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らくがき帳(定期購読マガジン)

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#人手不足

【氷河期世代④】〜死ぬまでずっと不運は続く〜

氷河期世代の不運は、史上最低最悪と言われた就職難が長期に亘って続いたことである。1つ上の先輩も、2つ上の先輩も、後輩もそのまた後輩も、誰もが有効求人倍率0.5前後という厳しい就活に巻き込まれた。これから社会に出て働き、人生を組み立てていこうという時につまづいて、そのつまづきを20〜30代の若年期を通じてずっと引きずることになった不運な世代、それが氷河期世代なのである。 1990年代から2000年代前半にかけて「人余り」が続き、若い労働世代が蔑ろにされた一方で、2010年代半

【氷河期世代②】〜人余り時代の後遺症〜

「もう、外国の人を入れてくるしかないんかな」 作業の合間に、親方(雇い主の農家さん)はそう呟いた。 不定期の農業バイトを始めて5年目になるが、今年もまた「人手が足りない」との連絡を受けて私は何度か畑に行った。繁忙期の畑には常時4人くらいの、体力のある若い男と、粘り強く黙々と働く若い女が必要だったが、その日は60代半ばの親方と疲れ果てた氷河期おばさん(私)の二人しか、畑には出ていなかった。 求人を出しても、時給を上げても、応募してくる人が全くおらず、この数年の傾向として、バ