見出し画像

花緑青に染まる憂鬱

不気味なほど、ぞっとするほど。
静かだったひと月を思う、物売りが端くれの憂鬱。

——————

この5月は本当に凪いだひと月で、
個人としても、勤め人としても殆ど人に会わず、
こうしてnoteに記事を書いていなかったら、日々何をしていたか恐らく思い出せもしなかった。
まったく、空っぽな人生である。

その中でもこうして、書き物をどうにか毎日続けられたのがせめてもの救い。
そんなに反応があったわけではないけど、
まずは自分のそとに、形として残るものができたのは単純に、とてもうれしい。

——————

一方で本業たる物売りの仕事は大変な影響を受け、
自分の生業としているそれについて、改めて考えたひと月でもあった。

無くなっても社会が傾くわけではない、
そう、まさしく不要不急の存在。
閉めざるを得なかった薄暗い店内に立ちながら、
在ることを必要とされない仕事に、どうしても悲しみを覚えてしまう。

人々の潤いでありながら、
その実、空虚な渇きのような。

一介の勤め人である自分は狡いとすら思う。
この虚しさから、目を逸らして逃げられるのだから。

お世話になっている人の顔、
まだ挑戦できていない仕事、
それらが目の前を散らつきながら、自分の行く先は未だ、どこにも見えないまま。

——————

日を追うごとに濃くなる皐月の空は、
今日も眩むような、
毒々しいほどに鮮やかな、青の色。


ヒモ志望です。とっても上手に甘えます。