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捨てられる肉を有効利用するために、私たちにできること

駆除された野生獣(主に鹿)を解体処理する活動を始めて、この夏で3年になります。初年度はたくさん解体しましたが、猟師さんの年齢や体調のこともあり、最近はたまに出動する程度です。それでも139頭(2023年4月現在)を解体、精肉、調理し、500キロを超える大量のお肉を無償で配り、またnoteに体験談を書いてきたことで、害獣や鹿肉についての理解は、私の中でも、また周囲の人たちの中でも多少は深まってきたと思います。

noteの記事を読んでくださった方や、噂を聞いたという方から、「自分も鹿肉を有効活用していきたい」というご連絡をいただくことも増えました。

各地で増えすぎた鹿や猪が、農業に深刻な被害を及ぼしていること。各自治体で対策が練られ、害獣駆除が推進されていること。しかし、駆除された害獣の多くが利用されず廃棄処分されていること。また、それらの肉の有効活用(とくに産業化)も推進されているが、実際にはあまり進んでいないこと。など、鹿肉をめぐる状況を理解した上で、こんな風に活用していきたいのでお肉を送ってもらえないか、といった具体的なご相談やご提案をいただく機会が増えてきました。

もちろん、大量に廃棄処分される鹿肉をどうにかできないか、できれば有効に活用したい、という思いは、最近のものではなく、害獣問題に気づいていた人であればずっと以前から抱いてきたものでした。そもそも、私自身が獣の解体に関わることになったのも、「余っている鹿肉を利用して犬用のジャーキーを作り、ビジネスを始めたい」という知人のアイデアがきっかけでしたし、私の師匠であった栗田さんのところへも、食を通して害獣問題を知ってもらうイベントの企画や、野生獣肉のブランディング、ペットサロンとのタイアップビジネスなど、いろいろな提案が持ち込まれていました。私自身「子ども食堂にお肉を提供してはどうか?」など、栗田さんに提案したこともありました。それらはすべて、鹿肉を有効に活用したい、という思いから出てきたアイデアでした。

そうなると、なぜ?という疑問が湧いてきます。

こんなにもあちこちから「鹿肉を有効に活用したい」「お肉を無駄にしたくない」という声が聞かれる一方で、肉の利用状況があまり改善されていないのはなぜなのか。

そこで今回は、鹿肉の有効利用が進まない理由と、ではどうすれば良いのか、私たちに何ができるのか、について書いていきたいと思います。


*鹿肉の有効利用をめぐる矛盾

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近所で駆除された鹿や猪141頭を解体し、お肉を食べる(食べてもらう)活動を続けてきました。ジビエ肉(主に鹿肉)をささっと調理し、おいしく食…

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