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『カナルタ』メキシコ上映ツアー、決定。

今月エクアドルの首都キトで日本国外初の劇場公開が行われた『カナルタ』が、メキシコでも今月末〜5月末にかけて上映されることが決まった。今回は複数都市で、大学、映画館、カルチャーセンターなど様々な場で上映される。

上映ツアーで巡る都市は3つ:オアハカ、サン・クリストバル・デ・ラス・カサス、そしてメキシコシティ。大学の先輩から繋いでいただいた現地のご縁を辿りながら企画していった上映ツアーだが、メキシコの関係者の方たちの関心の高さと迅速な対応に感謝したい。

上映ツアーの詳細を以下にまとめる。もし現地在住の方で興味をお持ちの場合、ぜひお越しいただけたら嬉しい。

オアハカ

料理、アート、カカオなど、様々な領域においてメキシコ随一の質と多様性を誇り、土着文化を色濃く残す街。以前からヒッピーカルチャーとの接合や様々なセレモニーの拠点として話を聞いたり読んだりしていたので、訪れてみたかった。ここでは、文化複合施設としても機能する書店、そして社会科学の研究所という2つの場所で上映する機会に恵まれた。

4月30日(火)

日時:2024年4月30日(火)18:30〜
場所:La Jícara Librería

5月2日(木)

日時:2024年5月2日(木)17:00〜
場所:Sala audiovisual IISUABJO, Murguía 306, Centro, Oaxaca de Juárez, Oaxaca. Instituto de Investigaciones Sociológicas de la Universidad Autónoma "Benito Juárez" de Oaxaca.

サン・クリストバル・デ・ラス・カサス

言わずと知れたサパティスタ民族解放軍が、メキシコ政府に対して反乱を起こした街。子供の頃に読んで衝撃を受けた『インディアスの破壊についての簡潔な報告』の著者であるバルトロメ・デ・ラス・カサス司祭にちなんで街の名前が付けられたという。メキシコ先住民を巡る激しい交錯点として、非常に興味がある。ここでは文化複合施設(映画館寄りに見える)と大学という、オアハカと近い組み合わせで上映する。

5月8日(水)

日時:2024年5月8日(水)17:00〜
場所:Sala Otto Schumann Gálvez CIMSUR-UNAM, El Centro de Investigaciones Multidisciplinarias sobre Chiapas y la Frontera Sur.

5月15日(水)、18日(土)、24日(金)、26日(日)

日時:2024年5月15日(水)、18日(土)、24日(金)、26日(日)18:00〜
場所:Foro Cultural Kinoki

メキシコシティ

世界最大の都市圏とも言われる街。やはりあらゆる面でメキシコの中心。メキシコに行くならこの街でなんとか上映にこぎ着けたいと思っていた。最初はなかなか企画が通らず諦めかけていたが、粘り強く働きかけた結果、なんとか1回だけメトロポリタナ自治大学による上映企画が決まった。

5月27日(月)

日時:2024年5月27日(月)時間未定
場所:Casa de la Primera Imprenta, Universidad Autónoma Metropolitana.

*5月26日を除いて、すべての上映後に監督トークあり*

メキシコは南米大陸とはまた一味違う歴史、文化、社会状況を持つが、同時にヨーロッパ人による征服を通した異種混淆、先住民による様々な実践など、クロスオーバーする多くの点がある。いつか訪れ、このメキシコ特有の太陽の光の下で『カナルタ』を上映したいと思っていたので、上映ツアーを実現することができてとても嬉しい。それぞれ強烈な個性を持つ3都市、そして多様な上映会場の中で、どんな反響や対話が生まれるのか楽しみにしている。

ところで、エクアドル警察による在エクアドルメキシコ大使館襲撃事件に端を発する両国の国交断絶騒ぎの影響は、個人的には全く受けずに移動することができた。突如として情勢が変わるラテンアメリカ世界に翻弄されつつも、なんとか楽しみながらここまで来ている。


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