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都会のクルマ問題と地方のクルマ問題

古賀章成です。自動車開発テストドライバーという仕事をしています。2019
年から3年間、東京を中心に神奈川・千葉・埼玉あたりのいわゆる「都会のペーパードライバー問題」に取り組んでいました。これに関してはコロナ禍に伴う方針変更などあったものの、

体格に合わせた座り方をオーダーメイドで。これが仕上がりの9割を決める。

結果的には完全なパーソナルトレーニングでひとりひとりの生活やライフスタイルの向上や実現にコミットする、みたいな形で一つの完成形が見えた感触がありました。

同時期に、西日本にお取り引きというか練習や議論の依頼が増えてくる流れがあったため、今は実家があり且つ、名古屋、大阪、広島、福岡あたりまでは新幹線でカバーできる位置に拠点を置きつつ、ガチの地方の典型みたいな三重県という土地のカーライフの研究を、地元のレンタカー屋さんに籍を置かせてもらいながら実際に自分でも業務もするし、人材育成もするし、行雨効率改善のマニュアル作りみたいなことをしています。


MAZDA R&D横浜 にて撮影の様子

いつも通り前置きが長いのは許してほしいんですが、この前置きがないとこの後話す意味の重さが効いてこないのでいつも喋るんで、めんどくさい人は読み飛ばして構わないですが、タイトルの通り、

都会のペーパードライバー事情と、地方のペーパードライバー事情はまるで違う

というのが、この半年間で強烈にわかってきました。というか、これは本当に難しい話なんですが、本当に交通インフラが弱体化している地方にはペーパードライバーって生まれにくいんですが(クルマないと通勤や買い出しにすらいけないから)、その次のステップでクルマを手にする動機が、「移動するための何か」でしかない。一方都会のペーパードライバーは、徒歩や交通機関や自転車で行ける範囲内に生活の基盤はあって、そのさらに外側に出ていくため(有意義な無駄)の手段として、クルマを捉えている。

この差は本当に大きくて、だから今何をどうすればいいのかわからないのだけれど、

仮に、自動車のコモディティー化(なんでもいいから移動できればおk)が歓迎される未来が来るとしたら、それはもしかしたら今想定されている、TOKYO、新宿六本木渋谷、首都高C1、丸の内、みたいな世界ではなくて、

三重県や愛知県の奥の方の、介護や介助が必要な地域における定期循環パーソナル型バス(モビリティ)が先行するんじゃないだろうか、と、思っている。

今、レンタカーの配送スタッフのレベルが急激に上昇している。これ、介護のヘルパーの資格も同時にとって移動させてあげられるスタッフが増えたら、業界は一変するんじゃないだろうかと思っている。もちろん、日々運転の訓練をしている上質な運転を叩き込まれているフィジカルも万全なスタッフが。


三重県のレンタカー会社 スパイラルネット の新拠点@鈴鹿

一方で、都会のペーパードライバーは、自己実現のためにどんどん自分に似合うクルマを纏えばいい。質問があれば僕に聞いてくれたらいい。何度かぼくに聞くうちに、周りにいる有識者と話ができるようになるだろう。それでいい。クルマごとき、乗れないと思い込んでチャンスロスしている場合ではない。あなたがクルマという武器を手にしてフルパワーでお仕事した3年後を想像してみてほしい

何も国内だけじゃない。ぼくのお客さんは、もう何組も海外に出かけて行って、現地でクルマで移動してなかなか素敵な出会いをしていると知らせてくれる。

タイトルでは都会と地方で分けるような書き方をしたけれど、結局のところ、クルマの運転って当たり前のように誰もがしていることだけど、その使い手の人生によっては、強烈な武器になる。もしかしたら相手がクルマのファンだったら、もうラッキー以外の何者でもない。「クルマが好き」ってのは、「乗馬が好き」っていうのと同じくらい、地域によっては品がある趣味としてみてもらえるから、損はない。

まぁ、ごめん、損とか特とかでクルマの運転を促すのはイケてないのは分かってるんだけど、実際、そういうところはあるよって話。

まぁ、都会で悩むにしろ、地方で悩むにしろ、やってみませんか?って話。なり。

自動車開発テストドライバー
古賀章成


古賀章成です。自動車開発テストドライバーという仕事をしています。主に、運転を苦手だと感じている人に、安心してもらえるような・自信をつけて楽しんでもらえるような練習の仕方やクルマの在り方を研究・開発しています。頂戴したサポート費は、テストや開発の経費として活用させていただきます。