鹿内ロースの一口カツ
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鹿内ロースの一口カツ

中村安希

今回は鹿の内ロースを使って一口カツを作りました。背ロースやもも肉を使ったカツはこれまでに何度も作ってきましたが、内ロースは初めてです。というのも、亡くなった師匠は内臓に手を触れない「背割り」で解体をする人。切り出す肉は全て肋骨の外側にある肉でした。ところが師匠が亡くなり、腹を割る=内臓を取り出す=肋骨の内側にも手を入れるようになったことで、肋骨の内側(背骨というか、腰骨の辺り)にくっついている内ロースを取れるようになりました。内ロースと言えば、鹿の部位の中では一番柔らかくて希少な高級部位です。ただ、そんな内ロースが取れるようになって単純に喜んだかというと、実はそうでもありませんでした。
私が解体している場所は、食肉加工ができる施設ではなく、吊り下げたり、台に乗せたり、水が使えたりするような恵まれた環境ではありません。小さなタライの中で窮屈に手を動かして、何とか肉をそぎ取っている状態。だから内臓を取り出す時もスペースがなくて、タライや肋骨の中にいろ〜んな臭い液体が漏れ出てしまうんですね・・・。(泣)ガスも出るし、血も溜まるし、その飛沫が顔面に飛び散ったりするし・・・。その肋骨内に溜まったくっさ〜い体液を、時におえぇぇぇ〜っとか吐き気をもようしながらかき出してだな、そうやってようやく見えてくる背骨沿いの肉が内ロースという部位なんです。だから内ロースって、(特に私みたいな環境で解体すると)要は臭いんですよ。内臓と接してるから、その臭いがする。そんなことで長らく冷凍庫に眠らせたままになっていた内ロースですが、この度、勇気を出して、たぶん揚げ物にしてしまえば臭いも気にならんのでは?という希望的観測から、「鹿内ロースの一口カツ」なるものを作ってみました。

材料:
鹿の内ロース、卵、小麦粉、パン粉、揚げ油、マヨネーズ、ケチャップ


1、鹿の内ロースを一口大に切り分ける。

鹿内ロースカツ11

2、卵を小麦粉を混ぜ、一口大に切った内ロースを入れる。

鹿内ロースカツ10

3、パン粉を付け、揚げ油を温める。

鹿内ロースカツ9

4、170度に熱した油に肉を放り込む。

鹿内ロースカツ8

5、きつね色になったら油から上げる。

鹿内ロースカツ7

6、ケチャップやマヨネーズ、ソース、塩コショウなどを付けて食べる。

鹿内ロースカツ6

鹿内ロースカツ2

まとめ:上々の出来でした!内ロース、さすがの柔らかさ!しかも、臭いも気にならなかったです。今回は4本(鹿1頭から2本取れます)を使いましたが、どれか一本だけ、ちょっと臭いのがありまして、私は一瞬だけ「あっ、臭うな」と気づきましたが、それ以外は全て無臭で、とてもおいしかったです。同居の姉も「臭い全然わからん〜。身が柔らかくてとろとろで背ロースの時より美味しいかも」と喜んで食べてくれました。大成功です。揚げ物以外で食べたらどうなるかはまだ分かりませんし、それなりに濃い味付けを考えないと厳しいのかなと、まだ多少ビビってますが、ひとまず、一口カツは大成功でした。これでまた、自信を持って「お肉便」に内ロースを加えられます。内臓処理の腕をもっと磨いて、内ロースを傷付けず、無駄なく骨から外せるようにがんばりたいと思います。ではまた。

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中村安希