5月19日「文学フリマ東京38」、5月19日「娘のバレエ発表会」

5月19日(日)。この日わたしは、東京と大阪で大切な用事があった。

東京での用事は、「文学フリマ東京38」。
ライター仲間とつくったオムニバスZINE「しくじり見本帖 〜16人の失敗談〜」が出品されるのだ。私はこの本のブックデザインを担当した。(もちろん執筆もした)

大阪での用事は、子どものバレエの発表会
娘は2月から頑張ってレッスンに励んできた。特に今年は、小学校の卒業式、中学校の入学式、そして初めての中間テストを経ての本番当日だ。
親としても、いつも以上に励まし応援してきた。

そう。東京での「文学フリマ東京38」も、大阪での子どものバレエの発表会も、私にとってはここ3ヶ月間の集大成なのだ。

* * * * * *

実はこの日、私はまだ「しくじり見本帖〜16人の失敗談〜」の完成品を見ていなかった。というのも、印刷会社から納品されるのが、この文学フリマ当日だったからだ。

ドキドキした。
普段は忘れているのだけど、ライター仲間さんたちが「しくじり見本帖〜16人の失敗談〜」をSNSで盛り上げてくださるのを見るにつけ、時々ふんわりとしたドキドキが舞い降りてきた。
「私が作ったデータにミスがあって、変な本が届いたらどうしよう」と。

ライター仲間のKさんが「Facebookで文フリの様子を報告しますね!」と言ってくださったので、FBをスマホで見られるようにアプリをダウンロードした。(普段はパソコンで見ている)


バレエの発表会の日は、1日が長い。
楽屋入りが9時だったりするし、会場が遠かったりするので、この日も朝の7時半に駅に集合した。私は5時過ぎに起きてお弁当を作り、朝食を作り、娘のシニヨン(頭のお団子)をガッチガチに固めた。
電車に1時間ちょっと揺られて会場に到着。9時ちょっと前に楽屋入りし、子どもたちはすぐに練習着に着替え始めた。

私はまめにFBをチェックした。とにかく、「ちゃんとした本が納品されていました」というメッセージを見たかった。そうしたら、私の今日の用事@東京は完遂したようなものだったからだ。
しかし、FB上で交わされるメッセージからは、皆さんが会場入りすらできていないことしか読み取れない。
入場だけで大変そうで、トイレも長蛇の列で、いつの間にか「皆さんが無事に会えて、ブースの設営ができますように!」と願っていた。


練習着に着替えたら、まずはメイクアップだ。娘は初めての「つけまつ毛」に爆笑したり、友達といじりあったりしながら、スマホで撮影していた。初めてバレエのメイクを目の当たりにしたときは「ギョッ」としたが、発表会も数えてみたらもう7回目。ずいぶんと慣れた。
メイクを仕上げたら、順次、舞台上でリハーサルが始まっていく。自分のリハーサルまでは記念撮影をしたり、ご飯を食べたり、カードゲームをしたりして、各々の時間を過ごす。


文学フリマ東京38の開場は、12時。正午ぴったりである。
私はただ「ちゃんとした本が届いたか」どうかが知りたくて、まめにFBをチェックしたが、それについての投稿はない。というか、投稿そのものすらない。
開場に向けての準備が、佳境を迎えているのだろう。
そこへ「3冊売れました!」というメッセージが届く。
おそらく、12時を過ぎてそんなに経っていないタイミングだったと思う。結構いいペースなんじゃ?と思ったと同時に、一気に安堵感が込み上げてきた。
「あーーーーー、よかった!売っても問題ない、ちゃんとした本が納品されたんだな!」


発表会のリハーサルは、14時の開演に向けて順調に進んでいるように思われた。が、観客の入場時間13時半になっても、開場しない。どうやら、リハーサルが押しているらしい。楽屋に設置してあるモニターで、リハーサルの様子を眺める。


文学フリマ東京38において、私が一番気にしていたのは「ちゃんとした本が納品されるか」だったけれど、一緒に作った仲間にとっては「ちゃんと売れるか」だった。(そりゃそうだ)
「売っても大丈夫な本」が納品されたことがわかった今、私にとっても「ちゃんと売れるか」が気になる事柄になった。なのでやはりFBをチェックしてしまう。
1時間ほど経った頃、「8冊売れました!」というメッセージが届いた。このまま行けば、40冊売れる計算だ。販売予定数は40冊なので、目標に手が届く可能性が見えてきた。


押していたリハーサルが終わり、いよいよ開演が近づいてきた。本番が始まれば、保護者は一切、楽屋に入れない。
娘とお友達、小さなバレリーナたちに「頑張ってね!」と手を振って、楽屋を後にした。
お客さんは結構な大入り。私は余裕をかまして席を取っていなかったので、少し焦ったが、夫と息子がちゃんと3人分の席を確保してくれていた。
娘は小品集のトップバッターだった。
発表会は14時に始まって、終わるのは17時過ぎだ。
文学フリマも17時が閉場だったはず。


40冊、売れるのだろうか。
発表会は、無事に終わるのだろうか。

いよいよ開演だ。発表会が終わるまでスマホは見まいと、カバンの奥にねじ込んだ。

(続く)

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