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シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い挨拶(千鳥ヶ淵にて)

 戦後75年、スターリン指令から75年が経ちました。
 シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集いの開催に当たり、祖国や家族を思い、シベリアやモンゴルで亡くなられた強制抑留者の方々に謹んで哀悼の誠を捧げます。この間の関係者各位のお取り組みにも心より感謝申し上げます。

 シベリア・モンゴルでお亡くなりになった抑留者は5万5000人。うち、約2万2000人余りしか、ご遺骨がご帰国されていません。
 しかも、鑑定されご遺族に戻ったのは1000人余りにすぎません。
 遺骨収集やDNA鑑定をさらに加速させなければなりません。
 
 さらに約600人のご遺骨が日本人のものでない可能性があり、その事実を政府が公表せず、ロシア側にも伝えていなかった、ということが発覚いたしました。大変、恥ずべきことでございます。

 今日は、厚生労働省もおられますので、遺骨収集の徹底した改善とDNA鑑定の大幅拡充を改めて強く要請いたします。
 
 また、現地の抑留者の埋葬地は判明しているだけでも230箇所ありますが、荒廃しているところが数多くあります。「せめて墓標を立ててほしい」というご遺族の要望を実現するよう私たちも取り組んで参ります。政府も努力していただきたい。

 現地に行かれた方からは、ドイツ人の墓地は十字架が整然と並んで綺麗に管理されていのに比べて差がありすぎる、という声も聞いております。

 先月は、ガルージン駐日ロシア大使と面談し、抑留者に関わる様々な懸案を解決するため、1991年調印され30年経過した「日ソ捕虜・収容所協定」の改訂についての検討を要請してまいりました。
 
 戦後75年、戦争を知らない世代が大半を占める中、戦争の、美化されていない実際の姿や、戦争の貴重過ぎる教訓を確実に、次世代に受け継いで行かなければなりません。私たち政治家はその責務を自覚して取り組んで参ります。

 最後になりますが、ここ千鳥ヶ淵で眠っておられる皆様のご冥福を心よりお祈りし、またご遺族の皆様、ご参列の皆様のご健勝とご多幸を願って、追悼の言葉とさせていただきます。

令和2年8月23日 

立憲民主党 代表代行 衆議院議員 長妻昭

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