見出し画像

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がすごかったのは、RPGなのに作業ゲームではなかったということだ。普通のRPGだと、どうしても作業感が出てしまう。あそこに行け、あの獣を狩れ、あの人と喋って問題を解決してこい、それが楽しいのだが、「これ‥いつもやってる業務と同じじゃん‥」となってしまいおしまいにしてしまうのだ、出来が悪いものだと。

ゼルダにも、もちろんたくさんのミッションはある。例えば「四体の神獣を解放せよ」というミッションだ。つまり中ボス4体。そのためには、長い距離を走って、弓やギミックを攻略するスキルが必要とされる。しかし、それを作業と感じさせない所が凄かった。自分が走るのは自分のためだった。すべてはニンテンドーにコントロールされているが、ニンテンドーの操り方はすごかった。何もかも自由意志でやっているのだと感じさせてくれた。

プレイヤーは、どこまでも広がるハイラルの大地を駆け抜けて、好きなところに行けばいい。足で駆け抜けて、崖を登って、湖を泳いで、馬に乗って駆け抜けて、たどり着けばいい。またそこに来れるように、塔を登って、祠を見つけて、ワープして再度来られるためにだけ、また走り出す。草原はどこまでも広く、草を狩ればルピーが出てくるし、木のもとには魅力的なきのこなどがある。

リンクはいつも一人だ。一人で走って、矢を撃って、獣肉を焼いて食べる。それが心地よい。ソロキャンプが好きな人の気持ちがわかる。でもリンクはいつも一人ではなかった。出てくるキャラクターは少ないが、その全員が魅力的だったのも孤独感を感じない理由だった、宿屋に行けばいつでも行商がいたし、戦いのときには四神獣が守ってくれた。誇り高き四神獣たちと、そしてゼルダが。戦う時に励ましてくれたメドーが飛ぶ力をくれ、ダルケルが守りの力をくれ、美しいウルボザが雷の力をくれて、そしていつも、力尽きた時にはミファーが守ってくれた。

自分はリンクで、ゼルダ姫とこの世界を救わなくてはならない。そういう使命感を与えてくれるほどの没入感をプレイヤーに与えるためには、ゲーム内に瑕疵があってはならない。そんなに完璧なゲームをどうやったら作れるのかわからない。ニンテンドーすごいな。

今でもブレス オブ ザ ワイルドの音楽を聞くとあの大きなフィールドや温かい宿屋の光景がくっきりと浮かび上がる。一番泣いたのはかてぃんさんのガノン戦だ。なんといっても我々はガノンを倒すために何十時間もこのフィールドを走り続けてきたのですからね。ガノン戦に関しては私からは何も言わないが、ゲームを終わらせたくなくてずっとガノンと戦わないようにしていたので感慨がすごかったことだけは言っておく。


それにしてもこのゼルダのテーマ曲はなんだろう。めちゃくちゃ励まされるのだが、この力はなんだ。「この世界ではお前が主人公だ、さあ行って来い」と励まされる気分になる。ゲーム音楽というのは他の音楽と違って、一緒に戦った仲間と一緒に歌ってるカラオケみたいな気持ちで聞けるので千倍泣けるんだよな。ゲームをやると、音楽作らない人でも音楽が全然他人事じゃなくなるという経験ができるのでぜひやってみてくれよ。ということで続編がたのしみです。



この記事が参加している募集

休日のすごし方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?