曲目解説 : きみは花のようだ Du bist wie eine Blume
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今回は、ロベルト・シューマン作曲 作品25 歌曲集《ミルテの花》の24曲目
”あなたは一輪の花のよう"
をご紹介します。
ロベルト・シューマン(1810年~1856年)は、この歌曲集を「歌曲の年」と呼ばれている1840年に作曲し、結婚式の前日に新婦クララ・ヴィーク(1819年〜1896年)へ捧げています。
詩は、ハインリヒ・ハイネ(1797年12月〜1856年)の『歌の本』第4部『帰郷 Die Heimkehr』に納められています。シューマンは、この詩集から『詩人の恋』『リーダークライス(作品24)』などの多くの歌曲を作曲しているほか、メンデルスゾーン作曲「歌の翼に」の詩も、この詩集から選ばれています。
子供の頃からピアニストとして有名だったクララとの結婚には、クララの父親が強く反対し、結婚に至るには法廷での争いも含め、5年もの歳月を要したそう。それでもようやく、1840年9月に二人は結婚しました。この曲にも、遂に愛するクララと結婚できるロベルトの喜びが表現されています。
詩を見てみましょう。
「Wehmut(切ない想い、物悲しさ)」という言葉へ向けてピアノ伴奏とともに気持ちが高まっていきますが、「schleicht(忍び込んでくる)」のハーモニーを聴くと、その愛の痛みがむしろシューマンにとっては幸せなものであり、愛することで、彼の心が満ちて穏やかになっていくように感じます。
「手をきみの頭上に」というのは、教会で洗礼を受けているかのように、花のようなその人を祝福したい気持ち、その純粋さに神聖さまでも感じたのかもしれません。
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