【森の家①】〜観察から実践へ〜
大学院でジャーナリズムを学んでいた頃、あるクラスメイトが質問をした。
「紛争地を取材中に目の前に瀕死の地元民がいたとして、僕たちは取材を続行すべきなのか。それとも取材を止めて、その人を助けるべきなのか」
質問をしたのは、これからジャーナリストを目指そうという取材未経験の学生だった。ベテランジャーナリストの先生は、苦笑いをしてこう言った。
「それはまた古典的な問いだな」
ジャーナリストの仕事は取材・報道であって人道支援ではない。取材対象にいちいち心を奪われて、自らが問題