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【自治トピックス】No.49

 自宅で仕事をしていると進捗が悪いので、午前中は近所のカフェを仕事場代わりにすることが多い。今朝はまだお客さんも少なくて静かだったので、仕事がはかどったはずだった。しかし、後から現れた若い男性に静寂を破られた。鼻水とくしゃみ、咳、明らかに風邪の症状だった。ふと顔を見ると、明らかに調子が悪そうである。しかも、マスクをしていない。情け容赦なく、飛沫を飛ばしまくっている。彼は仕事なのか勉強なのか、資料を読んでいるが、鼻水やくしゃみで集中できていない。思わぬバイオテロに出くわしてしまい、私は自分のマスクがしっかり装着できているか確認し、仕事に集中した。だが、落ち着かない。ズルズルと鼻水をすする音が静かな店内にこだまする。時折、威勢よくくしゃみをする。30分も我慢できなかった。即座にカフェを出て、場所を変えた。

 人前ではマスクが当たり前になって、もう1年10カ月ほどだろうか。はじめはマスクを忘れて自宅を出てしまい、途中でドラッグストアに駆け込んで慌ててマスクを買ったことがあった。全体主義的なマスク社会が定着してしまい、「反マスク」などという珍妙な運動まで現れて、本来なぜマスクを着けるのかということが忘れられているのではないかと思うことがある。新型コロナウイルスがまん延する前から、マスクは自分のためではなく他人のために着けていたはずだ。家族や同僚にインフルエンザをうつしたくない。くしゃみで飛沫を飛ばしたくない。他人に対する配慮は強要されることではなく、自然に行うものでありたい。

 道端をマスクしないで黙って歩いている人がいても不快感はない。誰もいない道を一人で歩くならマスクは外してもいい。ただ、他人が近くにいる空間ではコロナとは関係なく、飛沫は飛ばしてほしくない。それはもう感染対策という高等なものではなく、やさしさやマナーの問題だ。

 さて、まずはニュースの切り抜きから。

 ひょっとしたら容体は深刻なのかーー。東京都の小池知事(69)の動向に注目が集まっている。小池知事は12日も定例会見を開かず、公明党の強い要請で顔を出し続けてきた都議会の各会計決算特別委員会も欠席。10月27日に「過度の疲労」で再入院し、11月2日に退院したものの、全く姿を見せていないのだ。
「小池知事は都議選告示直前の6月末にも『過度の疲労』を理由に9日間入院しましたが、退院翌日には公務に復帰。子飼いの都民ファーストの会の応援に駆けずり回っていました。しかし、今回は退院したにもかかわらず、(新型コロナウイルスの状況を分析する)モニタリング会議にオンライン参加もしない。このところせき込む場面が多く、会話にも難儀する様子だった。重病ではなくともCOPD(慢性閉塞性肺疾患)なのではないか、という話が流れています」(永田町関係者)

 「永田町関係者」が小池知事の病状を知るわけもないので、憶測の域を出ていない。ただ、テレワークとはいえ都庁のトップが長期間留守にするというのは危機管理上よろしくない。「過度の疲労」という説明だけで済ませていいものだろうか。

 年末に向けて都庁では来年度予算編成の作業が本格化する。年末には財務局案がまとまり、年明けには知事査定、予算原案発表が待っている。五輪後、コロナ後の予算という意味では、非常に大切な仕事になるので、知事の容態は気になる。

 都議会運営委員会の理事会は12日、7月の都議選期間中に無免許運転で人身事故を起こし、警視庁に自動車運転処罰法違反などで書類送検された木下富美子都議(55)を18日の議運委に招致し、公開で質疑することを決めた。都議会が2度にわたり辞職勧告を決議したことなどについて、木下氏の考えを聞く方針。

 要するに〝つるし上げ〟である。猪瀬知事、舛添知事にも行われた。なぜか分からないが、都議会はこういう〝つるし上げ〟の糾弾会が好きだ。もちろん、木下都議は即刻辞職すべきだと思うが、では都議会がすべきは、こういう〝つるし上げ〟なのか。板橋区の有権者が騒ぐならともかく、彼女とは関係ない人たちが顔も見たこともないたった一人の地方議員の去就に大騒ぎしていること自体、異様である。

 相変わらずのワイドショー都政が続いている。ワイドショーも巻き込んだドタバタ騒ぎを経て、ネタとして消費され、いつの間にか有権者に忘れられるだけだと思うが。

性別に関係なく制服を選べるようにすることを求め、都立の中高一貫校に通っていた元生徒が、およそ1万人余りの署名を都の教育委員会に提出しました。

署名を提出したのは、ことし春に都立の中高一貫校を卒業した元生徒です。
この元生徒は、戸籍は男性ですが心と体の性別が一致しないトランスジェンダーで、通っていた都立の中高一貫校では中学の課程で女子はスカートかスラックスかを選択できましたが、男子はスラックスしかなかったことから元生徒は強い違和感を持ちながらスラックスをはいて3年間を過ごしたということです。
元生徒は学校のルールで性別によって区別することは不合理だとして、誰もが性別などに関係なく制服を選べるようにすることを訴え、去年11月からオンラインで署名を始めたところ、賛同する人はおよそ1万1500人に上りました。

 制服を上から下まで統一させようとするから性別の区別が出てしまうわけで、上着、ネクタイ(リボン)、シャツ、スラックス(スカート)をそれぞれ複数用意して、自由に組み合わせればいいのだ。男っぽくまとまる生徒もいれば、女っぽくまとまる生徒もいていいし、男女混合になる生徒もいるかもしれない。

 話は少しそれるが、私は買い物で洋服を物色していて、これがいいなと思った服が実は女性用で、メンズはないのかと探すことがある。先日もショッピングサイトで確認しないでコートを買ったら女性用だったということも。もちろん、私はコテコテのエロおやじに違いないが、性別というのは意外に流動的な概念だと感じることがある。

 武蔵野市の松下玲子市長は12日の定例記者会見で、外国人と日本人を区別せずに投票権を与える住民投票条例案を19日開会の市議会に提案すると正式発表した。外国人参政権の代替として利用されかねないとの市民の懸念に対しては「論理の飛躍だ。同姓でも離婚する人がこれだけいる中、夫婦別姓制度を実現すると『家族が壊れる』と言っている人に似ている」と揶揄(やゆ)した。

 住民投票は外国人参政権の代替にはなり得ないと思うが。産経新聞自身が認めているように、「大多数」の自治体の住民投票条例は日本人のみ対象としているが、外国人にも投票権を与えている自治体は現にある。そういう自治体で、日本の国益を損なうような住民投票が行われたことなどない。そもそも自治体は二元代表制で成り立っているので、どんな突飛な住民投票を行ったとしても、二元代表制の枠組みを超えることなど不可能だ。最終的には議会の承認なしには何もできない。

 それにしても、なぜこのような本棚を作ろうとしているのだろうか。Twitterにさまざまな意見が寄せられたことについて、中野区教育委員会事務局の濱口求課長(※「濱」は正しくは異体字)は「利用いただく方にとって、誤解になるような、十分な説明ができてなかった」と釈明。「本棚にはなっているが、実際は紙や発砲スチールでできた素材の表紙を展示するような形を考えております。万が一何か落ちたり、物が飛んできたとしても怪我につながらないように、防止落下ネットを張ります」と語った。

 要するに、本棚は飾り物だったというオチ。図書館は本を読む施設なので、こういう部分に力を入れないで、蔵書を充実させてほしい。

 全国20の政令指定都市でつくる指定都市市長会(会長=鈴木康友・浜松市長)は10日、オンラインの臨時会議を開き、政令市を道府県から独立させる「特別自治市」の法制化に向け、議論を加速するよう国に求める提言案を示した。「道府県からの独立」への言及がないことに大阪市の松井一郎市長が「覚悟が感じられない。今の形なら賛同しかねる」と主張。提言案の取りまとめは見送られた。
 松井氏は、政令市を廃止する「大阪都構想」を実現すべく法整備に尽力したとして「法律ができてから考えたらいいというなら、自信を持って要請する形になっていない」とさらに追及した。これに対し、久元氏も「特別自治市には法制度が必要。現時点で『独立する』と言わないと、自信を持った提言にならないというのは違う」と反論した。

 特別自治市を導入する気もない市長が、「覚悟が感じられない」とか「自分たちは命がけでやった」とか、随分勝手なことを言うものだ。大阪は都構想でいいのかもしれないが、他の政令市はそういうわけにはいかない。道府県と政令市との関係も異なる。大阪維新のやり方を地方に押し付けないでいただきたい。

 そもそも、維新の会は「特別自治市」の法案が出てきたら賛成するつもりなのだろうか。

 大阪府の吉村洋文知事は9日、新型コロナウイルスの水際対策が緩和されたことに伴い、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中のドバイ万博で12月11日に予定される「ジャパンデー」に合わせて現地入りする意向を改めて示した。大阪市の松井一郎市長も同様の考えで、大阪府市のトップが2025年大阪・関西万博への参加を呼びかける。

 東京都知事も大好きな大名旅行。大阪府知事と市長はドバイにいらっしゃるそうで。これって、首長の仕事?

 大西宏幸・元自民党衆議院議員(54)が12日、ヤフーニュースのコメント欄で、実名を明示せずに大阪市の松井一郎市長らを繰り返し批判していたとして、自身のツイッターで謝罪した。
 大西元議員は、11日にFNNが配信した記事に「大西宏幸本人です」とコメント投稿。当該アカウントでは過去、「松井一郎って本当に頭ないよな!」「吉村の失政 本当に能力がない!」などと書き込んでいた。

 アホだなこいつ、と思うのと同時に、この記事自体にぶら下がっているヤフコメにも、「実名を明かさずに」に大西氏に石を投げている輩がたくさんいて面白い。あなた方も、実名を明かさないで政治家を叩いているよね?(笑)

 そもそも、ヤフコメなんて見たり、書き込んだりしていると、頭がバカになるのでやめた方がいい。便所の落書き以上のものではない。

 川勝平太静岡県知事が参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説で御殿場市をやゆしたかのような発言をしたことを巡り、県政が揺れている。県議会最大会派の自民改革会議が12日、知事の不信任決議案を提出する方針を決めたことを受け、県議会各会派は議案の取り扱いを巡った駆け引きを活発化させた。法的拘束力のある不信任決議案可決のハードルは高く、出席議員の4分の3以上の賛成が必要になる。現在、全県議は67人で、全県議出席を想定した可決ラインは「51」。可決を目指す自民は他会派への説得に乗り出し、知事に近い会派は引き締めに躍起になっている。

 くだらない政争をしている暇があったら、議会人としての仕事をしてほしい。選挙期間中の発言で知事不信任とか、本当にアホらしい。議会を解散されて、出直し知事選になったら、また川勝知事が勝つ。

 衆院選の遺恨やリニア新幹線問題など、自民党の都合でしかないバカ騒ぎだ。


 名古屋市の河村たかし市長は12日の市議会運営委員会で、名古屋城天守閣の整備事業を巡る専決処分2件の議会報告を失念していたと明らかにし「今後このようなことがないようにする」と謝罪した。19日開会の11月議会で改めて専決処分報告をする。

 市によると、天守閣整備の竣工(しゅんこう)時期の見直しにより当初より2年間で計約550万円減額となり、昨年3月と今年3月に契約変更を専決処分していた。10月末に契約を整理する際に議会に報告していないことに気付いた。

 専決処分したけど議会に報告し忘れていたというお粗末な出来事。議会の側も、「あの契約の件、どうなったの?」とならなかったのだろうか。

 上越市の中川幹太市長は9日、自身のLINEアカウントが何者かに乗っ取られ、複数の後援者らにメッセージを送信するトラブルが起きていたと明らかにした。「不徳の致すところで、自らの不注意を反省している。多くの人に迷惑をかけ深くおわびする」と陳謝した。同日の就任記者会見で明らかにした。

 中川氏によると、自身のフェイスブックに届いた「LINEがロックされたので解除してください」というメッセージへの返信が原因とみられるという。なりすました何者かがLINEのメッセージで送った指示に従い、後援会関係者が8日、コンビニでプリペイドカード10万円分を購入。その後、中川氏に確認してなりすましが分かったため店に返品し、被害はなかったという。

 中川上越市長が詐欺メールにあっさり引っかかり、LINEのアカウントを乗っ取られた結果、なりすましのLINEメッセージが後援会関係者に届き、これまたあっさりコンビニで10万円分のプリペイドカードを買ってしまうという。幸い、被害はなかったが、市長やその後援会員がコロッと引っかかるのだから、一般人ならなおさらだろう。

 自治体は特殊詐欺に注意を喚起する立場だから、みっともないが、より説得力は増すのかもしれない(笑)

 10月の滋賀県湖南市議選で当選した森淳議員(64)(6期)が、選挙運動用ビラに載せた生田邦夫市長名義の推薦文を自ら書いていたことがわかった。森氏は「市長に文案を見せ、了解を得たので問題ない」と説明。生田市長は「文案を了承した覚えはない」とする一方、署名自体は提供しており「軽率だった」としている。

 市議選で市長名義の推薦文を自分で書いて、あまりにも盛り過ぎてしまったことから自作がばれてしまったという、これもまたみっともない事例。いつもビラの推薦文って適当に書いているのかと思ったんだが、こういう記事を読むと、やっぱりねと思う。

 郡和子仙台市長は9日の定例記者会見で、市職員の忘年会開催に関し「私からやりなさいと言うことでもない。職員に任せる」と語った。宮城県の村井嘉浩知事は8日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染の小康状態を踏まえ、県職員に忘年会を勧める考えを示した。

 市民も含めて、忘年会の全面解禁という受け止めで良いのだろうか。いつまでも感染拡大期と同じことはできないと思うが、首都圏の自治体がどうなるのかも気になる。とりわけ東京は、自宅療養中の小池知事次第ではないか。

 最後は、沖縄県立博物館のコラムを紹介しよう。

 ところで昨年の岩石展を機会に岩石に興味をもつようになった小学生が現在、軽石に夢中になり自分なりに調査を進めていると聞いています。
 昨年の岩石展では目的の一つに子どもたちの岩石鉱物への興味関心の喚起を挙げました。そこで軽石研究者の加藤祐三名誉教授には、1986年福徳岡の場の噴火によって漂着した軽石の標本提供とともに「軽石はおもしろい」というコラムを展覧会図録に寄稿していただきました。このような経緯から最近の軽石漂着調査を始めた少年の行動は、大変嬉しく加藤祐三名誉教授とともに喜んでいます。博物館に勤務するものとして、研究者と来館者、特に子供たちをつなぐ役割でありたいとあらためて感じた最近の出来事でした。
 今回の県内漂着軽石の中では最大級の軽石が10月末に当館へ寄贈されました。寄贈にあたっては軽石に魅せられた少年がつなぐ多くの方のご縁がありました。石には力があると聞きますが、今回の一連の出来事は本当に不思議な力を感じます。寄贈していただいた方をはじめ、関わった多くの皆様に感謝申し上げます。ところで大型標本はその構造が観察しやすく、展示用というだけでなく研究資料としても有効です。その構造は噴出時の様々な情報を私達に教えてくれます。今回の大量の軽石漂着は、大きな被害をもたらしていますが、リアルタイムに起きている地球の活動をを私達に伝えてくれる生きた教材でもあります。また他の岩石と同様に地球の活動を記録したカプセルでもあります。今回、収集・寄贈いただいた標本は、噴火や海流という地球の活動を記録した標本として、次世代へ引き継ぐため大切に収蔵し、機会を見て展示したいと思いますので、その際にはぜひご来館下さい。

 沖縄県などで大量の軽石漂着が問題となっているが、新聞やテレビはネガティブな情報しか伝えていない。軽石に魅了された小学生や、研究資料としても貴重な大型の軽石の寄贈など、違った観点から軽石漂着を受け止めているところが面白い。

 新聞記者やテレビのリポーターは、こうやって違った角度から出来事を見つめてみると、同じ軽石漂着でも深みのあるリポートができるのではないか。火山=怖い、軽石=困る、そういう思い込みを捨てて、脳内にできた勝手なストーリーから解き放たれていただきたい。

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