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【自治トピックス】No.20

 4月26日はチェルノブイリ原発事故が発生してから35年である。当時、私は大学受験を控えて河合塾に通っていた。その年の初夏、なぜか駿台予備校の有名講師が河合塾で講演会を開いた。彼は学生運動時代に全共闘議長を務めた人物で、河合塾にいた全共闘経験の講師が駿台予備校の盟友を呼んだというわけだ。講演会で彼は「今日は雨が降るけど、雨には直接当たらない方がいい」とやけにニヤニヤとうれしそうに事故の話をしていた。その講演会が開かれていた河合塾の校舎は名古屋駅前にあり、リニア新幹線の建設に伴って取り壊されたそうだ。

 思えば、私の原発嫌いはあの頃から始まった気がする。しかし、大学に入学し、当時、ドヤ顔で全共闘を語った大人たちの欺瞞に気づいたせいか、私の左翼観は極めて屈折してしまった。その後の人間関係に恵まれなければ、今頃はネトウヨになって、パヨクたたきが生きがいになっていたかもしれない。

 名古屋市長選は25日投開票され、現職の河村たかし氏(72)=減税日本推薦=が当選を確実にし、新人の元市議長横井利明氏(59)=自民、立民、公明、国民推薦=との事実上の一騎打ちを制した。1期目途中の辞職に伴う出直し選を含め、5回目の当選。市では戦後の公選制導入以降初めて4期目を務める市長となる。投票率は42・12%で、前回を5・22ポイント上回った。
 自民出身の横井氏を共産も支援し、横井氏側の各党が支援組織をてこ入れして組織戦を展開したが、知名度で勝る河村氏が退けた。ただ両氏は接戦で、河村氏の得票率は、いずれも圧勝だった過去4回を下回るとみられる。

 特に驚きもない無難な選挙結果ではないか。私は0.1%も河村たかしを支持していないが、現職が負ける要素はほとんどない選挙だったと思う。

 愛知県知事のリコール運動は、河村たかしが市長に就任する前からのネトウヨ癖が表面化したもので、今に始まったものではない。だから、突然、南京大虐殺がどうのと言い出す。そういう部分を名古屋市の保守層は支持している。逆に言えば、河村市政全般は実は支持されていて、河村たかしの火遊びを市民が容認しているということだ。

 むしろ、同日に行われた衆参3選挙の結果からも分かるように、自民党に対する逆風が吹いている今、わざわざ自民党の市議を対抗馬に出して、共産党を含む既成政党がこぞって推すという構図こそ、河村支持層にとっては胡散臭いのであり、そういう市政に戻したくない人たちが一定層いるのだということを、政治家たちがもっと自覚すべきではないか。

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 CBCテレビが名古屋市長選の行政区ごとの得票数を掲載していた。横井利明元自民市議が河村たかしを上回ったのは、自らの地盤である南区のみである。得票率では〝善戦〟かもしれないが、選挙としては完敗と言える。

 名古屋市長選で、朝日新聞社など7社は25日、名古屋市内48カ所で合同出口調査を実施し、2451人から有効回答を得た。投票の際、知事リコール運動での署名偽造問題を「考慮した」人は51%。そのうち57%が横井利明氏に票を投じ、河村たかし氏の41%を上回った。
 支持政党別の投票先をみると、無党派層では河村氏54%、横井氏43%と河村氏が勝り、横井氏を推薦した自民の支持層でも河村氏が54%で、横井氏の44%を上回った。立憲民主支持層ではほぼ互角で、公明支持層、共産支持層では、7~8割が横井氏に票を投じた。

 朝日新聞の出口調査を見ると、今回の選挙が最初から河村優勢で、横井が支持されていなかったことが伺える。あれだけバカ騒ぎしたリコール署名不正問題を考慮に入れて投票した市民は半分しかいない。そして、自民党支持層も、立憲民主党支持層も、半分しか横井に入れていない。

 つまり、自民党や立憲民主党は「反河村」では一致していなかった。にもかかわらず、自民党は対抗馬を立てて、立憲民主党はあっさり乗っかったのだ。与党第1党と野党第1党がこれでは、担がれた横井が不憫に思える。

 東京都の小池百合子知事は25日、繁華街の人出が多いことに懸念を示し、「皆さんの動きをできる限り止めて、自宅で過ごしてほしい」と呼び掛けた。都庁で報道陣の取材に応じた。特に若い人が多く、近県からも集まっていたとし、「東京には来ないで、それぞれが充実した時間を過ごしてもらいたい」と訴えた。

 朝の通勤電車も、さほど変化がなかったようだ。政府や自治体の呼びかけを国民がシカトするようになった。理由は簡単だ。呼びかけに従うと、生活が成り立たなくなり、死んでしまうからだ。何度ステイホームしても出口が見えず、いつまで経っても「特別な〇〇」が続くからだ。そして、政治家の思惑や空気で緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」がごり押しされていて、エビデンスが軽視されているからだ。

 そして、女帝・小池百合子の迷走ぶりにも困惑するばかりだ。「東京に来ないで」と言うが、都外にいるこっちからすれば、「東京から来ないで」と言いたいのだが。

 東京都への緊急事態宣言が始まった25日、百貨店や映画館などの商業・レジャー施設が休業していない神奈川県内には、買い物や食事を目的にした多くの都民が足を運んだ。宣言初日とは思えない混雑ぶりに、県民からは驚きや困惑の声が上がっていた。

 東京のお隣・川崎市や横浜市には都内からの買い物客や観光客が〝難民〟として流れ込んでいる。東京都は緊急事態宣言が出ているが、神奈川県では一部の自治体に「まん延防止等重点措置」が適用されている。これらの地域で感染者が抑制できなければ、当然、県全体で緊急事態宣言を発出せざるを得ない。にもかかわらず、東京から〝難民〟が押し寄せている。

 「正直言って緊急感がなく、周りも自分も慣れてしまっている。周りに感染者もいないし、実感ない」。東京から友人と観光に来た二十代の会社員女性は、宣言の効果を疑問視した。熱海への旅行は一カ月前から予約していたといい、「出社はして、休みの時だけ外出するなというのもおかしい。旅行だけを楽しみにしていた。キャンセルにしたくなかった」と話した。

 女帝のポチがこんなことを宣っておられる。彼女たちを啓蒙しなければならないのは、小池知事だ。「東京に来ないで」ではなく、「東京から来ないで」なのだ。熱海は静岡県で、感染状況はさほど悪化していない。そこに感染拡大地域から大量に観光客がやってくる。

 GWには、さらに熱海は混雑するだろう。温泉街にとってはうれしいやら、悲しいやら。静岡県側も自己防衛を考えなければ、2週間後にしっぺ返しを食う。

 JR新橋駅(港区)のSL広場周辺では、午後8時が近づくと、多くの飲食店が閉店の準備を始めたり、ビルの看板の明かりが消えたりして、人影まばらに。ただ午後8時を過ぎても、ビルの大型ビジョンではコマーシャルや音楽が大音量で流れ、ネオンを瞬かせて営業を続ける店もあった。

 一度、夜の東京の街を歩いてみようかと思うが、初日を見る限り灯火管制は不発に終わっているようだ。

 そもそも、東京都は事前に事業者と調整した上で発表していないのではないか。新型インフルエンザ対策行動計画でも、さすがに灯火管制は盛り込まれていない。事前に想定していなかったことを社会全体でやらせようとすれば、無理が出るに決まっている。

 小池知事の会見には呆れてしまった。

私などは、当時、日本にはいなかったんですけれども、70年代のオイルショックのときには、銀座の街の電気が消えた、それからテレビも12時か何かで消えた、そして、新しいところでは10年前の東日本大震災ですけれども、そのときは電力の使用抑制ということで、極力消灯に努めて、東京の夜の街が相当暗くなったということを皆さんも記憶しておられるというふうに思います。オイルショックのとき、それから東日本大震災のとき、これの目的は、電力をいかにして使わないかということでありましたけれども、今回は人の流れを抑制するための措置ということであります。これ、それぞれの団体等を通じまして、この点をお願いをしてまいりたいと思います。もちろん防犯の関係で街灯ということは、これはそのままであります。

 東日本大震災というより、福島第一原発の事故で電力供給がひっ迫し、首都圏では東京23区を除いて計画停電を行わざるを得なかったのだ。もしも電力の需要が供給量をオーバーすれば、大規模停電(ブラックアウト)に陥る危険がある。だから、消せる電気は23区でも全て消したのだ。それと、現在の状況を並べるところに、あまりにも無理がある。

 知事側近が思いついたのか、それとも都の職員の思い付きなのか、そこは分からない。だが、あまりにも安易で、笑ってしまう。

 こういう茶番をやっているから、東京都の呼びかけに誰も反応しなくなったのだ。リスクコミュニケーションの失敗だ。

 一方、新型コロナの専門家でつくる基本的対処方針分科会の尾身茂会長は25日、NHKの番組で今回の幅広い休業要請について、「商業施設が開いていれば、どうしても人間は(外に)出たくなる。(商業施設が感染拡大の原因となっている)エビデンス(根拠)はないが、魅力ある所を閉めることが必要だ」と語った。

 百貨店や映画館でクラスターが頻発したことはない。だいたい、みんな同じ方向を向いて黙ってスクリーンを見ている映画館で感染のリスクが高いとは言えない。だから、それらを閉めれば、感染者が減るというのは、直接的なエビデンスはないのだ。

 しかし、ここからが重要だが、百貨店や映画館が開いていると、そこにたくさんの人が集まる。感染症の拡大を防ぐには、人の往来を減らすことが何よりも有効だ。そこにはエビデンスがある。

 尾身会長が言っているのは、そういうことだ。

 これはテーマパークや遊園地も同じ。ウオータースライダーに乗ろうが、ジェットコースターに乗ろうが、それが直接的に感染の要因になるリスクはさほど高くない。だが、そこにたくさん人が集まり、〝密〟をつくることで、感染のリスクは高まる。そこにはエビデンスがあるのだ。

 これは感染症対策の基本中の基本だし、とりわけ無症状の感染者が多い新型コロナウイルスなら、なおさらだ。

 だから、影響のある施設の事業者や従業員に対しては、十分な休業補償が必要なのだ。

 私は、大規模商業施設や映画館が休業するのはやむを得ないと思う。

 尾身茂会長をはじめ、専門家の適切なリスク評価によって、何をすべきかははっきりしている。だが、リスク管理を担う政府や自治体がぶっ壊れているのだ。左派・リベラル層はそこを大きく勘違いして、両者をごっちゃにして石を投げている。

 科学者の評価をリスペクトし、政治によるリスク管理の在り方を変えるべきなのだ。

 コウノトリの野生復帰など兵庫県豊岡市で他の自治体にない魅力づくりに奔走。一時は今期限りでの引退も検討したが、次なる目玉施策として掲げる「演劇のまち」づくりと、ジェンダーギャップ(男女の格差)解消の取り組みを推進するため昨年末、立候補を決めた。

 先駆的な施策が市民の支持を得られるとは限らないという典型的な事例。コロナ禍で市民も政治も内向きになりがちな中、あえて「演劇のまち」にこだわり、「ジェンダーギャップ解消」まで掲げたのだから、かなり強気な人なのだと分かる。

 豊岡市なんて、「演劇のまち」の看板がなければ、城崎温泉に向かう途中駅くらいの認識しかない。施策の優先順位は変わるとはいえ、看板は引き続き掲げてもらいたいものだ。でないと、平田オリザとともに移り住んだ劇団員が不憫である。

 ところで、この市長選も前回、現職が無投票だった。やはり、無投票で信任すると政治的な緊張感が薄れ、独断専行が目立つようになる。コロナ禍における街の微妙な空気の変化に市長が気づかなかったのだろう。

 大阪市が職員に対して5人以上か午後9時以降の会食に参加していたかを調査した結果、200件以上の事例が確認されたことが23日、市関係者への取材で分かった。出席した職員は千人を上回るという。市内では3月1日から飲食店に対して午後9時までの営業時間短縮の要請に加え、市民には4人までのマスク会食が呼び掛けられていた。調査は3月~4月上旬の期間が対象。

 維新信者がこの記事を読んで、「だから都構想で市役所を解体しなければ」と言っていて、シンプルに爆笑した。カルト化もここまでくるとギャグでしかなくなる。

 それにしても、大阪市役所の職員〝だけ〟が多人数の会食や夜の会食に参加していたのだろうか。大阪府はどうなのか。東大阪市や堺市、京都市や神戸市はどうなのだろうか。

 たまたま報道されたのが大阪市だったのではないか。

 東京五輪・パラリンピックの期間中、東京湾での実施が予定されていたホテルシップについて、誘致を進めた4自治体の計画が頓挫していたことがわかった。宿泊施設不足を補うと期待されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で大会が延期になり、船会社が撤退したことなどが理由という。

 海外からの訪問客を見込めないのだから、船会社の撤退は当然だ。しかも、クルーズ船でクラスターが起きるとどんだけ悲惨なことになるのか、日本は嫌と言うほど経験したのだから。

 とはいえ、質の悪い民泊が増えるより、ホテルシップの方がましな気がする。五輪需要と言わず、本格的に検討する会社はないのだろうか。

 例えば、東京・大阪間を8千円で、夜に出発し、朝到着する便があれば、ビジネス向けに高速バスにも対抗できるような気がするが。

 神奈川県は24日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、「まん延防止等重点措置」の対象地域に、鎌倉、厚木、大和、海老名、座間、綾瀬の計6市を追加することを正式に決めた。重点措置の適用は28日から。県内の対象地域は、20日から適用されている横浜、川崎、相模原の3市を合わせて計9市となる。

 なぜか、一大観光地・江の島を抱える40万人都市、藤沢市が対象に入っていない。藤沢市民としてはありがたいことだが、逆にGWになって都内から大量の〝難民〟が押し寄せるのではないか。非常に危惧している。私は近所の混雑状況を見て、必要であれば他地域に避難するつもりだ。

 今日、ランチを食べに駅前に出たら、お目当ての飲食店が休業に入っていた。「まん延防止等重点措置」が適用されていなくても、こうして安全を考慮して休業するお店もある。影響は、対象地域だけではない。同時に、大将になろうが、なるまいが、時間短縮要請も応じないで平気で営業している飲食店はある。

 冨田氏は同日午後に記者会見を開くとし、「市政を混乱させたことをおわびしたい」と述べた。その上で「いま辞職して選挙になり、高齢者を危険にさらすことは避けたい。8月中には必ず高齢者のワクチン接種を終了させなくてはならない。そのめどが立てば、けじめとして辞める」と語った。
 一方、市議会は27日に冨田氏に対する不信任決議案を採決する予定。3分の2以上の議員が出席し、4分の3以上が不信任案に賛成して可決されれば、冨田氏は10日以内に議会を解散しないと失職する。朝日新聞の取材では、全22議員のうち4分の3以上が賛成する見込み。
 冨田氏は「議会には『選挙にならないように配慮願いたい』と打診しようと思う」とし、不信任案可決を回避したい考えを示した。可決された場合は議会を解散し、自らも辞職して市長選に立候補する「ダブル選挙」に持ち込む可能性が高いとも語った。

 こういうときに、市議会が「解散したいなら、すれば?」と突き放せばいいのだが、そこが腰抜けばかりなのだろう。解散後、市長派が過半数を得なければ、結局、失職となる。遠慮しないで、どーんと解散してもらおう。そういう気概がないから、首長になめられるのだ。

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