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【WEEK7】最も記憶に残る唯一無二の体験はなにか?-スリランカアーユルヴェーダホテル運営滞在記-

「感動」というのは、ふとした時に訪れるものである。

でも「感動する」という結果に至るまでに、ある程度の設計はできるものでもあると思っている。

これまで結婚式や節目となるお祝いのプロデュースをしてきた私にとって、感情がどう動くか?を観察して、イメージして、イベントの流れやコンテンツや場をデザインしていく「感情設計」は得意領域だった。

でも無形の瞬間(その日限りのイベントや刹那的な景色)で起こる感動と、場があることでそこで生まれる感動は、またちょっと違う。

10月に入って、Tagiru.オーナーの修司くんと何度も議論してきたこと。

「ここTagiru.で過ごす中で、何が唯一無二の体験になるか?何がゲストにとって最も記憶に残るシーンになるか?」

それは施設、サービス、人、時間、流れている空気など、いろんな要素がある。

よかった体験、じゃなくて、感動の体験。
いい思い出、じゃなくて、最高の思い出。
素敵な場所、じゃなくて、また来たい場所。
よい記憶、じゃなくて、絶対に忘れない記憶。

そうやって、「唯一無二の、記憶に残る時間はどうやって生まれるか?」という問いについて、この2ヶ月半の期間で一番話したと思う。

ちなみに私が今年3月にTagiru.で初のアーユルヴェーダパンチャカルマで3週間滞在した時、帰国後のアンケートで私が回答したのはこんなことだった。

・医療としてのアーユルヴェーダの在り方を体感できたこと(全ては繋がっている、個性を捉える医学)
・1日4回のトリートメント(単純計算でも約80回!カラダも頭も心もほぐれた!)
・スタッフみんなが笑顔で楽しそうに仕事をしている姿
・毎日、毎食工夫された料理(3週間飽きることなく食べられました!)
・風が抜ける建築、狭さを感じさせない居心地の良い間取り、部屋からの借景(パンチャカルマ中、外に出たいと1度も思わなかったし、ストレスにも感じなかった)

当時のアンケート回答まま

ゲストそれぞれもちろん違うからこそ、要素を出したり、スタッフからヒアリングしたり、ヨーロッパゲストと日本人ゲストの違いを整理したり、今だけでなく、これからに向けてのディスカッションに一番時間をかけた。それがとても楽しかった。

「感情」と「感動」を私なりに定義したり、ゲストがこのホテルを知るところから、予約をして、訪れて、滞在して、帰国したその先まで想像して、感情デザインをしてみたりもした。

"アーユルヴェーダ"というのは、一つの切り口、タッチポイントであって、それがこのホテルの全てではない。

「アーユルヴェーダを通して、どこに向かうのか?」

それを哲学して、あらゆる要素をトライ&エラーしながら、探求していく。答えがないから面白い。

長期滞在型ホテルの可能性。
アーユルヴェーダのその先。

そんなことをずっと考えていた10月中旬だった。

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