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【自治トピックス】No.3

 12月中旬だというのに、神奈川県内では紅葉が見ごろで、富士山はまだ雪の衣が少ない。暖冬ということらしいが、10年以上、湘南に住んでいて、こんなことは初めてかもしれない。暖冬では春先にドカ雪が降る。今年は春が近づいてから用心しなければならないかもしれない。

 さて、今週も大阪の話題から。

 自民党大阪府連は12日、役員会を開き、大阪都構想の根拠法になった大都市地域特別区設置法(大都市法)の効力を一時停止させる新法案を2021年の通常国会に提出する方向で党内や他党と調整すると決めた。
 同じテーマで何度でも住民投票を繰り返せる「勝つまでじゃんけん」を問題視した府連は11月以降、国会議員や大阪市議が同法の問題点を話し合う勉強会を国会内で重ねてきた。この日の府連役員会で府議、市議の意見を踏まえ、新法制定に向け動き出すと決定。法案が可決されれば、新法の効力をさらに打ち消す法案が制定されない限り、大都市法に基づいて特別区を設置できなくなるという。

 維新とのパイプが太い菅内閣があっさりとこの法案を受け入れるとは思わないが、通常国会をなんとか継続審査で乗り切れば、首相は別の人物になっている可能性もある。維新側は、何らかの形で政権に関与し、大都市地域特別区設置法から住民投票の規定を削除し、国が介入した「都構想」の実現を目指してくるだろう。当面、効力を停止させるにせよ、次の手は準備しておくべきではないか。法律を廃止するのが理想だ。

 大阪は人口10万人当たりの新型コロナウイルス感染者数が多い。一番大事な時期を不毛な政争に費やしたツケが回ってきている。

市は9月、「第3波」に備えて保健所の新型コロナ対策グループを51人から102人に倍増した。濃厚接触者の検査調整や健康観察の業務の一部は府が代行し、専門性の高い疫学調査などに注力できる態勢を取っている。それでも市保健所の担当者は「マンパワーが足りず、疫学調査を翌日以降に繰り越すことが常態化している」と話す。

 大阪の厳しい現状。これを隣県から冷静に見ていたのが仁坂吉伸和歌山県知事だ。

 これはぜひ、原文を読んでいただきたい。

 一例を挙げると、和歌山の人と大阪の人が会食をしていて、和歌山の人の感染が確認されたので、当然その濃厚接触者ということで、大阪に通報をしました。我々は自分達がやっているように最寄りの保健所がすぐに飛んで行って、その人にPCR検査をして、感染しているかどうか確かめているだろうと思っていたら、その後、検査がされていないことが分かりました。仮にその人が発症していたら、あるいは無症状の感染者であったら、更に大勢の人にうつすことになります。こういう状態が続くと、いずれ感染爆発が起こるのは理論的に自明であります。私はこういう例を発見した時には大阪に通知して、偉そうにならない程度に、改善しないと危ないですよ、爆発に繋がりかねませんとアドバイスしていたのですが、中々改善に繋がらず残念でありました。現場が忙しすぎて、分かっていても対応できなかったのかもしれません。
 今や、大阪の感染の爆発により、和歌山にも火の粉がどんどん飛んできまして、和歌山の保健医療当局も大忙しであります。大阪の南部は元々3次救急が脆弱なので、最後の砦は和歌山市の大病院という形で駆け込んで来られることが常態化していたのですが、大阪の方は分かってもらえているでしょうか。最近は命に関わりかねない肺炎患者が大阪から救急車で運ばれてきたと思ったら、病院に入る際の抗原やPCR検査で陽性が判明し、直ちに和歌山のICUに準じる病床が一つ埋まってしまうことになりました。看護師を応援に派遣しているだけでなく、コロナの重篤患者までICUに受け入れているのです。(同様な例が複数あります)。しかも、後で分かったのは、この患者さんが入所している問題の福祉サービスで既にコロナ患者さんが出ていたということです。コロナ患者が出ていても接触した可能性のある人をもう調べられなくなっているということでしょうか。

 「都」になろうとした天下の大阪府が実は、南部の医療体制が脆弱で、救急患者の搬送先を和歌山市内の医療機関に頼っていたという。当たり前だが、和歌山県の方が量的には医療体制に限りがある。むしろ、和歌山側が大阪に頼りたいくらいだろう。ところが、実態は逆だったわけだ。

 そして、コロナ感染でもそれは同じで、大阪から搬送されてきた肺炎患者を病院で検査したら陽性で、数少ない和歌山市内のICUを埋めてしまう。

 では、和歌山県は大阪府からの看護師派遣要請を拒否したのかというと、それが逆なのだ。

 大阪府からは、ベッドがあっても看護師がいなくて稼働できないということで、看護師派遣SOSが来まして、和歌山県がいち早く2名の看護師さんを派遣することを決めたほか、関西を中心に全国からも応援が続き、さらには政府も自衛隊の医療チーム派遣を決めたと報じられています。実は、今回の要請は、ICUで勤務できるハイスキルの看護師という要請でありまして、他県もそうでしょうが、和歌山のような小さい県では、ほんの限られた人しかおらず、かつそれらの人が和歌山のICUに張り付いている状態ですから、下手をすると和歌山のICUを止めてしまうという事になりかねない困難な要請でした。ICUはコロナの重症者だけでなく、命が危ないような患者が最後に担ぎ込まれる所ですから、これが使えなくなると、コロナのみならず、他の病気や事故で命の危ない人を救えなくなってしまいます。しかし、一番困っているのは、今は大阪だから、人の道ということで、皆で協力し合って行ってもらうことにしました。

 全文を読めば分かるが、仁坂知事は吉村洋文大阪府知事のコロナ対応の取り組みを評価している。大阪へのいら立ちや怒りを抑えながら書いているのが分かる。

 大阪だけではない。東京も似たようなものだ。ドヤ顔で記者会見をする割には、やるべきことがやれていない。頭を下げられない。もちろん、そういうリーダーを有権者が選んだのだ。東京にはまだマンパワーが残っている。大阪はアップアップだろう。住民投票などやっている場合だったのか。ここは、しつこくメディアに追及していただきたい。

「(病床の)余裕があるようにしたい。その調整は、難しいところ。病院の協力をもらわないといけない」(名古屋市 河村たかし市長)

 この人も同じ。ネトウヨにあおられて、一番大事な時期にイデオロギーを優先させてしまった戦犯だ。まるで他人事のように力のないコメント。彼を選んだのも、有権者である。

「08年はダムによらない治水を住民が求めていると感じた。その後、極限までダムに頼らない治水を国に求めたが、莫大なお金と途方もない工期が必要ということがわかった。7月豪雨は1965年の(同地域での)豪雨をはるかに超える雨が一気に流域に流れ込んだ。治水事業が難しい球磨川流域の場合、すべての選択肢を考えないといけないのではないか、と私の中で変化が生じた」

 なんてことはない。ダムをつくらないことを宣言したのはいいが、ダムの代替案をまとめないまま11年間が過ぎてしまった。なんにもやってないんだもん、そりゃ、洪水になるわな(苦笑)

 蒲島郁夫熊本県知事は、思想として脱ダムだったわけではない。民意が怖かっただけだ。そういう意味では、今回の豪雨災害は絶好の〝転向〟の動機づけになったのではないか。こういう旧民主党崩れの政治家が自民党政治の延命をアシストしているのだ。

 「謝罪に来たはずなのに、いきなり大金を積まれた。私は言葉を失った」。五木村の早田吉臣村議の言葉からは、知事への怒りと不信感がにじんだ。
 知事は11月23日、村を訪れて方針転換を陳謝した上で、県五木村振興基金の10億円増額を表明した。その時の様子を振り返りながら、「愚弄[ぐろう]されたとの思いはなかったのか」と木下丈二村長に見解を問う早田村議。木下村長は「要求もしていないのに金額の提示があり、驚いた」。ただ「村の振興には県の支援が必要」とも強調した。

 で、結局、ダムに沈む地域には札束を高々と積まれて、よろしくって話になる。地方分権もへったくれもない。これが蒲島知事の恐れる民意である。疲弊した小規模自治体は飲むしかなくなる。治水対策という言葉のむなしいことや。

 井戸敏三兵庫県知事が退任を表明した。2001年6月に貝原俊民知事が任期途中で「震災時の知事としてけじめをつけたい」と突然退任。それを受けて、井戸知事が就任した。5期20年。長すぎる。

 関係者によると、議論はこの日も決着せず、最後は14人のメンバーが1人ずつ推したい人物の名前を挙げた。最終的に多かったのが金沢氏で、方針が決まったという。ただ、一部議員からは「議論を尽くしてほしい」との声もくすぶっている。

 自民党はあっさり副知事を推すことになりそう。井戸知事も副知事、貝原知事も副知事、その前も副知事。いやはや、兵庫県の伝統らしい。貝原さん以降は共産を除くオール与党体制だ。維新はどうするのだろうか。

 福島県沖で浮体式洋上風力発電の実現可能性を探る国の「福島浮体式洋上ウインドファーム(大型風力発電施設)」の実証研究で、所管する資源エネルギー庁が模索してきた民間事業者への引き継ぎを断念し、大型風車2基など関連設備を全て撤去する方針を固めたことが分かった。国は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に貢献しようと、約9年間で計約600億円の国費を投じていた。

 お役所がやるとこうなるという典型例。それにしても、こんな中途半端な風力発電、いったいどうしようと思ったのか。洋上にでっかい風車をオッ立てて、やってる感を見せたかったのかもしれない。

 一方で、こんな記事も出てきた。

町によると、2024~25年度の運転開始を見込んでおり、年間発電量は一般家庭約3万世帯分に相当するという。風車を備えた発電設備をいわき市と広野町に数十基建設する計画で、うち3基が広野町に設置されることが決まっている。

 先月の記事だが、民間の「コスモエコパワー」が陸上で風力発電に乗り出すという。売電収入の一部は福島第一原発周辺市町村の復興支援事業に充てられるということで、国営風力発電より役に立っているようだ。

 大山氏は、市秘書課から「市長は2月からの10カ月間、1日も休んでいない」と聞かされて「驚いた」とする一方、「市民の受け止めはかなり違う。市長の顔が見えないとの声を多く聞く」と指摘。市長の行動記録に「コロナ諸対応」とだけ記載された日が土日を中心に83日間あったとし、実際の公務内容をただした。
 これに対し、市長は「市庁舎や市長公舎、移動中の車内などで、副市長らとの電話により感染者数や医療体制の状況などの報告を受けている」と説明。具体的な指示を出し、さまざまな関係者と情報交換も行っているなどと反論した。

 林市政もいよいよ末期的症状。これもまた、有権者が選んだ市長である。

大草原…(笑)

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