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【自治トピックス】No.15

 緊急事態宣言が解除されたのに心理的に何も変わらないのは、宣言の有無にかかわらず各種の自粛要請が継続しているからだ。人の動きが活発化すれば、当然新規感染者数は増える。にもかかわらず、リバウンドを抑えるために自粛は続けろという。無理に決まっている。リバウンドしたくなければ宣言は解除すべきではないし、宣言を解除すれば一定のリバウンドは覚悟して受け入れていくしかない。政治をつかさどるリーダーが世論を気にして、空気で政策を決めているから、こういう事態になる。政策決定の過程でエビデンスが軽視されている。

 今夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックをめぐる政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者の代表者協議が20日、東京都内であり、海外在住の一般観客の受け入れ断念で最終合意した。日本側が「安全最優先」として見送りの結論を出し、IOC、IPCが了承した。新型コロナウイルスの感染収束が見通せず、今夏に自由な入国を保証するのは難しいと判断した。
 海外の一般客を受け入れないのは、近代五輪では初めて。東京五輪は、世界中から集った人々が相互理解を深めて平和な社会の推進をめざす、五輪の根本思想「オリンピズム」が十分に体現されない大会となる。また、五輪の経済効果が減ることは避けられず、菅政権はインバウンド戦略の見直しを迫られる。

 世界中から人が実際に集まらないと「オリンピズム」が十分に体現されないという朝日新聞的な世界観に笑ってしまう。多くの人たちがスマホで世界とつながっている時代に、人と人が実際に会わなければ、相互に理解できないとか、平和な社会が推進できないとか、まるで昭和の発想ではないか。

 日本人しか観客として認めないというのは、海外のアスリートにとっては痛手だろう。偏屈な日本の観客が海外のアスリートを応援できるだろうか。サッカーで北朝鮮が出てきて、冷静でいられるだろうか。むしろ、日本人の醜さを体現することにはなりはしないか。とても心配だ。

 全体の観客数の上限はプロ野球などスポーツイベントでの上限を参考に、政府主導で決める。「50%」を軸に検討するが、「感染が広がれば、無観客の可能性もある」と指摘する大会関係者もいる。

 プロ野球がやっているのに、オリンピックはやれないという結論にもならないと思う。そのとき感染が広がっているかどうか、というより、人が集まれば感染が広がるのは当たり前なので、その後の心配をした方がいい。実際に重症のベッドがひっ迫しているのに、国を挙げて大規模イベントを行えば、何が起こるのかは想像に難くない。五輪開催に耐えうる医療の受け入れ態勢を整えることが大前提ではないか。そういうシミュレーションの資料がまったく出てきていないのが気になる。

 小池氏は、断念の理由として、新型コロナウイルスの感染がいまだ収束しない現状を挙げつつ、「世界中からの観客に東京の観光名所や文化などを直接楽しんでいただく機会だったのに残念だ」と吐露。インターネットを通じた観戦や交流に期待を寄せ、「応援や感動が地球全体を包み、スポーツでつながっていくような状況をつくっていきたい」と話した。

 小池知事は相変わらず他人事で優等生のコメントしか出さない。国立感染症研究所のゲノム解析から分かっているが、これまでずっと東京由来のウイルスが日本国内で猛威を振るっている。東京の感染防止対策が中途半端なのだ。そういう当事者意識が全く感じられない。

 東京都から新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づく時短営業の命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」が、命令は違法だとして、都に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことが20日、分かった。時短命令の違法性を問う提訴は初とみられる。22日に提訴する方針。代理人の倉持麟太郎弁護士は取材に「緊急事態宣言下で、行政による過剰な権利制約が続いている。訴訟で問題提起をしたい」と話した。

 緊急事態宣言を解除する直前になっての時短営業の命令。そりゃ、怒るわな(笑)

 やはり、今回の特措法改正には無理があった。小池知事のような政治家のパフォーマンスにしか使えない。実効性がない。私は緊急事態宣言下の時短要請破りには同意しないが、こういう裁判自体は支持したい。エビデンスに基づく緊急事態宣言のオン・オフができていない上に、緊急事態宣言が解除された中でも宣言と同様の自粛が求められるという無限自粛ループを強いられているのは、シンプルに国民いじめだ。そういうシステムを改正特措法が法的に位置付けてしまった。

国土交通省は、羽田空港から沖縄の那覇空港と石垣島、それに宮古島に向かう旅客機の利用客1000人を対象に、PCR検査を受けてもらう取り組みを18日から始めます。PCR検査は任意で、指定した検査機関か郵送で、出発前に検査結果が分かるように受けてもらいます。また、沖縄に到着したあとには協力しやすい検査の方法や費用、それに検査で感じた負担や課題を尋ねるアンケート調査を実施します。

 悪い取り組みとは思わないが、さて、効果が本当にあるのかどうか。成田空港や関西空港で、海外から入国する人に検査を行っているけれど、実際には変異株ウイルスはあっさりと国内に入ってきている。私自身の経験からも、PCR検査による「陰性」判定は気持ちの問題でしかない。

 4月から始まる65歳以上の高齢者対象の新型コロナウイルスワクチン接種について、約2割の自治体が接種を担う医師を全く確保できていないことが19日、厚生労働省の調査で分かった。地元医師との調整に時間がかかっている自治体や、深刻な医師不足で近隣地域との連携を模索している自治体もあるとみられる。

 ワクチンが足りない。医師も足りない。しかし、構造的には何も変えない。そりゃ、進まないわ。

 海外ではこんな話題もある。

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、オランダ政府は2021年1月からワクチン接種を開始しました。USG Peopleでは、ワクチン接種開始以前からコロナ陽性者との接触追跡調査やPCR検査場向けに人材派遣を実施していました。はじめは1地方のGGDから始まりましたが、その後、国立のGGDや顧客からの支援要請を受けて、急きょ全国規模で対応。更なる支援として、ワクチン接種業務にも人材を派遣することになりました。
ワクチン接種にあたるのは、医療業界のバックグラウンドを持っている派遣スタッフですが、新型コロナウイルスのワクチンにはいくつかの種類があり、接種の準備や段取りも通常とは異なるため、急いでトレーニングプログラムを立ち上げる必要がありました。また、集まったみなさんに接種する医療関係者だけではなく、会場を運営するスーパーバイザーの派遣も必要でした。

 これは人材派遣会社の提灯記事だから、そこを踏まえた上で読む必要があるけれど、日本って不安定雇用を適当に使って、ぼろもうけしている企業があるというのに、いざ、こういう非常事態にそういう人たちの受け皿がないのは不思議だ。新型コロナウイルスのワクチン接種を既存の枠内で解決しようとする。

 名古屋市の河村たかし市長(72)が19日、4期目をめざして名古屋市長選(4月11日告示、25日投開票)に立候補すると表明した。「もう一回ご奉公せないかん」と新型コロナウイルス対策に継続して取り組む意欲を強調する一方で、偽造事件に発展した大村秀章・愛知県知事へのリコール署名を支援した責任については「選挙はあまり関係ない」との姿勢を示した。

 皮肉なことだが、リコール署名の偽造事件が河村市長の国政転身を思いとどまらせ、4選出馬につながったのだと思う。首長選挙は圧倒的に現職有利だ。大阪の事例を見ても、自民党の市議ごときが勝てるとは思えない。おそらく、内々に情勢調査もしていたのではないか。

 では、勝てる候補は誰か。大村秀章愛知県知事が適任だと思う。大村氏はまだ六十代で若い。県知事としての実績もあれば、自民党出身で保守層からの信頼も厚い。

元千葉市長の熊谷氏は、得票率およそ70%で140万票あまりを獲得し、自民党が推薦した関氏らに圧勝して初めての当選を果たしました。
千葉県選挙管理委員会によりますと今回の熊谷氏の得票は、戦後の千葉県知事選挙では過去最多だということです。

 当然と言えば、当然の結果。自民党は初代スポーツ庁長官の鈴木大地を擁立する予定だったが、舌禍事件で炎上した森喜朗から横やりが入り、擁立を断念。捨て駒として県議が立候補して惨敗した。あの時点で選挙は終わっていた。森喜朗はつくづく、罪づくりな人だ。

 ちなみに、千葉市議会議員補欠選挙では自民党公認候補がトップ当選している。これで衆院選で自民党が負けると思ったら大間違い。

 新型コロナウイルスのワクチン接種予約をLINEで受け付ける予定の自治体も多い。その一つである神奈川県寒川町の担当者は「真相が分からず、改善策も確実か分からない。安全性が確認されるまで利用できない」として、今後の予約受け付けをウェブとコールセンターに絞る方針だ。
 和歌山市もLINEによる接種予約を検討しており、尾花正啓市長は18日の記者会見で「非常に深刻な事態だ。対策を講じてくれないとLINEは利用できない」と述べた。
 福岡市は18日、市がLINEを活用して市民に提供しているサービスについて、市民が入力する個人情報やトークの内容などは中国からアクセスできる状況にはなかったと発表した。LINEから確認した。安心してサービスを利用してもらうため、市は「引き続き、同社と個人情報を取り扱う受託事業者で適正な個人情報の取り扱いがなされるよう努める」としている。

 福岡市の対応が正しい。LINEに事実確認を行い、市の行政サービスで利用される個人情報が中国側からアクセスできないことを公表している。

 そもそも、LINEだけがセキュリティーが脆弱と思い込んでいる時点で、危機管理としては落第だ。

 ちなみに私は、LINEを知人とのチャットツールとしてはほとんど利用しない。情報を集めるためのツールとして使う。LINEの怖さは、中国が個人情報を覗けるかどうかではなく、会話のやり取りが簡単に流出することだ。怖いのは、中国ではなく、自分の身内である。

 同委員会によると男性は16日、十数人の公明党市議に、岸和田市の同委員会事務所から「広域行政一元化条例に反対して下さい。賛成したら公明党に今后一切投票しません。40年来の支持者より。」(原文ママ)とファクスした。発信元が同委員会だったため、一部の公明党大阪市議がツイッターで問題視していた。

 例えば、SNSで捨て垢を登録し、プロフィールに「創価学会員」と偽り、「一元化反対」を唱えるというのは、やってはいけないが、あり得る話だ。しかし、これは送信元を表示したまま相手にファクスしているのだから、驚くべき確信犯だ。基本的な常識もないのか、それとも泥酔して理性を失っていたのか、どちらかしかない。

 共産党は歴史が2、3年後退したと思ってほしい。処分も甘すぎる。

 公明党の石井啓一幹事長は19日の記者会見で、次期衆院選を7月4日投開票の東京都議選と同日選で実施することについて「現実的な選択肢ではない。シミュレーションは行っていない」と述べ、否定的な見解を示した。

 都議選と衆院選の同日選は、都議選が近づくと必ず流れてくるフェイクニュース。120%あり得ないので、新聞やニュースで見てもスルーしていただきたい。

 あり得るとしたら、公明党が野に下るときだ。

 市議会事務局によると、高木市長が再選を目指して次期市長選に立候補する意思を固め、15日の市議会で表明する見通しという内容の1面の記事が「事前に議会の内容を掲載し、議会軽視に当たる」と三枝議長が判断した。記事を書いた記者は傍聴を拒否され、一般の市民や他の報道機関は認められた。

 シンプルに山梨市議会議長の頭がおかしい。

 賛成討論で、依田花蓮区議(ちいさき声をすくいあげる会)は「(制度による)行政の承認は、当事者に心の安定をもたらし、同性愛者への理解と差別解消を推し進める。何より、子どもたちに安心と生きる希望を与える」と説明。札幌地裁で十七日、同性婚を認めないことを違憲と判断する判決が出たことに触れ「法制化の後押しをすべく、区でも制度を誕生させる必要性が高まったといえるのではないか」と求めた。反対討論はなかった。

 反対討論もしないで否決したのだから、反対した区議は後ろめたさでいっぱいなのだろう。

 宮代町総務課によると、面談では新井・越生町長が町議だった当時、宮代町で同姓同名の町長が誕生したことに刺激を受けたことなどを説明。2人は初対面ながら、会話が盛り上がっていたという。さらに、両町の産業や交通事情、災害時の状況などについて意見交換した。

 県内に同姓同名の町長が2人いる、というだけの話。しかも、単に2人が面会したというだけの話。しかし、わざわざフリップを用意して、プレス向けにアピールしているところが草が生える。

 最後は笑い話で。

ロシア田園地帯にあるポヴァリヒノ村で過去4年間、役場の床掃除を続けてきた女性が、使い慣れたモップを片付け、役場トップに当選した。女性はマリナ・ウドゴズカヤ氏(35)。9月にあった村長選挙で、現職を再選させる目的で候補者リストに名前を載せたところ、なんと当選してしまった。村には元警官で、与党・統一ロシア所属のニコライ・ロクテフ村長(58)という現職がいる。しかし、選挙が迫っても対立候補が出なかった。

 現職の村長が改選の選挙を控えて対立候補がおらず、無投票では体裁が悪いと、役場の掃除係を立候補させたら、現職を破って当選してしまったというニュース。

当選後まもないインタビューでは、自らを「フェイク(偽の)」候補だったと言い、急に村長になる「準備はできていない」と語った。テレビ取材には、「住民が私に投票するとは思わなかった」、「私はまったく何もしなかったのに!」と話した。まともな選挙運動をしなかったのは、現職も同じだった。ポスターやビラは作らず、有権者との集会も開かなかった。住民らは、どうせ全員が知り合いなのだから、選挙運動には意味がないとしている。

 現職のニコライ・ロクテフ村長は、周りはみんな知り合いだから自分に投票してくれると思い込んでいた。だから、選挙運動をまったくしないで、対立候補も役場の掃除係を無理やり立てて、ふんぞり返っていたわけだ。ところが、投票箱を開けたら現職が住民に想像以上に嫌われていたことが分かった。

 これぞ、民主主義。


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