではジェンダー平等が争点の一つになる。女性による地域政党の必要性が高まっていると感じている」

 都議会の都議会らしさとは、生活者ネットワークのような地域に根差した組織が頑張っているところだが、このところ派手な選挙ばかりで埋没している。今回も、1議席を獲得するのも大変な状況。

 --国民民主党としては初めての都議選となる

「議席をたくさんとるために落下傘の候補を出すのではなく、これまで地域にしっかりと密着して活動し、政治家として能力のある元都議ら4人を擁立する。現実的な政治、穏健な改革に向けて、実現可能性の高い政策を選択肢として提示し、都民のお役に立てると考えている」

 厳しい。候補者は悪くはない。

 --都議選は初挑戦だ

「現時点(3日)で立候補予定者は3人。衆院選で票を増やすための都議選とは毛頭、考えていない。目標によくある型通りの『全員当選』でなく、本気で勝ちに行く。私たちは選挙の手練れではなく、ほぼ素人の集まり。それを考えると、3人を確実に議席につなげるのが現実的だ。告示まで仮に増えるとしても1~2人程度が限度だろう」

 実際に選挙区を歩いてみないと分からないが、選挙区によっては最後の議席に滑り込むことを期待してもいいと思っている。

 --目標議席は

「噓をつきたくないので正直に言う。0でいい。むしろ、この選挙制度では当選できない。だから新型コロナウイルス対策や東京五輪の是非を訴えても、そもそもその資格がない。ではなぜ候補を立てるのか。党をアピールするためだ。次の衆院選に出たい人に、国政政党の公認候補として立候補する道が開いているよ、と伝えたい」

 わろた。

 さて、都議選以外の話題も。

 千葉県市川市第1庁舎4階の市長室にユニット式シャワーが設置され、市議会が「撤去を」と決議した問題で、村越祐民市長は1日の記者会見で「市長室は災害時に女性職員が休憩室として使う。(シャワーは)撤去しない」と言明した。この問題を巡っては、市民の間からも「不必要だ」などの意見が市に多く寄せられた。決議に法的拘束力はないものの、応じない市長の姿勢に市議会が反発する可能性がある。
 ―女性職員向けに開放する際の基準はあるのか。

 3月の豪雨の際、女性職員の休憩室として活用した。災害で夜通し勤務する場合はすぐに開放する。

 ―利用するのは、市長と女性職員ということか。

 そうです。災害時、私が使った後、女性職員に使ってもらう。女性職員には安心してもらえると思う。

 ―これまでに誰かが利用したのか。

 一切(利用は)ございません。

 たかがシャワー室に固執する市長に、ちょっとゾッとする怖さを感じるが、「女性職員に使わせる」と言った時点で、キモさが加わった。

 野党共闘で誕生した市長だが、早く切らないと市政が大変なことになりはしないか。

 複数の関係者の話では、容疑者は2017年の同市長選で村越市長の事務所運営を手伝っており、ある市議は市長から「優秀な選挙参謀がいる」と容疑者を紹介された。当選後は市関係者らに市長就任のパーティーを案内。事務所の元スタッフは「次(市議選に)出るならパーティー券を買え」と、1枚2万円の券を5枚押し付けられたと明かした。

 市役所でも目撃されており、市関係者は「市長室にも頻繁に出入りしていたので、政務の打ち合わせをしていると思った」と振り返る。そのうち公務にも口を出すようになり、ある時には強い口調で「この業者に仕事を取らせろ」と職員に迫ることもあったという。

 と思っていたら、こんな事件。やはりヤバい奴が支えていたのだ。

 以前、東京の某市に自公推薦の候補を破って当選した新市長がいた。選挙中に取材に行くと、なぜか頭に血のにじんだ包帯を巻いたおじさんが参謀を務めていた。新市長初登庁の朝、市長を先導して庁内に乗り込んできたのが、そのおじさんだ。その新市長は、後にある事件で逮捕され、1期も持たずに市長を辞めた。

 まだ若かった私は、〝改革〟を掲げる政治家がいたら、まずは疑うことを覚えた。そして、背後で操っている人が誰なのか考えるようになった。

 〝改革〟の2文字に要注意。

 2か月後に迫った横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)を巡り、自民党は、現職の林文子市長(75)を支援しない方向で最終調整に入った。近く正式決定するとみられ、新たに擁立、支援する候補者の選定を急ぐ考えだ。複数の関係者によると、林氏本人は4選出馬に意欲を見せているが、最大与党の後ろ盾を失うことになり、進退の厳しい選択を迫られる。

 任期最後の市議会最終日に進退を表明しなかった林市長。もしも出馬となれば、選挙戦の構図が激変する。

 泉市長は、権限移譲について「政令市への移行は一定の時間がかかる。待ったなしの状況では県に早急な対応をお願いしたい」と強調。権限を求める理由を「小中学校での少人数学級や障害がある子どもへの教員加配などを考えている。新型コロナウイルス禍の病床確保や地域医療の充実を目指すために必要」と説明した。
 井戸知事は「政令市は運用上、60万ないし80万人程度の人口規模が望ましいとされている」とし、「中核市である同市には社会資本整備以外で多くの権限が県から移譲されている」とも指摘した。

 明石市の人口は30万人しかない。30万人の政令指定都市というのは、いかがなものか。ずいぶんと政令市の安売りになってしまう。

 都道府県から市町村への権限移譲は、政令市制度ではなく、別建てで考えるべきで、日本中に政令市がたくさん生まれるという悲惨な状況は避けた方がいい。

 とはいえ、最近、大阪維新のせいで大都市と言えば都構想みたいな勘違いの政治家が多くて、国が真面目に地方分権を議論しなくなった。第1次安倍政権時代に活発だった分権論議はどこへ消えたのか。

 2年ぶりに開かれた弘前市の弘前さくらまつり(4月23日~5月5日)が「新型コロナウイルスの感染拡大に影響した」とする青森県感染症対策コーディネーターの見解に対し、桜田宏市長は1日、「県が示した検証データは判断材料にならない。陽性者の誰がまつりで感染したかなど、疫学的に説明してほしい」と具体的な根拠を示すよう記者会見で反論した。

 気持ちは分かるが、人流が増えればウイルスも広がるというのは感染症対策の基本中の基本だ。とはいえ、イベントをやらないのでは経済が回らない。経済を回す代わりに一定の犠牲は払って、医療体制の確保を行う。感染症対策と経済を両立させるって、そういうことだよね。

 市によると、年齢層別の予約開始日は、60~64歳(約8万2千人)=接種券到着次第▽50~59歳(約20万人)=7月12日午前8時半▽40~49歳(約24万4千人)=同15日午前8時半▽30~39歳(約21万4千人)=同19日午前8時半▽16~29歳(約25万7千人)=同22日午前8時半-。

 福岡市のような大都市で、こうやってワクチン接種のスケジュールを明確化するのは素晴らしい。予約がとれるかどうかは別にして、これなら安心して待てる。全国の大都市も、このくらいしてほしい。

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