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祇園祭 明日から山鉾建て

明日7月10日から山鉾町では山や鉾を組み立てる「山鉾建て」が始まります。
釘などを使わずに荒縄だけで何トンもある山鉾を組み立てるのは、ずーっと見ていられるほどおもしろいです。

私はまだまだ勉強不足で違いが分かりませんが、山鉾によって荒縄のまき方にも個性があるそうです。

京都の道路には山や鉾を建てるための礎石が埋め込まれています。

鶏鉾の礎石

大きな山鉾だと10トンを超える重量になり、柔らかなアスファルトでは山鉾が沈んでしまうため、石が埋め込まれているそうです。


山鉾建の日程はこちらで確認できます。
ただ、この表はあくまで目安でしかありません。毎年この表を頼りに山鉾町巡りをしますが、会所売店が始まっていなかったり、二階囃子の日時に会所に電気すらついていないこともありました。あくまで目安と思っておいた方がダメージが少なく済みます。

http://www.gionmatsuri.or.jp/news/151

以下、表の見方の説明です。

山鉾建てやまほこたて:それぞれの山鉾町で山や鉾の組み立てを開始する日時が書いてあります。大きな鉾は初日は土台だけ、2日にようやく鉾の形が見えてきて、3日目に胴掛けなどの装飾の取り付けまで完了します。
おススメは鉾の2日目。横向きに組み上げた鉾を90度立ち上げる様子は見入ってしまいます。

鷹山の山建ての様子 2023年撮影


鶏鉾では紙御幣をつけることができます。2023年撮影
2024年は7月11日の正午ごろに御幣つけが行われる予定です

曳初めひきぞめ舁初めかきぞめ:鉾は曳く、山は舁くといいます。組み立てた山鉾の試運転が行われる日時が記載されています。
基本的には一般の人も参加できますが、実際に参加できるかどうかは山鉾ごとに事情が異なります。人気の鉾には開始1時間前から並ぶ猛者もいますし、山鉾町の人やその地区の小学生などが優先されるため、空きスペースがあれば一般人も曳初めに参加できる可能性があります。
去年は通りすがりの外国人観光客が曳初めに参加している鉾もあり、ちょっとした混乱がおこっていました。今年は日本語の説明を理解する人だけなど、規制をかけるかもしれない、と知り合いから聞きました。
曳初め・舁初めでは山鉾から伸びたロープをみんなでひっぱりますが、ロープにも神様が宿っているので、決してまたがないように注意しないといけないです。

会所売店:各山鉾町にある売店の営業日時が書いてあります。売店では厄除け粽、手ぬぐいや扇子、Tシャツなどのグッズが販売されます。
巡行前日の午後には品薄になる山鉾がでてきますので、買いたいものがある場合は会所売店がオープンする初日に行った方がいいです。

会所飾り公開:山鉾町が保管している懸想品けそうひんは巡行当日用、会所で飾る用など数パターンあります。山鉾に取り付けが完了すると近くで見ることが難しくなりますが、会所飾り期間中に間近に見ることができる山鉾もあります。

芦刈山の会所飾り 2023年撮影

御朱印押印:山鉾町の人が押してくれるところもあれば、スタンプを自分で押すパターンの山鉾もあります。志納金制の山鉾もあれば、300円など金額が決まっていることもあります。

山鉾搭乗:搭乗券を購入して山鉾に搭乗することができます。搭乗券は500円程度です。粽やグッズを買えば搭乗できる山鉾もあります。男性に限定されている山鉾もあります。
結構高い位置にありますし、揺れるので、高所恐怖症の人は要注意です。

放下鉾の搭乗口 なかなか急な階段 2023年撮影

駒形提灯こまがたちょうちん:組み立て終わった山鉾はらちで囲まれますが、埒内に提灯を灯す期間が書かれています。
駒形提灯が設置されると、豪華な懸想品で飾られた山鉾が見づらくなりますが、夕方から夜に灯される提灯はとっても素敵です。

鶏鉾 2023年撮影

二階囃子にかいばやし:吉符入りが終わった山鉾町では会所の2階でコンチキチンと呼ばれるお囃子の練習が行われます。

お囃子:山鉾建てが終わって、曳き初めが終わった山鉾では、巡行前日まで山鉾の上や周囲でお囃子が演奏されます。
綾傘鉾の棒振りが人気です。


京都駅2階の展示 2024/7/9

今年も京都駅に山鉾町の提灯が飾られました。
毎年7月2日に山鉾の順番を決めるくじ取り式が行われますが、2日以降に山鉾巡行順に飾りを並び替える細やかさ、好きです。
京都駅だけじゃなく、百貨店のショーウィンドウの展示などもきちんと巡行順に並べ替えられているので、京都では当たり前のことなのかもしれません。

長刀鉾会所の貼り紙 2024/7/9

今年は粽はあちこちで値上がりしています。やむなしですね。
去年はQRコード支払に対応しているのは大きな鉾だけでしたが、2024年は多くの山鉾で支払方法の選択肢が増えるかもしれないな、と期待しています。

大きな山鉾町は大学生が学校単位で手伝いに来るので、人手が豊富です。収益が出ていて、人手がある山鉾町はデジタル支払に対応できそうですが、町内の人だけで運営している山では、いまでも現金支払いのみとなっていることがあります。

宵山期間中に頒布品を買いに行く時は千円札や硬貨を用意しておきたいと思います。


京都駅の展示 2024/7/9

祇園祭のご朱印集めをする方も多いですが、去年とは異なる意匠になっている山鉾もあります。


御手洗井 2024/7/9

以前は御旅所だった御手洗井が開いていて、お賽銭箱も設置されていたのでお詣りしました。

大丸のショーウィンドウ
大船鉾の龍頭と村上隆の祇園祭礼図
大丸百貨店 1階
全山鉾の厄除け粽展示

厄除け粽だけを集めて展示されているので、それぞれの山鉾の違いが分かって面白かったです。
絵馬がついていたり、お花がついていたり。
郭巨山の小判が目立っているような気がします(上段右から3番目)

明日からの山鉾建てが楽しみです。

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