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【子育て】ただギューってして欲しいだけ

早朝のこと。
隣で寝ていた小2の息子が、「ちょっと気持ちが悪い」と言う。
エアコンで冷えたかな? 昨晩、何か悪いもの食べたかな?と考えつつ、「まだ眠っていて大丈夫だよ」と声をかけた。

うちの息子はなかなかの早起きで、「もっと寝とけ」と言っても6時前には布団から出て制服に着替え、NHKニュースを見たり(朝のチャンネル権は父母にある)、漫画を読んだり、ソファでボケーーーとしたり(そしてそのまま二度寝)して過ごす。

なので、「今日はギリギリまで寝といていいよ」と伝えたが、「気持ちが悪い」と言っていたわりには、意外とシャキッと起きて朝食をいつも通りに平げ、謎のテンションで室内を走り回る始末。
「なんだ、めちゃくちゃ元気やん。学校に行けるね」と声をかけたら、急に和室へ移動して布団にくるまってしまった。

え? なんで?

顔をのぞきこむと、ちょっとはにかんだような表情をしている。
「あのね、ママ」
「何?」
「・・・・・なんでもない」

この「なんでもない」は「行きたくない」ということだ。
母にはわかる。

今日の私は、スケジュール的にも気持ち的にも余裕がある。
恐らく息子はそれをわかっていて、ちょっとしたわがままをぶつけてきたのだと悟った。

「うーん、じゃあさ、遅刻する?」と渋々提案したら、「うん!」と明るく返された。
1、2時間目はプールなので、登校は3時間目から。
その間、息子は大好きな漫画の「サバイバル」シリーズを読んで過ごしていた。

時間になったので、家を出た。通学路を二人で歩きながら、ほんの10分ぐらいだけど、色々なおしゃべりをした。
正門に着くと、息子は満足した様子で、「行ってきます」と教室に向かっていった。

毎日、親として十分にかまっていたつもりだったけど、息子は心のどこかで寂しかったのかなあ。
今朝の「プチずる休み」で、元気は蓄えられたかな。だったらいいな。

***

息子が漫画を読んでまったり過ごしている間に、ママ友からLINEが届いたので、こっそりやりとりをしていた。

なんてことない、ただの世間話だったけど、
「うちの子、今日は遅刻するって言って、まだ家にいるの」と送ったら、
「大丈夫ー? うちの子も、時々『学校に行きたくない』って言うよ」という返事。

やはり我が子が「学校に行きたくない」と言うと、どの親も焦るだろう。
彼女もその時は、「なぜ行きたくないのか?」を探ったそうだ。

体調が悪い?
友達と喧嘩した?
先生が怖い?

内心は焦りながらも、優しい口調を心がけて聞いてみたら、
「お母さんのギューがなかったから」と答えたそうだ。

そんなんかい!
ギャハハ。

と笑い話といえばそれに尽きるが、子どもってそういうとこ、あるよね。

ただ、親の愛が、親との時間が、欲しいだけ。

***

「お母さんとギューしたい」という気持ち、よくわかる。
だって私は、「お母さんもギューしたい」と常々思っているから。

なので、一週間に一度くらいのペースで「抱っこしてあげる」と言って息子を抱っこする。
息子は、あからさまに嫌そうな顔をするときもあれば、素直に腕の中に飛び込んでくることもある。
いずれにせよ、息子に気を遣わせていることは確かで、息子のサービス精神が発揮されているとつくづく感じる。

だから、あと数年もしたら、「なんだよ、キッモ!」とか言って拒否されるんだろうな。悲しい。

と、勝手に学ラン姿の息子にそっぽ向かれる図を想像していたのだが、
中2の息子さんがいるママ友さんが
「わたし、今でも抱っこしてるよー」と言っていたので、驚いた。

すかさず
「え? 今でも抱っこさせてくれるの? 中2でしょう?」と聞いたら、
「うん、嫌がるけど、『明日お母さんが死んじゃったらどうするの!?』って言ったら、渋々抱っこさせてくれるよ」
とのこと。

すごい。
真似しよ。

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