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【自治トピックス】No.34

 地元には東京五輪の競技会場があるが、近所の商店街に「TOKYO2020」の旗がユラユラと揺れている以外にオリンピックの機運を感じる機会がほとんどない。競技を観に行こうとすれば、必然的に海に出る必要がある。今、砂浜では海水浴場が開設されて、海の家が営業している。みんな泳ぎに来ているというよりは、友だち同士騒ぎたいだけだ。酒類の提供は自粛している建前だが、客の求めに応じてこっそり出しているという。そうでなくても、食べ物だけテークアウトして、コンビニで買った酒を海辺で飲んでいる。外で酒を飲んだからと言って感染が広がるとは思わないが、大人数が集まって密状態になれば条件は変わる。地元民なのに、怖くて近づけない。コロナ禍前、ただ歩いているだけなのに、海の家で酒を飲んでいた海パン姿の酔っ払いに絡まれたことがある。急に怒鳴り声をあげて追いかけてきた。夏の海にはトラウマしかない。年に一度の花火大会では、ただでさえ浸食によって狭くなった砂浜を海の家がビーチベッドで埋め尽くして、有料で客に貸す。早めに場所取りしたとしても、市民は排除される。毎年、彼らのやりたい放題の無法行為を遠目に見てきた。だから昨年、コロナ禍で海の家が営業できなくても、ざまあみろとしか思わなかった。夏が終わるのを心待ちにしている。早く海の家から地元の海を取り返したい。

 海水浴場の飲食店を見て回ると、黄金色の液体が入ったカップを手に持ち談笑する客の姿もチラホラ見受けられた。スタッフにアルコール提供について尋ねると、声をワントーン落として答えが返ってきた。

大々的に宣伝できないので、お客様に聞かれたら案内しています。缶やジョッキで提供するといかにも『飲んでます』って感じになってしまって、藤沢市に苦情が入ったりするので、なるべく目立たないように……。(お酒を)出しちゃいけないっていうのは大前提なんだけど、みんな出しちゃってる状況。なので、少しでも害がないようにって言ったらアレですけど、個々の判断で試行錯誤しながらやってますね」

 「江の島」という見出しが出ているが、正確には江の島の島内に海水浴場はない。おそらく片瀬西浜だろう。東浜と比べると西浜の治安は悪く、例年、救急車の出動回数が多いのも西浜だ。海水浴場というよりは、夜まで営業する飲み屋街と言った方がいいかもしれない。クラブのように大音量を流す店があって、問題になったこともある。

 海の宴が終わると、何が残るのか。暗くなった砂浜には酒の空き缶があちこちに転がっている。ゴミ箱は空き缶があふれている。地元の有志がボランティアでごみを拾っている。

 神奈川県と藤沢市は、ルールに違反した海の家にはペナルティーを科すべきだし、翌年以降の出店を禁止すべきだ。

 江の島は前週と比べると63%増加。7月10日と比べると、182%増加(笑)不思議なことに、東京の新規感染者数が増えれば増えるほど、江の島の人流は増えるという傾向にある。江の島の島内をマスク着用で散策したくらいで感染するとは思えないが、大人数で飲食店に入って、マスクもしないで食事したり、前述の海の家でこっそり酒を飲んだりしたら、感染リスクが高まることは覚悟した方がいい。

 まして、緊急事態宣言中の都県域をまたいで、遠く都内からのんきに遊びに来る人たちの脳内はどういう構造になっているのだろうか。

 昨年の第1波以来、江の島界隈は都民のオアシスとして、〝感染状況が悪くても江の島なら安心〟という根拠のない楽観論によって、地元民がステイホームだろうが自粛していようがお構いなしに大渋滞や大混雑に見舞われてきた。その状況はこれまで変わっていない。これはもう物理的に江の島への流入を止めるしかないのではないか。

 例えば、小田急はロマンスカーと快速急行の運転を取りやめる。JRは湘南新宿ラインは戸塚以西の運転を取りやめる。国道134号線は日中時間帯に由比ガ浜から鵠沼海岸まで通行止めとする。江の島大橋は東京五輪期間中と同様に通行止めとする。

 つまり、エリアを限定した実質的なロックダウンである。

 30日に開かれた新型コロナウイルス対策を協議する基本的対処方針分科会で、出席者から将来的にロックダウン(都市封鎖)を可能とする法整備の検討を求める意見が出された。

 分科会に出席した東邦大の舘田一博教授は終了後、記者団に「ロックダウンは法的根拠がないからできないが、将来的にそういう仕組みを考えていく必要があるのではないかとの意見が出た」と明らかにした。
全国知事会は1日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言などについて知事の要請への機動的な対応や実効性の確保を国に求める緊急提言をまとめた。宣言などの根拠となる特措法の改正や、より厳しい「ロックダウン(都市封鎖)のような手法のあり方」を検討することなどを盛り込んだ。
提言ではロックダウンの具体的な内容には踏み込まなかったが「国民に危機感を伝え行動変容を促す従来とは次元の異なるメッセージを発出すること」との文言を盛り込んだ。ワクチン接種率など宣言や重点措置を解除する際の目安を早急に明示することも要望した。
岩手県の達増拓也知事は30日の記者会見で、新型コロナウイルスの国内の新規感染者が1万人を超えるなど感染が急拡大していることについて、「欧州級の感染状況だ。東京はロックダウン(都市封鎖)的なことが求められていると思う」と述べ、大胆な対策をとる必要があるとの認識を示した。
 政府が新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の対象拡大を決定した。東京五輪に続き、8月24日に始まるパラリンピックも宣言下で開催されることになるが、東京での「感染爆発」を指摘する声が上がるなど宣言の効果は薄れている。専門家からは実効性のある措置として、ロックダウン(都市封鎖)の法整備の検討を求める意見も出ている。
 厳しい私権制限措置を伴うロックダウンは欧州などで実施されているが、日本の法整備は進んでいない。分科会終了後、全国知事会長の飯泉嘉門・徳島県知事は「法整備を検討する段階に来たのではないか」と指摘した。これに関し、菅義偉首相は30日の記者会見で否定的な考えを示したが、同席した同分科会の尾身茂会長は「飲食店だけでなく、人々の行動を制限する議論は必要だ」と訴えた。

 ここに来て、「ロックダウン」という言葉を政府や自治体のリーダーから聞くようになった。昨年の第1波で小池都知事が安易にこの言葉を出して、大いにひんしゅくを買ったのを覚えているだろうか。日本の法律ではできないのに、自治体のリーダーがいきなり超法規的措置を口にしたら、国民に恐怖を与えることしかできない。今になって現実論としてロックダウンが話題になるのは、緊急事態宣言に手詰まり感が出てきたからだ。

 緊急事態宣言は伝家の宝刀と言われる。その伝家の宝刀の効力がなくなってきたのは、緊急事態宣言に効果がないからではない。政府や自治体が使い方を間違えたからだ。例えば、今年に入ってからの緊急事態宣言では実質、飲食店や大規模イベントの規制くらいしかやっていない。連日報道されている新規感染者数のうち感染経路が〝夜の街〟は少数派で、ほとんどが家族である。感染性が強いデルタ株と呼ばれる変異株について、専門家は従来型の対策では感染を防げないと言っているのに、緊急事態宣言の中身は相変わらず居酒屋叩きしかやっていないのだ。

 言ってみれば、この半年の緊急事態宣言はワクチンを水で希釈して接種しているのと同じだ。

 政府は自粛要請に応じない飲食店に酒類の供給停止を業界に求めたり、金融機関に働きかけを求めるといった、いじめに近い締め付けをしようとして、大ひんしゅくを買った。毎日何千人も感染者がいるのに、酒類を提供している飲食店だけ締め上げて、どれだけの効果があるというのか。

 政府が自ら特措法を骨抜きにしてしまったのだ。

 こうなる理由は簡単だ。政治家が誰も責任を取りたくないからだ。強力な私権制限を行えば、当然、経済界や国民からの批判を浴びる。逆に何もしなければ、感染爆発を起こし、やはり批判を浴びる。だから、宣言は出すが、一部の業界だけにしわ寄せが集まる、ゆるい私権制限しかできない。定額給付金は財務省が抵抗するから出せない。それでも従来株であれば時間をかければじわじわと感染を抑えてきた。後はワクチン接種の進捗を待つだけだったはずだ。

 しかし、デルタ株への置き換えで、そういう楽観的なシナリオは破綻した。〝夜の街〟由来の感染者の減少をゆっくりと待っていたら、それよりもはるかに早く感染が広がってしまう。

 しかも、ワクチン接種率は思うように上がらない。需要に供給が追い付いていない。

 こんなときに、社会全体のリソースを東京五輪などというお祭り騒ぎに注いでしまっている。東京五輪と現在の東京の感染拡大には直接の因果関係はないが、現実に東京が感染爆発に陥っているときに、「緊急事態宣言の最中に東京オリンピックを開催している」という現実ほど、伝家の宝刀たる緊急事態宣言の権威を削ぐことがあろうか。宣言とはその程度のものだと国民や世界にアピールしているようなものだ。

 だから、バッハIOC会長から見当違いなコメントばかり聞こえてくる。政府や組織委員会の幹部は陰でこっそり、バッハ会長に「緊急事態宣言を出しても開催できます」とささやいていたはずだ。

 本来、特措法改正の際に踏み込んだ私権制限について具体的な議論をしておくべきだった。与党も野党も、誰も批判を浴びたくないから、肝心な議論を先送りしてきたのだ。そのツケが今になって払わされている。

 私自身は一定の厳しいロックダウンは避けられないと思っているが、本来ならその前に現行の法制度下でも可能な第1波と同じレベルでの緊急事態宣言の再発出を行うべきと考える。若い世代でウイルスが広がっているのであれば、ワクチン接種が一定比率まで広がるまでの間、学校を休校にする。飲食店だけを標的とする休業要請ではなく、もっと広い分野で人流を抑制する規制を行う。もちろん、徹底した補償を国が行う。全国民に月に一度、定額給付金を支給する。

 下記の画像は、2020年4月25日の片瀬西浜、最初に書いた海の家のある海岸だ。

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 最初の緊急事態宣言発出後も江の島には週末になると、たくさんの人たちが訪れていたが、神奈川県知事や藤沢市長などが相次いで「来ないで」と訴えて、ついに人影まばらになった。やれば、できるのだ。

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて玉城デニー知事は1日、県内の医療界と経済界、市町村の代表者と県庁で会合を開き、15日までの2週間の外出自粛などを呼び掛ける緊急共同メッセージを発表した。
 4者が共同でメッセージを出すのは初めて。県内の感染状況は「海外諸国ではロックダウン相当のレベル」だとして、医療崩壊が現実のものとなりつつあるとの強い危機感を表明した。
 緊急共同メッセージでは(1)今後2週間は外でも家でも集まらず、出掛けない(2)県外や離島との往来は帰省を含めてやめる(3)ワクチンを積極的に接種する―の3点を打ち出した。
 会合後、玉城知事は「やはり人流を抑制すること、人と人との接触を極力控えることが重要だ。セルフロックダウンのつもりで行動を抑制してほしい」と語った。

 沖縄ではついに「セルフロックダウン」という言葉まで出てきた。沖縄県は離島しかないから、県域を越えての移動の大半は飛行機で、本来はコロナ対策が行いやすいはずだ。にもかかわらず、ここまで手こずっているのは、どこか落とし穴があるとしか思えない。

 この記事を読んで気になるのは、他県からの沖縄観光について言及がないことだ。この夏、緊急事態宣言を発出し、〝セリフロックダウン〟をしなければならない沖縄県に大量の観光客が流入する。尋常な事態ではない。少なくとも沖縄県に関しては、夏休み期間中、人流が大幅に増える。間違いなく、感染者数は増える。

 沖縄も、江の島と同様、首都圏民にとってはコロナ禍のストレスから解放されるための〝不沈空母〟でしかない。出かける方はせめて出発前にPCR検査だけは済ませておいていただきたい。

 組織委の武藤敏郎事務総長は同日の記者会見で「複数の選手らが村内の公園で飲酒していたことは把握している。適切に対応したい」と述べた。

 捜査関係者によると、7月31日午前2時ごろ、選手村関係者から「飲酒し騒いでいる選手らがいる」との通報があった。月島署員が現場に到着した際には選手らの姿はなかった。

 いや、江の島の海水浴場に来たら、日本人がやってるんで。

 8月1日、新型コロナ検査で陽性になった選手・関係者のうち6割を占める国内在住者の入院有無が公表されていない問題について、質問が飛んだ。

 メールの回答はこうだった。
 「国内大会関係者の入院者数については、皆さまにお示しすることは困難と申し伝えていた件です。例えば、陽性確定後自宅隔離になった場合、症状が悪化して入院するケースなどもあり、所属元から組織委が毎日症状の報告を受けるわけではないので、組織委で国内在住者の入院者数を把握することは困難となっています。
 これは報道各社においても、皆さまのチーム内で仮に陽性者がでたとして、おそらく症状の変化まで組織委に対しては都度報告いただけないのではないでしょうか。国内在住者で日々生活をしながら仕事をして、それが大会に何らか従事している方の入院事例を、地域医療への負担と考えるのも飛躍した論理と思われます」

 国内大会関係者の入院者数は把握できないので、地域医療への負担も把握できない。組織委員会の人たちがすさまじい脳内で五輪を主催していることがよく分かる。だったら最初から「地域医療に支障をきたさない」なんて言わなければいいのだ。「東京五輪を開催した場合の地域医療への負担は把握できない」が事実だということが、高谷氏の回答でよく分かる。

 これは東京五輪に限らず、日本で行われる様々な大小のイベントに関しても、イベントの出演者や関係者が感染することによる地域医療への負担など、主催者は把握しようがない。なぜなら、彼らは日常生活を送る中でイベントにも関与しているわけで、イベントが直接地域医療に負担を与えているとはいいがたい。

 いや、実は高谷氏の回答は意外に正しいのだ。

 東京五輪のような4年に一度の大規模イベントで、世界中から膨大な数の訪問客があるというのに、地域医療への負担が把握できない。一方で、1日千人単位の新規感染者が出ていて、それらは地域医療への負担は確実に重くなっている。1人の患者の搬送に右往左往させられる。急ぎではない医療が後回しにされる。五輪関係者が急病になったとしても、適切な医療を受けられない可能性がある。

 だから、こんな状況下で東京五輪なんぞ、やっちゃだめなのだ。

 地域医療への負担は把握できない。だから、組織委員会は知らない。それこそ、飛躍した論理だ。

この中で尾身会長らは現在の状況について、医療にひっ迫が生じてきており、これまでの新型コロナとの闘いの中で最も危機的な状況にあると指摘しました。

そのうえで、軽い症状でも職場や学校などで迅速に検査ができる体制の整備や、地域の医療資源を最大限活用するため、関係機関に医療提供体制の強化を要請すること、国民と危機感を共有するため東京オリンピックへの対応も含め、国民の心情に寄り添ったメッセージを発信することなどを求めました。

これに対し、菅総理大臣は「真摯(しんし)に受け止めて対応したい」と応じました。
 会見では、記者が、尾身氏の発言や実際に競技場周辺に人が集まっていることへの見解を尋ねた。これに対し、小池氏は「このところ(テレビの)視聴率が20%を稼げるコンテンツはなかなかない。実際に(五輪が)20%を超える視聴率を上げていることは、テレビでご覧になっていることを示し、ステイホームにつながっている。ですからオリンピックはそういう意味でステイホームに一役買っているし、またそれが選手への声援にもつながっていると思う」と強調した。
 さらに「会場の周りに(観客が)おられるといっても、そう何万人といるわけではないと思う。数えてください。そういうことでオリンピックは皆さんに閉塞(へいそく)した状況の中でスポーツから得られる勇気、感動を与えると同時にステイホームにも一役買っている、という考え方ではないかと思っている」と指摘。
 「ちょうど夏休みの期間だがご家族で小人数でそして、いつものメンバーでオリンピックの選手の皆さんを応援していただいて、それによって人流を下げる効果が出てくれば と思っています」と続けた。

 都政史上、これまで聞いたことのない珍回答だ。テレビの視聴率が良いから「ステイホームにも一役買っている」。まるで東京五輪をやっているから人流が抑えられるとでも言っているようだ。というか、言っているのだ。

 これでもって、感染症の専門家である尾身茂氏の懸念を〝はい、論破〟と思っているのだとしたら、都政は相当の重症である。

 しかし、飛躍した話をしてしまうが、人類が滅亡するときはいつもこんな感じなのかもしれない。リーダーはぶっ壊れ、国民は最悪の事態を忘れて、テレビでお祭りをぼーっと眺めている。とても平和的な滅亡だとは思わないか。

 前埼玉県知事で野党系無所属の上田清司参院議員(埼玉選挙区)が、次期衆院選に向けて中道保守路線を掲げる新党結成を模索していることが1日、分かった。衆参の無所属議員を中心に参加の呼び掛けを始めたもようだが、反応は目立たず、実現するかどうかは不透明だ。

 都議選での都民ファーストの会の善戦を受けた動きのようだ。元々、維新の会がそういう受け皿になるはずだったが、残念ながら大阪でカルト政党化し、一部の〝身を切る〟マニアが喜ぶ政党にしかなっていない。とはいえ、国民民主党が苦戦しているように、そう簡単ではないと思うが。

鳥取県の平井伸治知事は29日の記者会見で、飯泉嘉門会長(徳島県知事)の任期満了に伴う全国知事会の次期会長選に出馬する意向を表明した。次期会長の任期は9月から2年間。候補者が複数いる場合、8月30日の全国知事会議で投票となる。
平井知事が次期会長に選任されれば、全国で人口が最も少ない県の知事が全国知事会長になることになる。「これまで見過ごされがちだったことも訴えていきたい」とする。

 東京といい、大阪といい、自分のパフォーマンスにしか興味のない知事なので、全国知事会の会長は発信力と調整力の双方がある人物を期待したい。鳥取県はコロナ感染者数が少なく、疑わしきはPCR検査という考え方で積極的に検査を行い、感染者の隔離を行ってきた。人口が少ないとはいえ、コロナ対策が成功した事例でもある。ぜひ会長として、たぬき封じとイソジン封じをお願いしたい。

 兵庫県公館(神戸市中央区)に展示されている戦後の歴代知事の胸像について、7月末で退任する井戸敏三知事(75)が自身の像の設置を望まない考えを示した。井戸氏は読売新聞の取材に対し、「旧態の遺物はやめた方がいい。前々から決めていた」と話しており、知事の胸像は5代でストップすることになる。兵庫県以外の近畿2府3県では、庁舎や施設に知事の胸像は設置していないという。

 確か東京都庁の知事応接室には歴代知事の肖像画があったような気がするが。それにしても、公館なんて不特定多数が目にできる場所でもないのに、なんで胸像なんて置いたのだろうか。実際に胸像の扱いを決めるのは新知事なので、ちょうど良い機会だから県庁舎か博物館にでも飾ってはいかがか。

 郡氏の戦いぶりは違和感と既視感が交錯した。
 前回2017年は衆院議員時代と同様、対決姿勢をむき出しに政権批判を展開したが、今回は自民の重鎮市議たちと親密な関係をアピールし、変質を印象付けた。自民の選挙を支える経済人が陣営に入り、街頭演説には業界関係者が集まった。郡氏のこれまでの選挙戦とは明らかに異なった。
 既視感は奥山恵美子前市長の選対幹部、市職員OBが郡氏陣営を仕切ったことに象徴される。市職員出身の奥山氏とは前回選で対立関係になったが、郡氏は今回、奥山氏の再選時に似た布陣に支えられた。主要政党が相乗りし、OBを含む「オール市役所」が背後で支える態勢。歴代現職を当選に導いてきた「政権維持装置」が今回も作動した。

 4年前、野党共闘で初当選した郡市長。今回は自民から共産までオール与党体制が確立してしまった。

 奥山恵美子前市長も最初の選挙で民主党と社会民主党の支援で初当選。その後は共産党以外は与党入りし、安定した市政を続けた。どういう市長であれ、結局は官僚が神輿を抱える体制は前市長と同じということか。

 現職の圧勝はこうして解説を読むと印象が変わる。良い解説だ。

「山中先生の同僚、秘書、部下など、この数年間で15人以上が辞めているんです。多かれ少なかれ、先生の高圧的な言動が原因です」

 本誌は一通のメールを入手した。2019年11月17日、山中氏が、人材の採用について相談してきた同僚のA教授へ送ったものだ。

「『干す』ことにより、●●先生は自ら去りました。■■君についても同様に対応した方がいいと思います」

「干す」という強い言葉にA教授は驚き、複数の同僚とメールを共有した。一方、若手研究者のBさんは「自分は山中氏から “干された” 一人だ」と語る。

「数年前、データ入力で、本来反映されているべきデータが抜け落ちているというミスを犯しました。作業の途中では起こり得るものなのですが、山中先生にはその一回のミスで『君には向いていない。休みをあげるから次の仕事を探してきたら』と言われました」

 それにしても、たかが野党共闘の候補者に、いくつもの疑惑が上がりすぎてはいないか。候補者として決める前に身体検査をやったのだろうか。

 とにかく、今回の横浜市長選挙、カジノ反対の候補者がどいつもこいつも、俺が、俺がという状態。自分が市民なら、選択肢に困るだろう。ふたを開けたら、小此木氏が一発で当選、再選挙なしだったら笑う。

 いよいよ、今週末に市長選告示だ。

 最後に訃報を。

 東京都小笠原村の森下一男(もりした・かずお)村長が29日、結腸がんのため亡くなった。72歳。村が発表した。通夜は8月1日午後5時、葬儀は同2日午前9時半、品川区西五反田5の32の20の桐ケ谷斎場。喪主は妻和子(かずこ)さん。通夜と葬儀は家族葬で営むが、1日午後6時から一般の焼香も受け付ける。今後、村がお別れの会を計画している。

 森下さんは2003年から5期18年にわたり村長を務めた。村によると、健康上の理由により任期途中の8月8日付での辞職を申し出ていた。渋谷正昭副村長が職務代理者を務める。

 森下村長、亡くなったのか。5期目だったが、まだお若い。2011年に小笠原諸島が世界自然遺産に登録され、多くの観光客を呼び込んだ。航空路の検討も行われている。まだまだ、これからだった。

 合掌。

 村長選は9月5日。小笠原村は公共事業による村民の入れ替わりが激しいので、意外に無党派層が多い。対立候補が出てくれば、それなりに激戦となるだろう。離島の選挙って、取材したことないなあ。


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