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冬が来る音

白鳥の声が上空で聞こえ始めた頃から、鳥海山が赤みを帯び、夕日が南寄りに沈むように…。一面の鮮やかだった緑が、砂の色に馴染んできました。

秋は、実り多く紅葉が美しい季節でありながら、なんだか少し寂しい気分になります。冬の気配を感じるからなのか、年齢のせいなのか…。

夜が長くなり、つい先日まで聞こえていた虫の声が止んでいます。
そのかわりに、日本海から押し寄せる風とうねる波の音が、重なりながら、辺りを包むことが増えてきました。
それが、冬がやってくる足音のように聞こえるのです。

コロナを避けるため、今年は特別に長く実家に滞在していましたが、もうすぐ東京に戻らなければなりません。
長い休暇の終わり、旅の終わり、楽しい特別な時の終わり、どれも終わる少し前が一番寂しい気分になります。

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