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【自治トピックス】No.35

 東京五輪の閉会式をNHKの中継で観ていたら、バッハIOC会長の長い、長い、長い話の途中に台風情報に切り替わった。素晴らしいタイミングだった。東京五輪などというスポーツ全体主義に翻弄され、少々嫌になっていたが、これだけで五輪を招致して良かったと思える。高い受信料が役に立った。彼の話は長い。その上、空虚で日本人の心情を理解できていない。まさにアスリート貴族の最高峰である。コロナ禍という未曽有の災害の中でIOCは日本を〝不沈空母〟としてフルに利用し、見事に大会を成功させたのである。莫大な放映権料を得て、笑いが止まらないだろう。日本の気高きアスリートたちは、IOCで権力を奪取すべきだ。コロナ禍で国民の健康と命を犠牲にして捧げられた屈辱的なオリンピックは、情弱で世間を知らない欧米のアスリート貴族たちが押し付けてきたものだ。二度と繰り返してはならぬ。半世紀先の人類のために、彼らからオリンピックを取り戻そう。

 写真撮影の人気スポット、五輪モニュメント周辺は交通規制が敷かれたが、JR千駄ケ谷駅から競技場方向へ向かう人の流れは途絶えず、警察官が「立ち止まらないようにお願いします」と呼び掛けていた。
 歩道はカメラを構えた人らで密状態になり、缶ビールを飲みながら談笑する若者の姿も。式典開始直後、競技場から花火が打ち上がると「おーっ」と歓声が上がった。

 こんなことなら有観客で、と思うかもしれないが、この連中は有観客でも結局、チケットは手に入らず、こうして国立競技場の周りを囲んだことだろう。コロナ禍であろうがなかろうが、スポーツ全体主義を無邪気に受け入れて、盛り上がれる幸せ者たちの集団だ。

 さらに笑えるのは。

一方、少し離れた秩父宮ラグビー場周辺には大会に反対する人が集まり、「オリンピックはいらない」などと抗議。その様子を見て「きょうで終わるのに」とつぶやく人もいた。

 そのバカ騒ぎにわざわざ付き合うサヨクがいるということである。

 東京オリンピック最終日の8日、陸上の男子マラソンが札幌市の大通公園を発着点とする周回コースで行われ、一部の沿道では幾重にもなる人垣ができ、密集状態になった。大会組織委員会は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために観戦自粛を呼びかけたが、5日から始まった札幌市での競歩とマラソンでは「密」を避けられなかった。

 男子マラソンが行われた8月8日、北海道のコロナ感染者数は2日連続の300人超。そのうち札幌市は195人に及ぶ。その感染拡大の真っただ中で沿道の力強い声援(笑)を受けて、ランナーは走った。果たして群衆の何割が道産子なのだろうか。

 ここまでくると、もう笑ってしまうしかない。コロナを恐れぬ不屈の日本人である。

 テレビ朝日は10日、東京五輪の番組スタッフ10人が「打ち上げ」と称し、閉会式のあった8日夜から9日未明に飲酒を伴う宴会を開き、社員1人が誤って店外に転落して緊急搬送されたと発表した。
 警視庁によると、この社員は20代女性で、東京・渋谷のカラオケ店の2階窓から転落、左足の骨を折るなどの重傷という。9日午前4時ごろ、「人が落ちてきた」と目撃者が110番した。
 テレ朝広報部によると、10人はスポーツ局の社員6人と社外スタッフ4人。この社員が退席しようとした際に誤って転落した。入院中で詳しい経緯などは調査中という。

 それにしても、このご時世に深夜に大人数が宴会を開いたら、大問題になることくらい誰も意識しなかったのだろうか。たまたまテレビ朝日が見つかったが、テレ朝だけがこういうことを考えるとも思えない。他の報道各社でも〝打ち上げ〟が行われたのではないか。

 こういうテレビ局が朝のワイドショーで、ドヤ顔で説教しているのだから喜劇でしかない。

 そして、喜劇にはオチが不可欠である。

 丸川珠代五輪相は3日の閣議後の記者会見で、東京五輪開催が新型コロナウイルスの感染急拡大に与えた影響について、「オリンピックが人流抑制、ステイホームに一役買っているということが言えるのではないか」と述べ、五輪が人出の減少に貢献しているとの見解を示した。

 丸川大臣もテレ朝のご出身だった。この発言は3日の時点だが、現在でも五輪が人流の抑制につながったと本気で思っているのだろうか。おそらく本心では「あたし、おかしなこと言わされてるなあ」と思いながら記者会見や国会審議に臨んでおられることと思う。

 そして、アスリート貴族の最高峰、バッハIOC会長が銀座にお出ましになったという報道。

 「(新型コロナウイルス感染を防ぐ)バブルを作る気も、守る気もなかったのではないか」。同日夕、銀座でバッハ氏らしき人物の写真を撮影し、投稿した50代女性は本紙の取材に語気を強めた。
 女性によると、ブランド店が並ぶ通りを、警護や大会スタッフのユニホームを着た人を引き連れて歩いていたという。女性は「選手や大会関係者のルール破りが横行しても、IOCの対処の甘さが不思議でならなかった。会長自身が観光や買い物を楽しみかったからなのかと、ふに落ちた」とあきれた。
 同じくこの光景を目撃した30代女性も「バブル崩壊なのでは?と思った。アスリートは観光禁止なのに…」と取材に答えた。

 当然である。バッハ会長はアスリート貴族であり、IOC会長という特権階級なのである。オリンピックとはすなわち、彼らをぼろ儲けさせ、開催都市がそのおこぼれを預かるために行われる。彼にはいかなるルールも適用できない。彼自身がルールなのであり、五輪そのものなのである。

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は8日のIOC総会で、五輪運動の発展に寄与したことをたたえる「五輪オーダー」(功労章)で最高の金章を、特例で菅義偉首相と東京都の小池百合子知事に授与すると明らかにした。通例では五輪の組織委員会会長のみが受章するという。

 そして、この霊験あらたかな特権階級たるIOC会長は、驚くべきことに、コロナ感染拡大の二大戦犯でもある菅首相と小池知事に功労賞を与えようというのである。おそらく2人がぶれていたら、無事に東京五輪は開催できなかったであろう。1日に何千人、何万人の感染者が出ようが、ワクチン接種が遅れようが、デルタ株が9割に達しようが、医療崩壊が始まろうが、ぶれずに五輪開催を貫いてきた。日本人の健康と命を二の次とし、救急車の受け入れ先がなくなったとしても、微動だにせず、ただひたすら五輪の成功に注力した。確かに、IOCにとっては功労者であろう。

 日本はIOCの植民地なのだ。コロナという空爆から微動だにしない〝不沈空母〟として、東京五輪を成功に導いたのが菅首相と小池知事である。

 「耳障りのいいこと」を聞かせる政治家に対しては、「耳が痛い」不都合な真実を語り続ける政治家はなかなか勝ち目がない、という悲しい現実があり、「ポピュリスト」はそういった意味で、かなりの魔力を持った存在なわけですが、一方で「大きな弱み」も持っています。それは、「人気者」になるために自分を見失いがちであるということです。

 金メダルにかじりついた河村たかし。イソジンがコロナに効くと大発表した吉村洋文。とてもよく似ている。

 居心地が悪くなると、逆転ホームランを打とうとするのも同じ。吉村知事のイソジン会見と、河村市長のリコール運動。どちらも結局、市民がソッポ向いてしまった。

 問題は、そういうポカをやったとしても、選挙では選んでしまう市民の弱さなのだ。全体主義は平凡な市民が支えている。金メダルをかじった河村たかしも、選挙では勝ってしまうだろうし、依然として市民から高い支持を得ているのだと思う。

 政府が7月末の完了目標を掲げていた新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種で、読売新聞が道府県庁所在市と政令市、東京23区の計74自治体に同月末時点の接種状況を尋ねたところ、11自治体が「未完了」と回答した。ただ、「完了」の定義は自治体によって異なっており、11自治体でも2回目の接種率は平均で約70%となっている。
 読売新聞の今回の調査では、完了の定義は「希望者全員が2回接種」(東京都荒川区)、「希望者が少なくとも1回接種」(前橋市)など、自治体により異なっていた。未完了と答えたのは、東京都豊島、板橋両区と、札幌、富山、甲府、京都、鳥取、松江、長崎、熊本、那覇の9市。主な理由として、国からのワクチン供給量が減ったことを挙げた。

 定義の異なる「完了」をたくさん並べてみたところで意味がないと思う。それより、希望の有無とは関係なく高齢者人口の何割の接種が終わったのかをありのまま数字で出せばいいのではないか。それにしても、ワクチン供給量が減ったとはいえ、65歳未満の接種が遅れるのは分かるが、高齢者の接種が遅れる理由にはならないと思うが。

 だが翌31日、知事は59歳の誕生日を迎え、妻と2人でレストランへ。本人のツイッターに「今夜はミシュラン星のお店で家内とお誕生日会です」と投稿した。個室を利用し、「マスク会食」だったという。

 3日の会見で知事は「自宅の延長のつもりだった」などと釈明。「県民の皆さんに混乱を与えたということについては申し訳なく思っていて、謝罪を申し上げます」と述べた。

 ミシュラン星のお店が「自宅の延長」だというから、福井県知事の生活レベルは貴族並なのだろうか。しかもTwitterで無邪気に紹介しちゃうのだから、ある意味、悪意はなかったのかもしれない。

 正直、このくらいの感染防止を意識した会食くらい、いいんでないの?と思う。夫婦で二人きり、個室で誕生日会、私は感染リスクが大きいとは思わないが。しかし、言い訳が酷い。

県は感染対策として、子どもらの夏休み期間にあたる7月19日~8月31日、仕事などを除き原則、県外との往来を自粛するよう県民に要請している。佐藤町長によると、7月25日、町民11人とともに竹田市のゴルフ場に出かけ、4人ずつ3組に分かれてプレーした。夜には町内に戻り、12人のうち町長ら8人が約1時間半、飲酒を伴う会食に参加したという。

 これも言行不一致の問題だが、ゴルフ自体さほどリスクの高いスポーツだとは思わない。むしろ、ゴルフ終了後、地元に戻って、町長を含めた8人で飲酒を伴う会食に参加したことのほうが気になる。

 神奈川県内で新型コロナウイルス感染が急拡大している事態を受け、藤沢市の鈴木恒夫市長は9日の県新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、市内3海水浴場(片瀬西浜・鵠沼、片瀬東浜、辻堂)を開設する各組合に対し、県と共に休場を要請していることを明らかにした。

 関係者によると、各組合は、感染防止へ向け人流を抑制するためには、シーズン途中での開場中断が不可避と判断し、近く休場する方向で調整を進めているという。

 ようやく神奈川県と藤沢市が動いてくれた。片瀬東浜と辻堂はともかくとして、片瀬西浜に関しては報道でもあったように、ルールに違反した飲酒提供や従業員・客のノーマスク、海の家周辺での若者のバカ騒ぎ、酷いものだった。今すぐでも休場していただきたいが、まだ正式な発表が聞こえてこない。自治体から要請する前に、自ら休場を決めてほしかった。

 2年半前に就任したばかりの小園拓志町長(43)は、「昔から移住者が多く、人口の半分は移住者です」と言う。そもそも別荘地・観光の中心として栄えてきた軽井沢町とは異なり、小諸市や佐久市など周辺市とともに「暮らし・生活圏」として地味に展開する「みよた」が、移住圏として、じわり注目されつつある。

 実は、小園町長自身、3年前に北海道から移住して、その半年後には当選してしまった「よそもの町長」だ。しかし、今ではすっかり町になじんで、昨年9月にスタートしたふるさと納税サイト「みよたんクエスト」を自ら発案。移住者ばかり3人のスタッフとチームを組んで 、納税額を前年の倍の2億円に増やした その実績を足場に、ふるさと納税のシステムや「寄付文化」を拡大するために全国自治体との連携を模索するなど、新しい風が吹き始めている。

 軽井沢町の隣にある御代田町は、人口の半分が移住者で、町長も移住者という。軽井沢町を抜いて、長野県では移住ナンバー1だ。私自身も東京から湘南にプチ移住した一人だが、コロナ禍では東京から離れた場所に住んだことを幸運に思った。とはいえ、藤沢市は40万人都市ということで、御代田町のようなこじんまりとした自治体と同じようにはいかない。

 これから、こういう小さな自治体の小さなコミュニティーが住民の多幸感を満たしていくのではないか。そんなことを感じる記事。

 鈴木英敬三重県知事(46)は5日の定例記者会見で、次期衆院選三重4区に自民党公認で立候補するため、来月12日付で辞職すると表明した。「各方面から出馬の要請を受けて決意した」と説明。任期半ばでの辞職には「申し訳なく思う」と陳謝しつつ「地方や現場の経験を国政で生かしたい」と語った。後継指名は否定する一方で「行政を経験した人が良い。意中の人はいる」と語った。

 発信力のある自治体の首長が国政に転ずるのは残念としか言いようがない。政府や霞が関がぶっ壊れている時代、地方こそ国力を支え、発展させるカギを握っている。若いならなおさら。自民党の衆院議員なんて、何百人のうちの1人にしかなれない。いいことないと思うけどね。

 立憲民主党から次期衆院選北海道6区への出馬を表明している旭川市の西川将人市長(52)は10日、今月31日付で辞職する届け出を市議会議長に提出した。市役所で取材に応じた西川氏は「多くの職員や市民に助けられ、仕事を進めることができた。感謝を申し上げたい」とした上で、「次期衆院選に向けて準備を進めて参りたい」と力を込めた。

 やはり発信力のある首長の国政転身。4期目なので、この辺が潮時なのかもしれない。

 立憲民主党は10日、次期衆院選に出馬する現職の辞職に伴う三重県知事選(9月12日投開票)で、元国土交通省自動車局長で新人の一見勝之氏(58)を推薦することを決めた。また、任期満了に伴う神戸市長選(10月24日投開票)で、3選を目指す現職の久元喜造市長(67)を推薦することも決めた。

 これが立憲民主党の地方組織の現実。旧民主党の延長でしかない。

 戸籍上や住民票では男性だが性同一性障害と診断され、女性として生活している松江市の市民団体代表上田地優さん(63)が10日、男性と記載されたマイナンバーカードの性別表記を女性に変えるよう求め、島根県に審査請求した。

 上田さんは県の担当者に審査請求書を手渡した後、取材に応じ「性同一性障害の人は自認の性を表記すべきだ」と語った。運転免許証に性別欄がないことを挙げ、同様に性別欄を削除することも解決策の一つとの認識を示した。

 マイナンバーカードに性別欄なんてあったっけ?と思って、自分のカードを確認したら、目隠しケースで性別が隠れていた。性別を隠す意味ってあるのかと疑問に思ったが、おそらく性同一性障害などで性別を隠したい人向けなのだろう。

 だったら、消しちゃえばいいのに?(苦笑)

 公的証明書に性別が必要な理由ってあるのだろうか。個人番号が入っているのだから、ごまかしようがないはず。性別欄がなくて困ることって何だろうか。

 札幌市議会の議長席を約9時間占拠し議事を空転させたとして、除名処分を受けた元市議松浦忠氏(81)が、議会に処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(木沢克之裁判長)は松浦氏の上告を受理しない決定をした。5日付。松浦氏の請求を認めた一審札幌地裁判決を取り消し、逆転敗訴とした二審札幌高裁判決が確定した。

 正直言って、議員の除名処分は濫用すべきではないと思う。

 松浦氏は改選後の臨時議長の立場にもかかわらず、議長の立候補制にこだわり、議事の進行を妨げたのは事実。「臨時議長」は本会議を開く以上の役割を担うことはできない。それを許してしまったら、なんでもありになってしまい、まさに独裁議長が成立してしまうからだ。各会派が話し合いで議会のルールを決めて、それに則って議長を選出する。選出された議長が立候補制を主張するのは自由だが、それとて各会派の意見を聞いて決めなければならない。いずれにせよ、臨時議長という立場自体、一切の政治性は与えるべきではない。

 しかしね。

 「除名」という決定は軽々しく使うものではない。


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