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【49歳のつぶやき】 素敵な食器ありきの生活を目指そうと、なんとなく思った話

「虎に翼」が面白い。
寅子の「はて?」は、おばさん同士のおしゃべりの中によく登場するし、
「ジェンダー問題を真っ向から扱っているドラマ」と称賛する先輩、「今回も泣いてしまった」と感想をLINEに綴る友達もいる。

その一方で私は、食事の場面、寅子の家族が使っている食器に目がいってしまう。
特に、お椀。
あの漆がたっぷり使われているようなお椀。上品な艶をまとい、角度によっては輝きさえ放つお椀。「食洗機では絶対に洗っちゃいけない」オーラを発散しているお椀。

うーん、素敵。
だけど、大変そうだ。
やっぱり素敵💕 
だけどやっぱり、大変そうだ。

ここのところの私、こんな問答を一人で繰り返している。

なぜか。
それは、我が家の食卓にほぼ毎日登場するお椀が、いよいよ危機的状況だからだ。新しいものを我が家にお迎えしたいな、せっかくならいいものを大切に使っていきたいな、と思っている。

その一方で、「食洗機を使ってはならない」という事実が、めちゃくちゃ重くのしかかってくるのだ。
食洗機、本当に食器キラーだと思う。
木の食器は、その長所をことごとく潰されるし(食洗機にかけるなって)、
娘が選んだなんとも美しい桃色をした萩焼のお茶碗も、おそらく食洗機の強い洗浄力が原因で割れたと思う(だから、食洗機にかけるなって)。


いいものを大切に使う。

さらっと言えちゃうけど、主婦にとって「使う」は毎日のことで、子どもや夫やなんやかんやに翻弄される日々の中、「大切に」まで冠されると、プレッシャーが半端ない。

私には、多分できない。

食洗機、最高だし。

素敵なお椀を、嫌いになってしまうかもしれないし。

***

しかしやはり、素敵なお椀がいい。ここはどうやら諦めきれない。
我が家はお正月だけは、漆塗りの重箱やお椀をつかっている。
あのときめき、食器に対する敬意にも似た特別な思いを、年に一度だけのものにするのはもったいない。

そうだ、「素敵なお椀ありき」の生活を目指そう。
もうすぐ50歳だし。子どもたちも大きくなったから、食器に配慮する必要はないだろうし。

食洗機に頼らない生活。
時間に余裕がある生活。
ものを大切に扱うことが当たり前の生活。
素敵なものに、心がときめく生活。

***

娘のバレエ教室の先生が、おっしゃっていたっけ。
「衣裳を、娘ちゃんの身体に合わせるんじゃないんです! 娘ちゃんの身体を、衣裳に合わせるんです!」

ホックの位置を付け替えることを、止められたのでした 笑。
娘、「無理でしょ、こんなの入らない」って半泣き。
だけど、この衣裳のために自分を変えるしかない状況になると、頑張れるんですね。顔を真っ赤にしながらも、なんとかホックを引っ掛けることができたのでした。バレエの動きにも張りが出たような。

漆の食器もそういうことだなあ。
「無理ー!」と言いつつ、いちど投入したら、あとは食いついていくだけ。

***

娘も頑張ったんだし、私も気合い入れよ、と思いつつ、やっぱり迷ってしまいますね。
お店で素敵なお椀を見つけたものの、「買おうかなー、どうしようかなー」と店舗内を行ったり来たりを繰り返す自分の姿が、想像できます 笑。

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