パートナー探しxM&A:相手ありきの大原則
パートナー探しもM&Aも、結局のところ「マッチング」です。会社を売りたい/買いたい。あるいは自分と誰かが結ばれたいということですね。
それ以外の家探しも職探しも同じです。あらゆるマッチングには相手方が存在し、双方が合意して初めて成立するものです。
でも、こんな当たり前のことがM&Aの世界でも意外と忘れられがちなのです。
「万年赤字のグループ会社を1日でも早く売却して手放したい」
「あの事業部が持つテクノロジーはもう時代遅れなので、持っていても仕方がないからどうにかして欲しい」
といった相談もありますが、そのような会社や事業部、誰が欲しがるのでしょうか。相手のニーズを考えず、一方的なニーズだけを考えていては、受け入れ先は見つからないでしょう。
「インドで消費者向けの販売網を確立している会社が欲しいんだ」
「うちの経営方針の通りに動いてくれる若手エンジニアが100人以上いる会社はないか」
といった相談もありますが、そんな素敵な会社がわざわざ誰かに身売りをする必要があるのでしょうか?
最初は一方的な願望からスタートして全く問題ないのですが、相手から合意を得るためには、こちらの要求だけを伝えるのではなく、動き方を変えないといけません。例えば、難しい状況にある会社を買ってもらうなら価格で譲歩するとか、足元売却する必要性に迫られていない会社を買いたいなら、自社に買われるとどんなメリットがありどんな素敵な未来が待っているかをストーリーとファクトで情熱的かつ冷静に語るとか。
このように現実を直視した上で、相手方の状況や思惑を想像し、自社だけでなく相手企業にとっても旨味のある構図を描く。ここをスピーディーに動かせる会社はM&Aも前に進みますが、いつまでも自社都合の夢物語を追い続ける会社は、時間だけが経過してM&Aは成立しません。
パートナー探しも似ています。
「私はxxxな人が好きだ」
「相手はxxxが必須条件だ」
「私が信じて待ち続けていれば、必ずxxxな相手が現れるはずだ」
と言い続けたとしても、まずそういう人が婚活市場にいるのか?そしてその人があなたを選ぶ理由は何か?まで考えていないと、なかなか結果は出ません。
若かりし頃の恋愛では、友人がスパイ?として暗躍してくれて、気になる相手にパートナーがいるのか、その人はどういう人がタイプなのかなどを調べて、巧みに援護射撃してくれた思い出もあるのではないでしょうか。あれは、実は極めて有効なアプローチだったと言えそうです。
しかし、共通の友達や共通のコミュニティ起点ではなく、マッチングアプリや結婚相談所などいきなり1対1ではじめるパートナー探しにおいては、共通の知り合いからのナイスパスには期待できません。その結果「相手あってのマッチング」の視点がどうしても希薄になりがちです。
・気になるお相手がいるなら、そのお相手は今どういう状況にあるのか?
・自分が求めるタイプの異性は、婚活市場に存在するのか?
・存在したとして、その人が自分を選ぶ理由は何なのか?
こうしたことにもしっかりと目を向けて、「マッチングは相手ありき」の原則を時々思い出しながら、実のあるパートナー探しを進めていきたいですね!
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