「自社株買い」のメリット

自社株買いとは、市場の時価で自社の株式を買い戻すことを指す。非上場企業の場合は特定の株主から買い戻しが行われる。自ら株式を購入することで発行済株式数が減少し、株価は高くなる、買い戻した株式を無効化するかどうかは企業側の判断に任されており、保管した後に目的に応じて売却することも可能だ。

自社株買いを行うと、ROE(自己資本利益率)が改善する。ROEは自己資本に対してどの程度の収益を上げたかを示すため、高いほど自己資本を有効活用できていることとなる。ROEは当社純利益÷自己資本で表される。株式を購入することで自己資本は減少するので、結果的にROEを向上させることができる。

PER(株価収益率)も改善する。PERは株価が割安かどうかを示し、割安だと判断された場合、その株式の需要が向上する。PERは株価÷1株当たりの純利益で表される。株式を購入するため発行済株数は減少し、1株当たりの純利益は増加するため、PERは低下する。すなわち株価は割安と判断され、株式はより買われることとなる。

自社株買いは、敵対的買収を防ぐ手段にもなる。敵対的買収とは、経営者同士が同意をしないまま一方的に行われる買収のことだ。対象会社の同意を得ずに50%以上の株式を取得すると、敵対的買収となる。S

また、ストックオプションとしても活用できる。自社の株式を「金庫株」として保管した場合、それをストックオプションとして活用できる。ストックオプションとは、あらかじめ決められた価格で企業の役員・従業員が自社株を購入できる権利のことで、自社の従業員に向けたモチベーション対策に使用される。


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