見出し画像

祇園祭 難読漢字+ちょこっとトリビア

7月の1か月間、祇園祭をたっぷり楽しみました。

周囲で見学していた方々とお話する機会が何度かあったのですが、皆さん漢字の読み方が分からない(京都あるある)ことがあったので、初見では読み方が分からない祇園祭に関連する漢字を集めてみました。
ざっくり用語解説も書いてみます。祇園祭をより楽しむためのざっくり解説なので、正確なことを知りたい方は八坂神社や山鉾連合会の解説をご参照ください。


前祭・後祭 さきまつり・あとまつり

神様が八坂神社から市中の御旅所(おたびしょ)へ行かれる時に行われるのが17日の前祭
御旅所から八坂神社へ戻られる時に行われるのが24日の後祭です。

稚児 ちご

祇園祭には何人かお稚児さんがいらっしゃいます。
お稚児さんは神様の遣いや神様の代理などの役割があるので、メディアでも敬語表現が使われることが多いです。

一番有名なのは前祭の長刀鉾(なぎなたほこ)のお稚児さんです。鉾に乗る唯一の生稚児(いきちご)で、前祭の山鉾巡行の際にしめ縄を刀で切って結界を破ります。補佐役の禿(かむろ)を二人従えています。

綾戸国中神社(あやとくになかじんじゃ)の御神体である駒形を胸に付けた久世駒形稚児(くぜこまがたちご)は神の化身とされていて、馬に騎乗したまま八坂神社の境内へ入ることが許されている唯一の存在です。前祭と後祭でそれぞれお稚児さんがいらっしゃいます。

綾傘鉾(あやかさほこ)にも6人のお稚児さんがいらっしゃいます。幼稚園に通うとっても幼いお稚児さんもいて、7月のとっても暑い日に和正装で神事に参加しているのはすごいなと思います。

お迎え提灯の行列には馬長稚児(うまおさちご)さんがいらっしゃいます。

稚児になるにはある程度の経済力が必要だそうで、京都では「今年はどこのおぼっちゃんが稚児になったのか」というのが6月下旬の話題になります。

京都の中心部四条通を白馬に乗って行列する久世駒形稚児

山鉾町 やまほこちょう

山や鉾を出す町。
北は姉小路通(あねやこうじどおり)
南は高辻通(たかつじどおり)
東は東洞院通(ひがしのとおいんどおり)
西は油小路通(あぶらのこうじどおり)
このエリア内に山鉾町があります。

マイマップのリンクを貼っています

鉾は必ず「ほこ」と読みます。濁点をつけて「ぼこ」とは読みません。
10基ある鉾の読み方
鶏鉾 にわとりほこ (とりほこ と読みたくなる)
函谷鉾 かんこほこ (かんこぼこ と読みがち)
長刀鉾 なぎなたほこ
菊水鉾 きくすいほこ
月鉾 つきほこ
船鉾 ふねほこ
放下鉾 ほうかほこ
綾傘鉾 あやかさほこ
四条傘鉾 しじょうかさほこ
大船鉾 おおふねほこ

24基ある山のうち、個人的に難読と思う山
霰天神山 あられてんじんやま
郭巨山 かっきょやま
蟷螂山 とうろうやま (蟷螂はカマキリのことです)
木賊山 とくさやま (木賊は植物の名前です)
役行者山 えんのぎょうじゃやま (役行者は修験道の祖とされています)
占出山 うらでやま
八幡山 はちまんやま (やはた・やわた と読みがち)

前祭山鉾巡行の早朝 巡行の懸想品(けそうひん)取付の様子
かまきりがデザインされた提灯がかわいいです
駒形提灯の点灯は3~5日間だけ

蘇民将来子孫也 そみんしょうらいしそんなり

粽(ちまき)やお守りに蘇民将来子(之)孫也と書かれていることが多いです。
「私は蘇民将来の子孫なのでお守りください」という意味合いです。

三若・四若・錦 さんわか・しわか・にしき


三基ある八坂神社の御神輿を担ぐ神輿会の名称です。

三若がご奉仕するのは六角形の中御座神輿(なかござみこし)
四若がご奉仕するのは四角形の東御座神輿(ひがしござみこし)
錦がご奉仕するのは八角形の西御座神輿(にしござみこし)

三若 中御座神輿
四若 東御座神輿
錦 西御座神輿

曳き初め・舁き初め ひきぞめ・かきぞめ

初見では「ひきはじめ」と読みたくなりますが、お正月の書き初め=かきぞめと同じく「ひきぞめ」と読みます。
山や鉾を組み立てて、最初にお試しで動かすことです。
言葉の組合せとしては鉾は綱を引っ張って曳くもので、山は肩に担いで舁くものとなりますが、祇園祭では曳山というややこしい山もあるので、細かいことは横に置いておいていいと思います。
山鉾巡行では成人男性しか参加できませんが、曳き初め・舁き初めは女性や子供も参加することができます。
山鉾連合会の行事日程ページで曳舁初めの日程を確認することが可能です。
私はまだ参加したことがないので、来年チャンスがあれば是非参加してみたいです。

神幸祭・還幸祭 しんこうさい・かんこうさい

八坂神社の三柱の神様がそれぞれの御神輿(おみこし)で御旅所(おたびしょ)へ渡御(とぎょ)されるのが神幸祭、八坂神社へ戻られるのが還幸祭です。
普段お土産物販売されているotabishoが祇園祭の期間中は御旅所に変身して、17日~24日の1週間は神様が四条寺町の御旅所に鎮座されることになります。
17日の神幸祭と24日の還幸祭で三基の御神輿がそれぞれ異なるルートで市中を周られて、くまなく氏子地域(うじこちいき)を巡られます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?