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祝!東京2020パラリンピック開催!

なんやかんや、ワイのワイの言われながらも東京オリンピックが終わりましたね。コロナ禍の不安の中で明るく元気な話題が世界中に広がって、ちょっとほっこりしました。感動の柔道・卓球。驚きのスケートボード・サーフィン。オーストラリア選手団だけでなくチーム・ジャパンの活躍に心が躍った2週間でした。オリンピック前にオーストラリア選手の事を書いたメルボルンのアキちゃんとしては、やはり、パラリンピックについても!という事で、オーストラリアのパラリンピックについて書いてみました。

パラリンピックとオリンピックの大きな違い

障害のある方々の行うスポーツをパラスポーツと呼び、多くの種類のパラスポーツが一度に集う世界大会がパラリンピックです。オリンピックの会場を使い各種目の世界大会が一同に行われます。競技もほとんど同じなのですが、大きく違う点が一つあります。計測結果により勝敗を決める競技(陸上100mや走り幅跳び等)、トーナメント方式で勝敗を決定する競技(バスケット・ラグビー等)が行われ、審査員による点数採点の競技(体操、飛び込み等)は含まれていません。人の主観の入らないスポーツの祭典とも言えますね。

競技種目の謎の表示

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パラリンピックやパラスポーツの競技会の中継で目にする謎の表示が気になった方いらっしゃりますか?競技の名前の後ろ何やら謎のアルファベット1~2文字と数字の表示(上記の写真のT54の事です)です。この表示、個人競技の種目には必ず付いています。これは競技の種類と障害の程度を表し、競技のクラス分けの表示になります。写真のT54は...

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陸上以外の競技はまた別のアルファベットが振り分けられています。例えば水泳はS・SB・SMと分かれており、バドミントンはWH・SL・SU・SHと4種に分かれています。

この表示がない競技もあります。チームスポーツでは同等の障害を持つ選手によってチームが構成されています。柔道は視覚障害の選手による競技のため、クラス分けは通常通り体重クラスのみです。

この表示はあくまでも選手の障害の程度を示すものですので、観戦する際にはあまり気にしなくてもよろしいかと思います。紹介・説明しておいてなんですけど...😅😅😅 ビジュアルで選手のすごさが伝わってきますので、私はあまり気にせずに楽しんでます。

パラリンピックの花形競技(個人的見解!)

100mスプリント!この競技はオリンピック同様、陸上競技の花形です!中でも義足を付けての100m競争は圧巻です。個人的な印象ですが、走行用の義足を付けた選手が100mを疾走する姿はさながらサイボーグ!近未来的なカッコよさに見とれてしまいます。陸上トラックを疾走する車いすもかっこいいの一言!です!動画で優勝したJonnie Peacock選手は今大会に参加予定です。準優勝したLiam Malone選手は残念ながら引退を発表されています。

https://www.youtube.com/watch?v=lUoR0GeGqlc

車いすなどの器具を全く使わない競技が水泳。この競技、見ているだけで不思議な感情が湧いてきます。足2本・腕2本がある私でさえ、レーンをまっすぐ泳ぐには意識をする必要があります。なのに、選手たちはいとも簡単にまっすぐレーンを泳ぎ、尚且つ、好成績を修める。なんか、人間の可能性(?!)を感じます。

それ以外にも、パラスポーツのチーム競技はそれ自体が普通にスポーツとして成り立つほどに完成度が高く感じます。シドニー大会で車いすラグビーのオーストラリア代表が銀メダルを獲得した時のエピソードの一つに、当時5歳の健常者の少年がこの競技の大ファンになり、自分も選手になりたいがどうしたらなれるのか?と言う手紙が車いすラグビー協会に届いたんだとか。パラスポーツの枠を出る日もそう遠くないかもしれません。

スポーツ大国のオーストラリアは

東京オリンピックにおけるオーストラリア成績は金17・銀7・銅22の合計46個を獲得し、メダル数ランキングでは6位の好成績を残しました。それと同様にパラリンピックへの情熱と感心はこれと同等、或いはそれ以上と言えます。参加選手数はオリンピックよりも少なく、地元開催であった2000年のシドニーを除き200人以下の参加にも関わらずメダル獲得数及びランキングはいつも安定しています。(パラリンピックのメダル数は障害クラス分け事に記録され、メダルが授与されるため、とにかく多いです。)これは、健常者・障害者に関わらずスポーツに対しての情熱と理解が高いと言えますね。

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さて、注目の選手・種目をちょっとだけご紹介させてください。

オーストラリアと言えば水泳!

まずは、オーストラリアン・パラリンピアンの顔をも言えるEllie Cole選手。最初に参加したパラリンピックは北京。そこで銀(100mバタフライS9)と銅メダル2個を獲得(100m背泳ぎと400m自由形・共にS9)、ロンドンでは8競技に出場し6個のメダルを、リオデジャネイロでは金2個、銀3個、銅1個を獲得しています。東京パラリンピックではリレーを含む6競技(S9)に出場します。プールの女王の活躍に期待したいですね。オーストラリア人にとっては水泳はお家芸とも言える競技。彼女以外にもリオデジャネイロで男子・女子自由形400mS9の金メダリスト・Brendan Hall選手とLakisha Patterson選手の活躍も見逃せません。

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陸上競技から

前回のリオデジャネイロ大会では合計26個のメダルを取った陸上競技。今回もたくさん活躍してくれる事でしょう。注目選手はた~くさんいらっしゃるのですが、ここではこの4人をご紹介。

Madison de Rozario選手ー女子800m、1500m、5000m、4x400mT53(車いす)北京・ロンドン・リオ参加、パラ陸上世界大会では多くの金メダルを取っているが、パラリンピックでは銀メダルのみ3個獲得。今大会は金を狙う。そのすてきな笑顔はテレビや雑誌の広告でもおなじみかも。
Scott Reardon選手 - Men's 100m T63(立位)、2016年パラリンピック・リオデジャネイロ+2017年のパラ世界陸上100m金メダリスト。彼の走る姿はポケット・ロケットの如く!とにかくパワフルに走ります。
Jayden Sawyer選手 - Men's Javelin F38(脳性まひ)、2017年のパラ世界陸上で世界記録52.96mを出しての金メダル獲得。そして、彼のライバルとなるのがCorey Anderson選手。2019年のパラ世界陸上でJayden選手の記録を抜き去る新世界記録56.28mを出して金メダルを獲得しています。熱い男の戦いが見られそうですね。

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プロ競技でもある車いすテニス

日本でもおなじみになって来た車いすテニス。世界4大テニストーナメントにもそのカテゴリーがあり、プロ選手として成り立っている競技のひとつですね。日本人選手の国枝慎吾選手は男子シングルスの1位、女子シングルス2位の上地結衣選手をご存じの方も多いと思います。車いすテニスにはもう一つカテゴリーがあります。Quadと呼ばれているこのカテゴリーではラケットを手にテープで固定させて試合を行います。このカテゴリーは男女分けはありません。このQuadの1位に君臨しているのがオーストラリア人のDylan Alcott選手。Alcott選手はリオデジャネイロ大会でQuadのシングルス、Heath Davidson選手とのダブルス共に金メダルを獲得した実績があります。それ以外にも2008年の北京大会の車いすバスケットボール選手として出場しこちらでも金メダル、2012年のロンドン大会で銀メダルを取っています。メダルコレクターと言っても過言ではないですね。今大会でもメダルをコレクトするのでしょうか?楽しみです。

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車いすバスケットボールはリオの屈辱を晴らせるか

オーストラリア代表車いすバスケットボールチームは男子女子共に常に好成績を修めて来ました。1996年のアトランタ大会から2012年ロンドン大会まで常にメダルと取っていたチームでした。

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が、残念な事にリオデジャネイロ大会では男子及び女子両チームともメダルには届かずに敗退。その屈辱に燃えるバスケットボールチームに期待大です。男子チームの愛称はRollers女子チームGlidersです。お見知りおきくださいませ。

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格闘技!車いすラグビー

まずはルール説明の動画をご覧下さい。(動画の右下の設定マークから日本語字幕が表示されます)

https://www.youtube.com/watch?v=tSzFmlWgVsM

いかがでしたか。激しい競技なのをお分かりいただけました?この競技の最大の特徴はコンタクトスポーツであるという事。車いすを使いタックルが認められています。その為に、何よりも大切なことが車いすの改良。1チーム4選手がコート内で競技を行います。そのうち2選手が攻撃、2選手が守備・防御の役割を持ちそのための車いすの開発は重要ポイントでとどまる事を知りません。この開発に携わっている企業がToyota Australia です。今年の7月にリリースされたCMではこの車いすラグビーがメインで語られています。これを機にている選手がRyley Batt。彼はオーストラリア車いすラグビーチームの顔ともいえる選手です。車いすラグビーが正式種目に選ばれたのが2000年のシドニー大会から。そのデモンストレーションゲームを学校で見学、そしてこの競技にハマる事になります。2004年のアテネ大会に15歳と言う最年少メンバーに選ばれています。2008年の北京で銀メダル、2012年ロンドン・2016年リオデジャネイロで金メダルを獲得する原動力です。下記のトヨタのCM、かっこいいでしょう!

https://www.youtube.com/watch?v=wnNo4UpeAws

向かうとこ敵無しに思えるかもしれませんが、今回の最大のライバルは日本!2018年シドニーで開催された世界大会の決勝戦はオーストラリアvs日本。そして、日本が優勝しました。さて、今回はその時と全く逆の立場でオーストラリアチームは挑みます。熱い戦いに期待しましょう!

東京パラリンピックを楽しむには

オーストラリア国内では先のオリンピック同様に地上波放送局Channel7が配信してくれます。勿論、PC様に7+でも見る事が出来ます。

https://7plus.com.au/paralympics

それと同様にパラリンピック・オーストラリアのウェブサイトでも試合オフ時の選手の姿やインタビューなどが掲載されます。こちらも要チェックですね!

日本国内ではNHKが放映します。NHKオンデマンドで録画放送もご覧になる事が出来るようですね。詳しくは下記を参照ください。

東京2020パラリンピックの公式サイトでは競技の説明から日程・結果までを網羅することが出来ます。こちらもあわせてどうぞ。

とにもかくにも、8月24日から9月5日まで再び東京で熱戦が繰り広げられます。色々と大変なご時世ではありますが、選手、関係者の方々が持っている力を100%以上出せますように、そして、パラリンピックを楽しく過ごせますように応援したいと思います。ロックダウンで外出ままならないメルボルンなので、思う存分楽しみたいと思います~!では、またね、バイバイ!

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