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らくがき帳(定期購読マガジン)

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#氷河期世代

【氷河期世代(最終話)】〜現世からの離脱〜

日本経済の長い低迷に10代〜30代を奪われた就職氷河期世代。とりわけ1975〜83年ごろに生まれた「どん底」と言われる世代は、2023年現在40代となり不安定な中年期を迎えている。もう若くはなく、人生を挽回するには、気力、体力、能力などが不足し、これからもそれらの力は低下していくことから手遅れを実感し始める年齢である。 社会はかつての「人余り」から「人手不足」へと急速に変化し、低賃金重労働の現場を中心に仕事はずっと見つけやすくなっているが、少子高齢化による労働者不足は、同

【氷河期世代④】〜死ぬまでずっと不運は続く〜

氷河期世代の不運は、史上最低最悪と言われた就職難が長期に亘って続いたことである。1つ上の先輩も、2つ上の先輩も、後輩もそのまた後輩も、誰もが有効求人倍率0.5前後という厳しい就活に巻き込まれた。これから社会に出て働き、人生を組み立てていこうという時につまづいて、そのつまづきを20〜30代の若年期を通じてずっと引きずることになった不運な世代、それが氷河期世代なのである。 1990年代から2000年代前半にかけて「人余り」が続き、若い労働世代が蔑ろにされた一方で、2010年代半

【氷河期世代①】〜疲れ果てた中年たち〜

氷河期世代とは何か? バブル崩壊後の1990年代~2000年代に社会に出て就職難に直面した世代を指す。広義には1970年~1987年頃に生まれた人が含まれ、中でも「どん底」を経験したのが1975年~1983年頃の生まれの人たちと言われる。 その世代について興味はあった。ただ、世代性だけを取り上げて何かを語るということを私はどちらかと言えば避けてきた。私自身が当事者世代である限り、起きている事象を俯瞰して客観的に発言することが難しかったからである。グチっぽくなるのも、被害者