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私は今もまだ小さな自分の世界から抜け出せずにいる。

「あぁ、わたしまた同じこと繰り返してるわ・・・・。」
そんな気持ちに苛まれて、自分のことが嫌になる。
日本から遠く離れた場所にいるのに、目の前の景色は全くの非日常なのに、それでも私はまだいつもの自分から抜け出せずにいるのだ。
March.5 2023  India, Rishikesh

これはちょうど2ヶ月前の日記の一文。

あまりにも濃密すぎた旅のアウトプットが全く進まず、言葉にすることへの違和感から抜け出せず、自分の中で消化不良が起き始めている。これはまずいなという感覚で、ひとまずnoteに下書きに残していたものをそのまま出してみることにした。

これはその一つ。2ヶ月前のインドでの朝のこと。

時に予定していたフライトを当日破棄してでも行きたい場所が現れるのが一人旅。南インドで3週間を過ごし、そのままスリランカに移動する予定だったのを急遽北インドまで足を伸ばすことにした。

行き先は、ガンジス川の上流ヨガの聖地と呼ばれるリシケシュ。
南インドのコチを出発したのは朝8時。一気にネパールの国境沿いまで北上するのでフライト経由しつつ10時間以上の大移動。空港から乗ったタクシーの運転手と一悶着しながら(すでに交渉済みだったのに途中でやっぱりエキストラマネーを払ってもらわないと向こう岸までは行けないと言われ、やいのやいのした)やっとの思いで宿に着いた頃にはもう日が暮れていた。

そんなリシケシュで迎えた最初の朝のこと。

私は海外一人旅の時、大半はドミトリーに宿泊する。安いのはもちろん、いろんな国から訪れている旅する人たちと出会えることも楽しみの一つだからだ。でもドミトリーの過ごし方にも国民性が出るもので、何十ヵ国も旅してきた私でさえも今だに最初は気を使ってしまう。

チェックインの時に、「山頂にある寺院まで登って朝日を見るツアーがあるから行きたかったら、明朝5時前にロビーに降りてきてね!」と声をかけてもらい、「もちろん!」と思ってアラームを4時半にセット。

さすがに朝も早いし他の人を起こしちゃ悪いなとアラームが鳴った瞬間に飛び起き、電気もつけずに二段ベットからそっと降りてトイレに行く。遠慮して電気もつけずに真っ暗な中身支度してるとピアスを落として見失った。(最悪、、、

そんなこんなで泥棒みたいにそっと部屋を出て5分前にロビーに降りたが、待てど暮らせど誰も来ない。ちなみにこのホステルはロビーの隅に置かれたベットでスタッフが寝泊まりしていて、この人を起こせばいいのだけど、なんだか私も気を遣って起こせず、ロビーの椅子にわざと大きな音出して腰かけたりして、彼が自然と起きてくれるのを期待したりする。でも全く起きない。ちゃっちゃと起こせばいいのにと・・・と自分でも思いながらも、そのまま30分以上経った。Twitterを見て、インスタを見て、しまいにはyoutubeにも手を伸ばしかけたその時、「え、私なにやってんだよ」とふと我に帰る。(無意識の習慣って怖いな

この時点ですでに5時45分。山頂までは車で1時間かかると言っていたから日の出にはもう間に合わない。「もういっか。」と切り替えてテラスに上がった。風が吹く肌寒い真っ暗な朝、ガンジス川、山に囲まれた場所で私はたった一人だった。

私は何をやってるんだろう。こんなところにいるのに。遠く離れたインドの地でガンジス川を臨む場所でも変わらず日本と同じことをしてる。私はまだ小さな世界を抜け出せずにいる。

あーーもう嫌んなるわ、自分!!そんな気持ちに出会ったら、そのすぐそばからとんでもなく思い切った行動に出る。私の旅はそんなことの繰り返し。

つくづく一人旅は、孤独と自由の隣り合わせだ。

そして翌朝、同室のインド人は深夜4時まで音楽を爆音でかけ続け、みんなが寝てても平気で大部屋のライトを思いっきりつけて、誰のことも気にせず身支度していた。


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