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GWはニューヨークに行くって決まってたんだよ。

20代後半から、GWはニューヨークに行くと決まっていた。

寒すぎず暑すぎず、値段もそこそこで行ける時期であることを発見してしまったのだ。

プラダを着た悪魔よろしく、ニューヨークに来てまでスタバで買ったコーヒー片手に延々と街歩きして、Rapで絡まれたり、英語で冷たくあしらわれて。ブルックリンから高層ビル群を眺めて、「ああ、会社で起きてる問題ってちっちぇーなー」と思う。

夜は大好きなBroadwayミュージカル『Wicked』を観る。イントロから感極まる。今年も来れた。ああ、いつもの日々から離れられたよ。それなのに。クライマックスのラブシーンで、後ろの人が「オッマイガー!ッマイガー!」って声に出して言っちゃうわけで。気分をブチ壊されながら、「やっぱり会社で起きてる問題ってちっちぇーよなー」と思う。

東京に戻ってくるとひどい時差ボケで、朝方まで眠れなかったりして、ゾンビのような数日を越えて、きれいに元の生活に戻る。

1年に1回は、そうやって認知の時空を歪ませて正気を保っていたのに。

今年のGWも自宅で息をひそめる。

積読を解消しようとしたり(解消しようとしただけで解消できなかったけど)、D&Iに関する講座を受講したり、友人のnoteから考えることがあったり、NetflixにYoutubeに小説に。アウトプットしまくろうとか意気込んでたけど、完全に惰性。

* * *

最近、2005年にSteve Jobsがスタンフォード大学で行ったスピーチのシャドーイングを始めた。(最近また英会話に精を出している)

もともと好きなスピーチなのだが、connecting the dotsのパートは特に好きだ。

Again, you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever.

繰り返す。先を見通して点をつなぐことはできない。後から振り返ってつなぐことしかできない。だから、将来何らかの形で点と点がつながると信じなければならない。何かを信じなければならない。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。

大学を退学することを決めたSteve Jobsは、興味のままにカリグラフィのクラスを取る。大学時代にはそれが点になるとは思わなかったけれど、その10年後、初代Macの設計時につながったと言う。

GWはニューヨークに行くって決まってた。

それはそうだけど。

外に出れないメリハリのない毎日の延長線上にも、将来何らかの形でつながるであろう点があるのかもしれない。

そう思うと、GW中にちょっとばかり勉強したことが、読んだ本が、胸に納めた違和感が、なんだか浮き出て見える気がする。

無理に認知を歪めなくても。


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