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文集を読み直して

息子の転校前の学校で親子共に苦労していたことを、どこから書こうかと思っている内に時間が経っていたから、とりあえず、今日は今日のことを書いて、ブログをスタートしてみようと思った。

息子は5年生になって、随分と成長したなと思う。特にこの夏は、草木が伸びるように背も伸びて体も大きくなった。毎朝声をかける度に、「大きくなったな」と思うくらい。

先日、しばらくの間叔母のガレージに置いてもらっていた段ボールを3箱引き上げてきた。10年近くもそのまま置きっぱなしで何も困らなかったのだから、開けずに捨てててもいいのかもしれないけれど、開けてみたらそりゃあ懐かしさがたくさん詰まっていた。

その中に、私の小学校時代の文集が4冊あった。私の学校では、先生が交代する度に作っていたらしく、1年生、2年生、4年生、5年生のものがあった。おそらく小学校卒業してから読み直していない。
断捨離を進めたい今、私の学生の頃の思い出は、息子に見てもらったら処分しようと決めた。だってよっぽどいいことか悪いことをしない限り、私の文集なんて誰も開きはしないもの。


1年生にしては文字が上手に書けているな、
こんなこと考えていたんだ、
母親目線で子供の頃の自分を見返すことができる、不思議な感覚。
1,2,4年生のクラスメイトは殆ど記憶が無い。
ただ、5年生は見返している内にだんだんと思い出がよみがえる。

5年生の担任の先生はちょっと変わっていた。子供の私たちにも分かった異端児な女性の先生。令和の今では、絶滅危惧と言ってもいいくらい情熱がある先生で、週末もいろいろなところへ連れて行ってくれたし、確か先生のお家に班に分かれて泊まりに行った記憶もある。母がちょうどPTA役員だったのもあって、この一年は5年6組にどっぷり浸かっていた。毎月どこかへ出かけたり、コミュニティーセンターでお楽しみ会があったような。母もよくやってくれていたな。Lineも無いのに、お母様方スゴイー!
文集の最後に1年間のあゆみが丁寧に記されていて、先生の気持ちが熱く伝わる。自分が社会人になり、子供を育てている今だから、ここまで子供にご自分の時間と情熱を使ってくれるなんて、仕事を愛し全力でこなしていたんだな、と感謝の思いが浮かんでくる。
文集のみんなのテーマが「がんばったこと」で、クラスのみんなが5年生の1年間で、それぞれにがんばっていたことがよーく分かる。いろんな子がいたのに、しかも40人近く、それぞれに気を配ってフォローしていたなんて、吉田先生、めちゃめちゃ仕事できる人だ~!!

文集を見つけて、吉田先生への尊敬と感謝に気が付いたことと、もう一つ、今同じ5年生の息子を、5年生だったころの私を通して見るということもできた。
これが面白かった。
吉田先生のお陰で、5年生の思い出がたくさんあり、5年生の自分を思い出すことができて、あの頃の感情や感覚がじわじわと戻ってくる。
すると、5年生の私が、今の5年生の息子を見た時にどう思うのかなと想像できたのだ。
学校に来たり来なかったり、勉強も遅れていて、「もう、しっかりしてよ」とか「先生、宿題提出してない人がいるんですけどー」とかチクりそうだけど、それでも話が面白くて、ニコニコしている息子を悪く思うことはないだろうなと思った。
ということは、
今の私:「心配いらないんだ!」、
5年生の私:「お母さん、息子さんの心配ばかりしてなくていいですよ!」
そんな私と私の対話が見えた気がした。

何でもかんでも取っておいては、運が上がらない、断捨離なんなら全捨離!と叫ばれている昨今ですが(私の周りだけか??)ずっと取っておいた思い出だけが届けてくれるノスタルジーという感覚、これもprice less、お金で買えない。
昔の私に、今の私が励ましてもらう、そんな体験も貴重だなと思った。

困った、捨てられないぞ。



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