見出し画像

行く末(4) - 番外編(「男がつらい社会」、日本は本当にこれでいいのか)

 タイムリーな記事を見つけたので、今回はそれを紹介したい。

「男がつらい社会」、日本は本当にこれでいいのか
東洋経済ONLINEに掲載された、木村隆志の記事だ。

 世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数報告書」で、日本は146カ国中125位となったことを上げ、男女格差を減らすには、むしろ男性の意識が変わらなければならないよね、という話だ。

 ちなみに、125位というのは、116位だった去年よりも大幅にランクダウンしており、つまり日本は後退している、とも言える。

 「政治」「経済」「教育」「健康」の4分野での男女平等な状態を100%とした達成率を「ジェンダーギャップ指数」として公表しており、日本は「政治」「経済」の数値が極端に低いことが、その原因だという。
 それ以外の2つは、実は高い達成率を達成している。
 つまり、端的に言えば政治経済の世界では依然として男が威張っている、ということだ。

近年、強制的に政治・経済などの分野で女性の比率を上げるクオータ制の是非が議論され、すでに実施している国が過半数とも言われています。ただ、このような議論のとき必ずあがるのが、前述したような「性別ではなく能力で選ばれるべき」「無理やり女性の割合を上げて政治・経済がよくなるとは思えない」という反発の声。今回のジェンダーギャップ指数でも、このような能力主義を掲げるような声が目立っていました。 

同記事より引用

 こういう話をすると、必ず出てくる「性別ではなく能力で選ばれるべき」「無理やり女性の割合を上げて政治・経済がよくなるとは思えない」という反発の声。うんうん、と一瞬納得してしまいがち。

 でも待って、ちょっと立ち止まって考えてみようよ。そういうそこのあなた、あなたは男性だ、というだけでそもそも有利な立場にいたのではありませんか?
 日本社会で、男性だと言うだけでどれほど「おいしい」思いをしてきたか、ということをまず自覚する必要がある。

 そして、それが実は、有利に働く面だけではなく、男性とういだけで高い下駄を履かされた挙げ句、組織の歯車として使い捨てにされてきたという事実を噛みしめる必要があるということに気付くべきだ。
 木村は記事の中でこう続ける。

過度な労働時間やプレッシャー、生産性の低い業務や古い習慣、内外のクレームやハラスメントなどを受け入れざるを得ず、プライベートの時間がなかなか取れない。職場でも家庭でも孤立しやすく、「立場を失ったとき、自分には何も残っていなかった」「気づいたら体を壊してしまっていた」などの悲しいケースも少なくありません。

同記事より引用

 会社という組織だけに頼らない人生の組み立て方を探りたい。多様性が叫ばれる中でなぜ、男性だけが旧来の生き方からリセットできないのか、それを問いかけていくのが、僕が一連の原稿を地味にアップしていることの趣旨だ。
 オルタナティブな生き方の例として、僕個人の例はまるで参考にはならないかも知れない。が、会社員でありつつも魂をそこに置かない生き方をしてきた人間だって幸せに生きていくことができるんだよ、というのを示すことで、生き辛さを抱えている40代、50代の男性の気持ちが少しでも楽になればいいと心の底から願っているのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?