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行った!観た!勝った!

サッカー男子日本代表が2022年FIFAワールドカップ・カタール大会への出場を決めましたね。シドニーのスタジアム・オーストラリアで行われたこの試合、メルボルンから遠征して見てきました。今回はそのお話を写真と共にお届けします。

2022年(令和4年3月24日木曜日)FIFAワールドカップ・カタール大会アジア最終予選オーストラリアvs日本:スタジアム・オーストラリア:20:05キックオフ

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私は3年ぶりに飛行機に乗り込んだ。メルボルンを3時過ぎに離陸し、シドニーに5時前に到着の飛行機は満席だった。機内にはすでにサッカルーズのユニを着込んでいる人もいて、搭乗する前からワクワクドキドキだった。LCCの飛行機は早秋のさわやかな青空に向かって飛びたった。

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到着したシドニーの空は灰色で覆われていた。その下に広がる滑走路も灰色の濃淡で雨が降っていたことを物語っていた。先月から今月にかけて、オーストラリアの東海岸沿いは大規模の洪水に見舞われていた事を今思い出した(😅)と同時に、「どうか雨が降りませんように」と携帯のお天気アプリの降水量95%を見ながら祈った。雨具は傘しか持参していなかった。

一旦シドニー市内に向かう。ホテルにチエックイン、近くの酒屋で今晩の祝杯用にスパークリング・ワインの小瓶を用意し、箪笥の奥にしまっておいた侍ブルーのユニフォームに袖を通し(いつ購入したのか?昔すぎて覚えていない)部屋を出る。ロビーから外が見えた。肉眼で見えるほどの雨粒が降り歩道は濡れて小さな浅い水の流れを形成していた。祈りは通じず、折り畳みの傘を広げて駅へ向かう。祈りはかなわなかったが、まだ試合までは1時間以上ある。やむ可能性もあるかもしれない。と気を取り直して私は雨の中へ歩き出した。

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あらかじめ購入していたQRコードのチケットには往復の公共交通機関料金も含まれていた。私の乗り込んだセントラル駅発の臨時列車は乗客率はそれほど高くなかった。電車は終点のオリンピック・パーク駅に着くまでにぎっしりと乗客を抱え込んでいた。

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地下のプラットホームから地上にあがり、外に出る。道路は濡れ、この日の為に飾られたグリーン&イエローの電飾が反射し夕闇迫るこの場所を特別な舞台に変えていた。試合の行われるスタジアムまでの道のりはいつもワクワクドキドキでいっぱいだ。平日にもかかわらず、多くの人が同じ目的に向かって歩いていくのはやはり特別感が半端ない。大きくそびえたつスタジアムはやはりグリーン&イエローのライトアップを施され、その中に人びとが吸い込まれて行く。中から音楽とマイクを通した声が聞こえ時折声援が混じる。お祭りの様に、急ぎ足で向かう。

雨脚が強くなった。早く入場ゲートまでたどり着かなければ。このスタジアムの観客ゲートは26ヵ所もある。幸いにも私の入場口は歩いてきた道の延長上にあった。ゲート口に人だかりが集まるが、デジタル・チケットでQRコードをスキャンするだけで入場で来たので雨に濡れる事は少なく済んだ。コンコースにはスタジアムで流れている音楽とこの場を盛り上げるDJの声が漏れ聞こえてきている。その声に誘われるように観客席へ向かう。スタジアム照明のカクテルライトが雨筋を白く映し出している。その下に美しすぎるほどの黄緑色のピッチを照らしていた。

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幻想的な風景にうっとりとしている脇で日本代表選手達がアップをしていた。写真を撮る余裕がこの頃はまだあった。

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雨は強くなったり弱くなったりしながら止む気配はなかった。試合前にずぶぬれにはなりたくなかったので一旦コンコースに避難。スタグルをチェックしたけれど、悲しいかな、メルボルンのそれと同じものばかりで触手が動かなかった。気温も下がり気味でビールを飲む気にもならなかった。まあ、ホテルに帰ってから祝杯あげるから...と一人納得していた。

スターティングメンバーの発表が華々しく始まったので、雨に濡れる覚悟で客席に着く。単なる1観戦者の私も試合前の緊張を味わった。国歌斉唱は日本とオーストラリアの両方を声を出して歌い、一人感動した。

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試合前、ピッチ上の円陣から選手がポジションに着く。私の目の前にゴールポストがあり、GK12番の権田修一選手の姿を確認する。清水エスパルスサポーターの私にとって、夢のような風景に再び感動。センターサークルにボールが置かれる。観客の声が地響きの様に湧き上がって来た。試合開始のホイッスルの高い音が鳴り響く。観客の声がホイッスルに釣られるように大音量となってスタジアムを包み込んでいった。

試合は、ボールを丁寧に運ぶ日本vsカンターで一撃しようとするオーストラリア。日本のシュートはゴールポストと雨のピッチに嫌われたようでなかなか得点できずに前半終了。オーストラリアは今までの代表戦のMF3人が怪我や陽性反応の為参戦していないのが響いているのか、うまく連携が取れず、ボールを奪われ、何とかDF+GKが踏ん張って無得点で前半を終えた感じがぬぐえなかった。雨脚は去る事がなく、そのまま後半戦に入った。

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後半戦の注目はいつ交代選手を使うのか。オーストラリアの弱点の一つに後半80分台に失点をする癖がある。その弱点を突くために63分、84分に選手交代があった。この交代がぴったり当たり、89分に目の前でゴールが決まる。勝った!そう思った私はここで初めて雨がやんでいる事を知った。私の周りからは「ニッポン!」コールがひときわ大きく湧き上がり、私の声も同調していた。そして、私の目の前で先ほどゴールを決めた三笘選手が再び躍動を始めた。一人、二人、三人四人...オーストラリアのDFをドリブルでかいくぐり、シュート。ボールは一旦GKの手に触れるものの、そのままゴールに吸い込まれた。鮮やかなの10秒の出来事が私の脳裏に焼き付いた。

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試合終了のホイッスルが響いた。2点目のゴールからアウェイサポーター席のチャントはやむことはなかった。日本の勝利と共に今年のワールドカップ出場が決まった瞬間だった。

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試合後、代表選手と森保監督までがサポーター席の前まで来てくれた。いつもPCのスクリーン越しに見ていた方々が目の前で笑顔で手を振っている。森保監督は記者達に囲まれながらも私達サポーターの一人一人に目配せしながら感謝の気持ちを伝えてくれた。再び「ニッポン!」コールと「ぽいち」コールが私達から沸き起こった。

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勝利した事で溜飲が下がった。雨でずぶ濡れになり、早秋の気温の為、冷たさが体に染みついているけれど、清々しいく感じるほどの爽快感と嬉しさに不快感はなかった。

さて、日本は無事にカタール行きの切符を手にすることが出来た。韓国、イラン、日本、サウジアラビアがアジアの4枠に決定し、0.5枠を賭けてオーストラリアは戦う事になる。この試合では3人の主要選手が欠けた事が大きいとは言え、その替えがいないと言う重大な問題が露呈してしまった。ここからオーストラリアの巻き返しを期待したい。

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